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百六十五話 決戦前夜


「あれ?テティどこにいるんだろう?」


試合が終わったそんなことを言いながらアリスはキョロキョロと当たりを見回した。どこにもテティの姿がないのだ。いつもならこの今アリスが立っている入り口のところで待っているはずだ。



「もう、どこ行っちゃったの?」



なかなか見つからないアリスは、少しばかり嫌な予感がしていた。



「まさか...あのレミーってやつが...」


ネネはあの戦いで休んでいるし、ミミは手伝える状況ではない。メルロに頼んでも...と言う感じなので1人で探すことにした。とりあえずこの辺りにいる人たちに話を聞くことにした。



「妖精?さあ?」



アリスも聞いて周るが、なかなか有益な情報を得ることができない。焦りを見せるアリス。早くしないとテティがどんな目にあっているかー。想像もしたくないようなことが起こる前に早く探しだないといけない。



「ああ、妖精を連れてそこの家に入って行った奴らがいたぞ」



「本当!?」



しばらく話を聞いていると、そんな話が浮上する。



「それはどこに..!?」



「えーっと...あっちの方に」



そう言ってその人は向こうを指差す。それを頼りに何回か話を聞くと、最終的にとある白い壁の家にたどり着いた。





白い外壁のそのごく普通の家だ。



「ここに...テティが」



ごくりと唾を飲み込んでノックしてみる。ドアは鍵が空いていていたが、流石に中に入るわけにはいかない。



「キャアアアアアアアア!!」



それはテティの声だった。どうやらそれは奥の方から聞こえてきたようだ。アリスは慌てて中に入り、声のした奥の方へと進む。するとそこにあったのは男がテティに何かしようとしている光景だった。



「何してるの!?」



「あ、いや違...これは..」



「テティをさらって...レミーの手先ね!?」



「いやちょ!話を...ちょ!!」


アリスは話を聞かずにその男に飛び掛かるのだった。





「それで、テティに何をしようと?」



部屋の奥でアリスはそう男に尋ねた。



アリスは少し嬉しそうな顔をしながらその人が指した家を見る。男はアリスにボコボコにされ、顔が少しばかり腫れている状態で正座をさせられている。

そんな男をアリスとテティで問い詰めているところだった。



「いやその...少しばかり観察を...そしたらこの妖精が目を覚まして、悲鳴を...」



「だってあなた私を何かしようとしてたでしょ!?」



「誤解だ!俺は妖精に目がなくて、ただ君を観察を...」



「嘘!レミーってやつに言われたんでしょ!?」



「いや誰だそれ!本当に知らない!」



「...本当に?」



「ああ」



本当に関係ないようで、アリスは「はあ」とため息をつく。



「本当にすまなかったと思ってる。あんな誘拐のような形で連れて行ったことは反省している」



「ならいいけど...」



なんだか本当に知らないようなので、とりあえず関係ないということで話はそれで終わった。全く、蓋を開けてみればなんだかよくわからないやつにテティが連れて行かれただけという拍子抜けする結末にアリスはまたため息をつく。だがそのため息きーには同時に安堵も入っていた。


「行こうアリス」



「うん」








「ねえアリス」


その夜、アリスとテティは夜のベンチで話していた。近くには街灯が等間隔に置いてあり、周り気は誰も居ない。



「ついにここまで来たわね」


「ええ。メルロにもレミーにも負けないから」


「ねえ、アリス」


「何?」


テティはそこから少し黙っていたが、少し間を空けてこんな事を言い出した。


「私がいなくなったら..アリスはどうするの?」



「何?突然??」


「ああいや、仮の話よ。仮の!」



「そりゃあまあ..悲しい...んだけど、実際にそうならないとわからない」



「まあそうよね!」



「あははははは」と明るく振る舞う。なんだかそんなテティは無理をしているような気がした。



「絶対勝ってね!アリス!」



「もちろん!!」








「さあ!!決戦の時がやってまいりましたぁあ!!」



そう言って司会進行役はテンション高めに言った。フィールドにはアリスとメルロが向かい合っている。



「最終戦第一試合は、アリス選手vsメルロ選手!では試合開始の前に少し仕掛けを...」



司会進行役がパチンと指を鳴らすと2人のいるフィールドは勢いよく飛び上がる。そしてかなりの高さにまで行くとぴたりと止まった。



「これが最終戦のステージ、天空闘技場です!!」



下を見ると観客はおろか街すら小さく見えるほどの高さだ。



「もちろん落ちないように壁が貼ってあるので安心して戦ってくださいね!!では、私は邪魔になるのでここで退散します。私の姿が消えたら試合開始となります!」



そういうと司会進行役はまた指を鳴らし姿かが消えた。そしてその瞬間、2つの剣が混じり合うのだった。



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