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百五十四話 魔剣に宿る小さな炎



時間は少し遡りネネとミミがイズと対面している頃。


「くっ...」


そう言いながらアリスはやってきた4、5人ほどの敵を見る。他のところにも敵はいるがこいつらはアリスしか眼中にないようでアリスの方ばかり見ている。狙いはアリスだけなのだろう。



「この剣...」



そう言いながらアリスは剣を見る。魔の剣。星3ほどの突出したところにないようなごく普通の武器だ。


あのレミーってやつの仕業ね...操った人を参加させていたのね」



アリスの今の武器では4、5人ほどを相手にするのは難しい。なのでなんとか逃げながら新しい武器を手に入れたいところだが、この数ではガチャ自体回るのは大変だろう。どうにか撒かなければならないがそれも一苦労しそうだ。



「とりあえず何人か倒せば!!」



そう言ってアリスは向かって行くが、アリスの真横に何かが飛んできたのが見えた。突然の事に、アリスも「なに!?」と言いながら横を向く。



「レーザー..?」



そう言いながら前方を向くと、1人の男は剣からビームを出す。突然のビームにアリスは咄嗟に避けたが危うく当たりそうになった。その男はもう何回か剣からビームのを出す。



「何ビームって!あんな剣アリなの!?」



「ふっ!」



敵の1人の女はものすごいスピードでアリスに近寄ってきて持っている槍で攻撃を仕掛ける。槍自体はそこまで強くなく、おそらく移動速度を早める効果でもある代わりに強さは大したことないというタイプなのはすぐに分かった。



「でも厄介ね...」



それであってもビームと速い攻撃の2つがあってはなかなか逃げ切ることは難しい。アリスは速い槍を避けながら飛んでくるビームを避けるので精一杯だ。




「ウゴオオオオオオオオそいつは俺の獲物だああああああ!!」



そこに大きな斧を振り回しながらそう言う筋肉のすごいマッチョの男が乱入してくる。そいつは他の4、5人を斧で一撃で吹き飛ばすとアリスの方へと向かってくる。




「うおおおおおおおおおお!!俺はギゴって言うんだ!!」



「何!?」



「好きだああああああああああこの大会でお前を見かけてから一目惚れしてしまったああああああああああ!!!」



「はあ!?!?何いきなり!?」



「受け取ってくれ!」



そのギゴというやつはそういうと勢いよくアリスに主を振り下ろす。もちろんアリスにはそんな気はないので攻撃を避けて一撃を加える。



「ぐっ!」



「申し訳ないけど、あなたには応えられない!」



「なんでだ!好きなやつでも居るのか!?」



その質問にアリスは「えっ...」と少し顔を赤めて言葉が濁る。そして「まあ...それは...」と煮えたぎらない返答をした。



「うおおおおお!!どっちなんだあああ!!」


そんな叫びをあげているギゴにレミーの手下が襲いかかる。それを邪魔だと斧で振り払う。アリスはその隙に撤退していった。



「待ってくれ!せめて名前だけでもぉー!



そう言ってギゴは手を伸ばして悲しそうな顔をしたが、アリスはそそくさと退散していった。






「あなたはこの犯罪者の人たちの...」



と言うことがあり、現在アリスはネネ達の目の前にいる。アリスはメルロに剣を構えて「私と勝負よ」と言う。


「あなたがなぜそんなに犯罪者を憎んでいるのかはわからないけど...ネネ達にはてをだだせない」


本来なら新しい武器を手に入れるところだったが、ネネ達が襲われているのを見たアリスはその戦いに介入してメルロと戦うことになった。お互いに剣を構える。



「あなたもこの方達の仲間なら秩序を壊しかねない危険な存在。即刻排除しなければ」



「あなたには負けられない」




メルロが先に動いた。槍で何度も突く攻撃を繰り返す。アリスは剣でその攻撃を避けながら反撃をしていきたいが、なかなかその隙が生まれない。


「この程度ですか!?」



「そんなこと!!」



そう言いながら剣で槍の攻撃を防ぐ。何度も攻撃を仕掛けるメルロに防戦一方になるアリス。「はーっ!!」と叫びアリスもなんとか反撃をするがその攻撃は簡単に避けられてしまう。



「口の割に...大したことはないですね」



「まだまだぁ!!」



アリスの剣とメルロの槍がぶつかり合う。その時アリスの剣から一瞬だけ炎が出たような気がする。



「剣から炎が!!」



「ほう...」



「はっ!やっ!てやっ!」



メルロから一旦離れたアリスはその場で何回か剣を振ってみるが、剣からは炎は出てこなかった。アリスは「あれ?」と言いながらもう何度か剣をその場で振ってみるが、あの炎が出てくることはなかった。



「うーん、さっきの炎はなかなか出てこないな。



「遊んでる場合ではありませんよ」



「ま、あなたと戦ってるうちにそのうち出るでしょ」



「ねえ...あなたはどうして、そんなに悪を憎むの?」



「あなたには関係ありません」


「あなたがやってる事は正しい。けれど、同じことをやっていたら意味のないことじゃないの??牢屋に入れるとか、何かしらの手段はあるはずでしょ?」



「いえ。それでは意味がありません。あくしきものは必ず殲滅しなければならないのですから」



「そんな事...ないでしょ!?」



「あなたにはわかりませんか。残念ですね」



「わかりたくもないけどねっ!!」


そう言って何度か剣を交える。「はあーっ!!」と言って剣を振るアリスにその攻撃を上手くかわしたメルロはアリスの肩に傷をつけた。


「っ...!」


「悪人には断罪を」



「はーっ!!」


ガキン!という剣同士が混じり合う音と一瞬だけ火花が散る。少しずつ下がるアリスにメルロはジリジリと寄って行く。



「彼女たちは確かに悪い事をした」



「ならばそんな存在は邪魔でしかないはずです!」



「そんな人たちにだって更生の機会があるはずでしょ!」



「そんなものは必要ありません。全ての者には平等に同じ罰を受けるべきですっ!」


「このォーっ!!」



そう言いながらアリスが反撃をしようとしたその瞬間、アリスの剣からは炎がともり、炎を纏った剣は凄まじい勢いでメロウの剣を弾いた。メラメラと燃え上がる炎を見てメルロはなにも言わなかった。



「これ!闇魔の時にあった!」



闇魔の時にあった武器の進化だ。武器の中には一定の条件を満たすと進化をし、レア度の星が一つ増え、かなりの剣自体が強くなるのだ。アリスが剣を振るとさらにその炎激しく逆巻きながらメルロの方に向かって行く。その勢いに負けじとメルロは剣で炎を切り裂いてアリスの方へと向かって行く。



「はーっ!」



それを迎え撃つアリス。そしてお互いに勢いよく剣を振り下ろし迎え撃つのだった。








「おいあれなんだ?」



「何やってんだ?あいつ」



参加者はレミーを見ながらそう不思議そうに口々に行った。レミーは屋根の上でじーっと佇むというような奇妙な行動をしているため注目の的になっているのだ。しばらく佇んでいたレミーはニヤリと笑いこう言った。



「さあ、始めようか」



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