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百四十九話 最果ての地


「あんた!ネネ!?」



「アリス!?なんでここに!?」



ネネもアリスもなぜこんなところにいるのかとお互いに驚いたような顔をしている。



「お姉ちゃんどうしたの..?あ、アリスさんお久しぶりです」



奥からそう言いながらミミの姿も見える。ミミは軽くアリスに挨拶をした。

アリスは虚なる記憶(イマジナルメモリア)というものを使われ、他の人の記憶からアリスの記憶を消された。だがそんな状態で何とか事件の犯人であるヌゥルという男まで突き止めたのだが、その裏にいたのが彼女ら「元・最凶最悪の姉妹」であるネネとミミだ。





「あんたたち何してるの?社会貢献?」



「ま、そんなところよ」



「何騒いでるんですか...おやアリスさん」



そう言いながら奥から出てきたのは先ほど話に出てきたネネとミミに協力していた実行




「私たちは数ヶ月ぐらい入れられた後、釈放されて、この最果ての地にいるんですよ」



「最果ての地?」



「はい。アリスさんたちがいた場所よりずーっとずーっとずーっと北にある場所です」



今アリスいる場所は、元の世界ではあるのだがアリス達が拠点にしていた場所から北にある「最果ての地」と呼ばれる場所だった。

ここ場所はその名前の通り最北端にあり、その距離は相当遠い。新幹線でもなければ行くことは困難だろう。



「どうしたらいいのかしら...もうおそらくアナザーは消滅してるだろうし...」



「ならアリス!一旦戻ってみましょうよ!もしかしたらみんないるかもしれないし!」



「戻るって、こんな最北端からどうやって行くのよ!」


「それは...」



「うーん...」と誰もが首をを傾げる。この世界にはおそらく飛行機や電車などのものはないだろうし、歩いて行くというのは無理がある。



「何か飛べるものとかあるんですかね?この世界」



「あとワープ的なやつとかでもいいわね」



「そんなの聞いたことないけど...」



「だったらどうやって戻れってのよ!?」



「いっそのことここに住み着くってのはどう?」



冗談混じりのミミのその言葉にテティは何でと返す。そこに「ちょっといいかの?」と言って入ってきたのはこの店を経営している老人だった。



「ここから少し先に行ったところに街があるんじゃが、そこで大演舞闘会というのが開かれるのじゃ。そこに行ってみてはどうじゃ?」



「大演舞闘会ですか?」



「ああ。すまん、話を聞いてしまっての」



「その大会というのは?」



「その大会は半年に一度ほど開かれておっての。優勝すると毎回すごい景品が手に入るのじゃ」



「へえ...」



今の所打開策がないため、その大会とやらの景品を狙うというのも一つの手だ。テティが「その景品ってのはどういうやつなの?」と聞くが老人は首を横に振る。



「それが、優勝者が出るまで何かが明かされないんじゃ」



「何よそれ!」



「でも、今ことろ当てがないからいいかもしれないわね」



「なら!そこに早速行くしかないわね!場所は?」



「じゃあ私たちが案内するわ」



そう名乗りを上げたのはネネとミミだった。この2人がいてくれれば何かと安心だ。




「色々あるみたいですけど、とりあえずはしばらくここに泊まって戻る方法を考えるというにはいかがですか?」



ミミのその言葉にアリスは「わかった」とだけ言った。かなり距離を歩いたのとノアとの戦いの疲れもあり、出発は明日となった。





「...という報告が!」



「ほう」



その誰も来なさそうな古びた倉庫でその魔物は手下から受けた報告にそう言った。



「いかがいたしますか」



「ちょっとばかしちょっかいを出してみるか。最後に会ったのはあの魔物の住む世界で、久々の再会だからなぁ」



そう言いながらその魔物はククク、と笑っていた。








「さあ、行くわよ!」



「ええ!」



次の日、準備をしたアリスはネネとミミを連れて大会が開かれるという街へと向かった。街の名はアルキューレス。ここからそう遠くない場所にあり、かなり大きめの街だそうだ。



「行くわよ!出発!」



「おおー!」



そう言って一同は歩き出す。店を出て草むらの生い茂った道をドンドンと進んで行った。



「でもまさか、アンタ達とこうやって旅をするとは思わなかったわよ」



「言ったでしょ?また会えるのを楽しみにしているって」




ネネとミミとの戦いが終わり、2人が連行される時にネネは『また会える日が来るのを楽しみにしてるわよ。アリス、それとテティ』とだけ言って連れてかれていかれたのだった。



「そういえば私の記憶を奪ったやつは...?」



「ああ、あれならどこかに大事に保管されてるでしょうね。どこにあるのかはわからないけど」



「そう...」



「本当にあの時はすみませんでした」



ぺこっとミミが謝るのをアリスは「いーのいーの!!」と全く気にしてない様子だ。



「あの時ミミが姉のネネを止めようと勇気を見せてくれたから...私もネネに勝てたのよ」



「アリスさん...」



「ま!あの程度で勝った気でいるならあなたもまだまだね」



「何よ!負けたくせに!」



「何?この口悪妖精!」



「まあまあ、お姉ちゃんもテティさんも落ちいて下さい」



「まあ、アリスはともかく、ミミ、アンタはまだまだのようだし精進しなさい」



「お姉ちゃんと一緒ならうまくいきそう」



その言葉にネネは口を何もいえずに少し恥ずかしそうに口を紡んだ。そんな話をしながら進んでいると、何やら怪しげな者達がアリス達を取り囲んだ。その数は30はいるだろうか。



「何?アンタ達」






その取り囲む者達は、「ウ...ウ...」それだけを言い会話になっていない。



「何だか様子が変よ」



「ちょうどいいじゃない、私たち姉妹が強くなったってところをアリスに見せてやるんだから!」



「何だか辿り着くから波乱が起きそうね...」


ネネとミミの活躍は八章 記憶の「空白」出見れます。

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