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百六十ニ話 霧が生み出す幻影



「はーっ!!」



アリスの炎で霧でできたネネとメルロの偽物を撃退する。どうやらアリスの炎には弱いようで、剣で斬られると少しの間再生が遅くなるようだ。



「なかなか厄介ですね...!」


「もう!この数を相手にしてられないんだけど!!」



このまま戦っていても、先を越されてしまう可能性だってある。先着順というのだから急がなけれならない。どうにかしてこの集団かを突破しなければならない。

アリスは「なら!」と言って剣を上に構える。そして剣に荒まじい炎を纏い始めた。


「スキル!!!獄炎葬!!!」



そう言って剣を回転させるとその炎が霧の魔物達に消えていく。その炎の威力は凄まじくかなり広範囲に広がっていった。



「すごい!!!」



「さすがです!!」



「行こう!」



アリス達は進んで行くが、少しするとすぐに同じように霧のニセモノが生成される。



「もう!こんな時に!」



「アリスさっきのをもう1発!」



「それが...」



「何?」



「そんな何回も打てるものじゃないみたいなの!そして使うとしばらく炎も出ないみたいで...」



「ええ!?なんで!?」



「とりあえず走ろう!」



いちいち相手にしてられないので、剣や矢で攻撃してほんの少しだけ動きを止めつつ3人で走る。霧の道をひたすら走っていくのだった。










「ほう...これは厄介ですね」



そう言いながらメルロは霧の偽物を叩き斬った。だがネネ達の時のようにすぐに再生して襲いかかってくる。だが何度何体襲いかかって来ようが涼しい顔で撃退する。



「ニセモノというだけで大したことはないですね」



そう言って撃退しながら進んでいると、広い場所に出た。



「どうやらここが最奥地のようですね」



この先には特に道は続いていないようで、ここが最奥地だということはわかった。向こうの方に何かがある。目を凝らして見てみるとそれはこの洞窟で回収するべきキンギョクだった。



「これでは前の迷宮より拍子抜けですね...」


そんなことを思いながら少し進むと、霧が一点に勢いよく集まってくる。そしてその霧はヒゲや王冠のつけた人型、詰まるところの王様のような形を模った生物になった。



「まあ、こうでもないと面白くないですからね」




「でたあああああああ!!!これは最奥に潜む脅威、魔霧の王(ミスト・キング)だあああああああ!!」


司会進行役はその洞窟内の映像をモニター越しで見ながらそう叫んだ。



「こいつはかなり危険な上に倒すことはほぼ不可能!!!」



そう司会進行役がいうと、「でもそう言ってあの牛の番人は倒したからなあ」と観客席から聞こえてくる。



「今回は違います!霧というだけあってダメージを与えることはできません!まああのアリス選手の炎は倒せてるように見えますがまた復活するのであまり意味がないのです!!さて、メルロ選手どうするか...?」





「さて、こいつを退けて早くキンギョクを取りますか」




そう言って剣を構えて走り出す。メルロが一撃を加えるが、今までの奴らのようにすぐに再生してしまう。



「まあそうですよね。ならこいつを無視してとっとと...」



メルロがそう言っていると、魔霧の王(ミスト・キング)口から何かを吐き出したそれは床に命中するとシューッと音を床を溶かしていく。



「溶かす液体で骨までドロドロに...という感じですかね」



魔霧の王(ミスト・キング)は何回かまた液体を噴出する。メルロはそれを避けながら回り込んで奥にあるキンギョクを取ろうとする。だがメルロに向けて一撃液体を勢いよく飛ばした。



「だからそんなもの...ってっ!?」



メルロが液体を剣で防ぐが、今度飛ばしてきた液体は先ほどとは色が違うがそれを避けた。そしてキンギョクを取りに行き、戻ろうとすると、何かを踏んづけてしまった。それは先ほど吐いた物体だった。

これは先程まで吐いた溶かす液体とは違い、ネチャネチャとしていて足にくっついたまま離れなかった。



「面倒なものを...」



ネチャネチャの液体に足を取られて動けないメルロに今度は溶かす液体をメルロに向けて撃とうとする。だがそれは後ろからきた炎によって中断された。そこに現れたのはアリス達だった。



「アレ何!?」



「雲の...王様!?」



「敵の私をなぜ助けたのですか。放っておけば良いものを」



そうメルロはいうが。アリスは「偶々邪魔な位置にいたから一撃入れただけよ」とメルロと同じようない事を言った。



「お礼はいいから。ネネ、ミミ、いくよ!」



「ええ!」



「はい!」





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