百六十八話 心の闇を打ち払う一閃!
「このぉ!!」
炎を出して応戦するアリスに余裕そうにメルロは剣で応戦する。アリスの炎の剣とメルロの剣が激しくぶつかり合う。
「何とかして一撃加えないと...」
「それは無理ですね!」
剣で何度も打ち合いながらアリスはどうにか隙を伺う。地面に剣を当てながら上に振り上げ、炎を起こして攻撃をする。炎のトンネルができて、その空いたところから剣を差し込む。
「くっ!」
その攻撃を剣を横にして防ぎ。弾いてから剣で炎を打ち消す。
「剣心の太刀」
そう言って再びスキルを繰り出す。その衝撃の勢いをアリスは炎で相殺する。
「はーっ!」
「ぐっ!」
アリスは隙を見せずに剣で何度か攻撃して、メルロに傷をつける。一進一退の攻防が続く中、メルロが勝負に出る。
「なら、こちらも大技を出すとしましょうかね。決勝戦で出そうと思ってたのですがね」
「剣心の大太刀」
そう言いながらメルロが剣を振ると、先ほどより大きく衝撃が放たれる。その衝撃は幾つも半月の形となりアリスに向かって勢いよく襲いかかってくる。
「こんなものっ!!」
そう言って炎で防ぐが。その勢いは止まる事を知らずアリスの炎すら切り裂いて向かっていった。そして剣で何個か防ぐも全ては防ぎきれずアリスの剣を避けながら体を切り裂く。
「どうですか?」
「っ...!」
「何度も連発できないものではないですが、普通のやつより遥かに高い力を持ったスキルです」
切り裂かれた身体中から血を流しながらアリスは反撃に向かう。何度か剣同士の混じり合いの後にアリスは「うっ...」と言いながら体に手を当てた。腕や足に先ほどの半月の形の衝撃が当たったことで痛みが走り少し動きが鈍ってしまったのだ。
「一気に決めた方が良さそうね...」
「ほう?」
「スキル!!!獄炎葬!!!」
またあの凄まじい炎を放つスキルが放たれる。だがメルロも何度も使った剣心の太刀を用いてまたアリスの炎を簡単に相殺する。そしてその衝撃でアリスはまた吹き飛ばされた。
「あなたも学習しませんね。そのスキルはかなり強力ですがこちらのスキルで簡単に相殺できてしまいますよ」
「わかってるわよ」
そう言いながら立ち上がったアリスはどこか嬉しそうだった。
「ならなぜ...」
「これであなたに勝つ方法が分かったわ」
「ほう?」
アリスは「はーっ!!!」と言いながら何度か剣を交える。そしてしばらく剣の混じり合いの後に、また炎を出しながら剣を構える。
「行くわよ!!!スキル!!」
「また同じことを...!」
炎を纏わせた剣を振り下ろすと剣と一緒に激しい炎が襲いかかる。
「こちらの剣心の太刀も使用にはインターバルが要ります。だからそこを狙ってのことでしょう。しかし!!!剣心の太刀!!」
そう言ってまた衝撃を放ち炎をかき消す。アリスは吹き飛ばされないように剣を地面に突き刺して体勢を保つが襲いかかる衝撃を守る手段はなくまた体に大きくダメージを受けてしまう。
「ふん...っ!?」
剣を引き抜いたアリスは勢いよく剣を振り上げて凄まじい量の炎を纏わせる。
「なっ!?先ほどのスキルでもう炎は..!」
「残念。さっきのはそう見せかけるフェイントよ」
「っ...!」
「スキル!!!獄炎葬!!!」
激しい炎と共に剣を振り下ろすとその炎の中にメルロは消え、すぐに大きな爆発が巻き起こった。しばらく煙が立ってその中からボロボロのメルロが出てくる。
「くっ...私は犯罪者を...!」
「たしかにあなたの話には同情できる。でもだからって罪に向き合った人に言うのはおかしいんじゃない?」
「っ!そんなこと」
そう言いながらメルロ振り上げて向かっていく。それを防いでアリスは剣を振り上げたクルクルと飛んでいったメルロの剣は床に刺さり、メルロが倒れた。
「試合終了ォォォォォォ!!!勝者!アリス選手ゥゥゥゥ!」
その司会進行役に歓声が湧く。天空に浮かんでいたバトルフィールドはビューンと床に降りていき、地面にたどり着くと周りのバリアが消え去った。
倒れているメルロが運び出され、アリスも傷だらけの体を引きずりながら戻っていく。
「えーっと...第二試合!ネネ選手vs.レミー選手!!」
その選手説明で2人がフィールドに立つ。どちらもやる気は満々だ。両者がフィールドに立ったことでフィールドは上へと上昇、あっという間に天空へと向かった。
「まさかここまで来るとはな」
「あなたを倒す」
「ふっふ、こい!!」
「それでは、始めまショウ!試合開始ィィィ!!!!」