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百五十二話 生存闘争(サバイバル・バトル)


ついに大会の日。アリス達は目の前の大きな闘技場の前に立っていた。周りには準備してあった屋台が色々なものを販売していて良い匂いが漂ってくる。



「すごいわね!この盛り上がり!」



「たまにのお祭りみたいなもんだからね」



闘技場の中に入ると、いきなり会場があるわけではなく少し広い部屋とそこには受付があり右の方には木の椅子と机が並んでいる。右側にはおそらく会場へと続く道が続いている。



「あの、私たち参加しにきたんですけど」



「はい」



ネネ、ミミ、アリスはそれぞれ名前を言うと「はい、承っております」と言われ、奥に行くように促される。



「あ、その前に、この大会中では自身の武器の使用を禁じております。なので武器を一旦お預けになってください」



「武器使えないの!?」



「はい。ここからはずーっと試合内で手に入る武器を使っていだだきます」




3人はそれぞれ持っている武器を受付に渡す。武器が混同しないように、複数の袋に入れて横の通路に行くよう指示を受ける。




「いよいよだね」



「私は入れないから、観客席で応援してるわ!」



そう言ってテティは観客席の方へと飛び去っていった。アリスは「よし!」と意気込みながら少し暗い一本道の通路を進むと大きな闘技場と、真ん中にはたくさんの参加者。そしてぐるりと囲むように観客席があり、凄まじい歓声が湧いてくる。



「ここがフィールド...そしてあの人たちが同じ参加者...いわばライバル」





「あなた方も出るのですか」



そこにいたのはあの食事の場でネネ達に襲いかかってきたメルロという騎士と、メルロがイズ隊長と呼んでいた白髪の男もいた。



「やあ君たちは確か、店にいた...」



「ええ。アリスです」



「そういえば自己紹介をしてなかったな。俺はイズ。あの時は申し訳なかったね。うちのメルロが」



「ああいえ...」




「あなた方のような犯罪者を野放しにしておくわけにはおかないのです」



「お前もやめろ」



そのイズの声にメルロはそれ以上は何も言わなかった。



「こいつは色々とあってな。許してやってくれ」



「出ると言う事なので容赦はしません」



「望むところよ」



そう言いながらいきなり襲いかかってきたメルロに対抗心を燃やすアリス。



「こいつは俺より強いからな。油断しない事だ。ガーッハッハッハ」



「そ、そうですか...」




「あ!お前は!!アリス!!」



「えっ!?」



そのアリスの名前を呼んだのはマックスヒーローズだった。マックスヒーローズのマブ、アル、ホーはアリスを指差して「何でここに!?」と言う。



「あなたたちこそ!どうしてここに!」



「まあ色々あってな。お前こそどうして!」



「こっちも色々あるのよ!」



「知り合いか?」



「まあ」



「ふん、には負けないからな!」



そんな話をしていると、司会進行役が前に出て、マイクを使って大きく声を出した。



「さあ、始まりました大演舞闘会ィィィィィィ!!」




そその進行役の言葉は大音量で会場に響き、集中を集める。



「さあ、この中から頂点が決まります!!!誰が勝ち残るのか!?記念すべき最初の戦いは 生存闘争(サバイバル・バトル)




その言葉と共に主催者はパチンと指を鳴らす。するとゴゴゴゴゴゴと大きな地鳴りがして、フィールドが一つの街になった。この街ほどではないがフィールド自体がかなりの大きさで赤や青の屋根の家が何件も並んでいている街を模したフィールドだ。



「そして...」



そう主催者がいうと、何かがそのフィールドにばら撒かれる。それはどうやらガチャに必要な虹色の石だった。



「このフィールドには装備ガチャに必要な虹色があります。それをつかって各々に設置してあるガチャを引ける場所に行き、武器を引き当ててください。武器の種類は50種類ほどあるので戦いの最中武器を変えるもよし、同じ武器を組み合わせて強くするのもよし、いきなり強い武器を引き当てて無双するもよしです!」



「ほう...」



「あと武器なしで殴り合うのは禁止です。ルールの意味ないので」



「そりゃあそうよね」



「気絶するとこのフィールドから敗者ルームへと移動させられます。残りが30人になるまで戦ってもらいます」



「なかなか面白いルールだ」



「それでは皆さん!準備はいいですかあ?レディー...ゴー!!!」



その声と共に銅鑼が鳴り、試合開始を告げた。その声と共に70人は散って行く。まずは虹色の石を集めてガチャを引き強くても弱くても武器を手に入れなければならない。アリスは走りながら近くにあった石を数個ほど拾い上げる。



「案外結構落ちてるものね」




フ街を模しフィールドで家がたくさんあるため、隠れたりしながら戦う事もできる。アリスは家の中に入ると、しっかりとテーブルやベッド、タンスなどの家具が置いてあるごく普通の家を再現したような場所だった。



「この辺にはないのね...」



中にガチャを行う装置がない事を確認してそう呟く。ガチャを探すのもそうだが、中身もランダムなため見つけて引けてもいいものが出るとも限らない。

その時、どこからか敵が現れ、攻撃を仕掛けてくる。アリスは何なくそれを避けて家から出ようとする




「ちっ!」



その襲いかかってきた男は舌打ちをして、もう一度アリスに攻撃をしかける。丸腰のアリスは戦える状態ではないため、一旦外に出る。するとそこに2、3人ほどが待ち構えていてタコ殴りにしようとしてきた。

ほんの少し攻撃を掠ったが、アリスは走り出し、まずはこいつらを撒くことを考える。



「もしかして...」



そう思っておってくる者たちを見ると、少しだが白い炎が見える。それを見たアリスは確信する。



「やっぱり...レミーの手先っ!」


何とか建物などの遮蔽物を使って追ってを撒くことに成功したアリスは近くにガチャの装置を発見して石を投入した。



「はっはぁー!」



「っ!?」



ガチャをしている最中に槍を持った敵が現れ、執拗にアリスを狙う。迫り来る槍を避け、再び来る攻撃をガチャから出た短剣を拾い上げてそれを防ぐ。



「くっこの!」



その槍の男と相対している間に他の追ってもやってくる。再び3対1の不利な対面になり、アリスは少し冷や汗をかきながら剣を構えた。







「ふっ、戦え戦え...ここがお前の墓場になるんだからな...」



そう言ってどこか人気のない家の中でレミーは怪しげに笑みを浮かべていた。

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