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百四十話 突き進め!


「おいアリス!どこ行くんだよ!」



事情を説明せずに歩くアリスにマブはそう言うだが何も答えずにアリスはどんどんと目的地へとどんどん歩いている。たどり着いたのはハピネスタウンの入り口だった。



「おい、入り口に来てどうするんだ?」



そうマブが聞くがアリスは入り口に立っている人に話しかけ、紙を受け取る。それはアリスがこのハピネスタウンに入ってきた時に名前を書いたものだ。

アリスは誰も見えないところにいくとその紙を一枚一枚めくりながら何かを確認している。



「やっぱり!」



「やっぱりって?」



「おそらく考えが正しければ...」



そう言ってアリスはマブに炎系の武器がないかを尋ねる。マブは星1つの火の剣という武器を渡し、それを眺めている。マブは何をしようとしているのか分からずに不思議そうにアリスを見ている。するとアリスは突然炎の武器で紙を燃やし始めた。



「おい!」



「これでよし」



あわてるマブに、アリスはなんだか満足そうだ。燃えてボロボロになった紙を入り口に人の渡す。



「すみません、うちのもんが燃やしちゃって...」



「俺のせいかよ!」



「何やって...!!」



「すみませんほんと...ほらマブも謝って」



「なんでおれがふっ!」



アリスはマブの頭を無理やり下げて謝らせる。その誠意にアリス達は許してもらえた。アリスは何回か頭を下げて元の元の街の方へと歩いていく。

唐突に紙を燃やしたアリスの行動に、マブは「おい!なんだったんだ今のは!という。



「これでおそらく、向こうからの有効打はないはず。次はどうやって接触するか...」



「よく分からないけど接触なら簡単だろ」



「え?」



そういうと、アンバーグはアリスを手をどこかに連れて行く。少ししてたどり着いたその場所は、かなり人が多い場所だ。賑わいを見せておるその場所では、人々がが右往左往している。



「何するの?」



そう言うアリスにすーっとマブは息を吸い込んだ。そして...。




「ユオぁぁぁぁ!!!!!出て来いよぉぉぉぉぉぉ!!!!」



突然大声でそんな事を言う。周りの人々は突然のマブの行動にマブへと注目する。



「ちょ!何を!!」



「この方が手っ取り早いだろ?」



「まあ、そうだけど...」



「いえーい!ばーかばーか!!おっぴろぴーおっぴろパッパッパー!!いえーえい」




そんな事をするマブの近くにいるアリスは何だか恥ずかしくなってくる。確かにこの方が早いとは思うが、この場にいるのは地獄のようだった。

しばらくそんな事をしているとユオの部下と思われるものたちがゾロゾロとやってきてアリスたちを取り囲む。その中にはユオの姿もある。



「おかしいなあ?ゴキブリ共はちゃんと収容したはずなんだがなあ?」



「残念。お前らのセキュリティガバガバすぎるんだよ」



「だがいい。もう一度収容するだけだ」



そう言ってユオはパチンと指を鳴らす。これでアリスの動きを封じるつもりだ。だが、アリスにはなんともない。



「なっ!?」



「やっぱりね。ここにきた時に名前を書かされたのはあなたのその力れを使うためだったのね?」



「っ...!」



「もうお前のなんて怖くねーぞバーカバーカ!!」




「ちっ!まあいい。おい!連れて来い!」



そのユオの言葉で現れたのはテティだった。



「テティ!」



「ほーら、お前がずーっと会いたがってた奴だぞー」



テティは何やら先端に鉄球がついた武器を持っている。その小ささではかなり重たいのか持ち上げるだけでも一苦労している。



「テティをどうする気!?」



「こうすんだよ!」



そう言って指をまた鳴らすとテティは武器を引きずりながら勢いよくアリスの方へと向かっていく。そしてかなり重そうに持ち上げて振り下ろした。大きなドン!という音と共に地面が少し抉れる。



「ちょ!!」



「さあ、仲良しの潰し合いを始めよう」










「っ...」



ユアが目を覚ますとベッドにいた。見知らぬ場所が目の前に広がっている。



「俺は...っ!」



起き上がると体には包帯が巻かれている。そうだ!兄のユオに刺されて...それで!その事を思い出してベッドから出た。ここはアリス達がいた労働場。だがもちろんそんな事をユアは知らないので「どこだ..?」と呟きながら歩き出す。

ベッドが六つと棚には医療の道具や薬が並んでいるのを見るとおそらくここは何かしらの医療施設だと言うことはすぐにわかった。



「へ?なんだこれ?」


その医療施設から出ると目の前にはとんでもない風景が広がっていた。ルナが大暴れしていて、それを止めようとしているものたち。だがその暴走は止まらずカオスな状況だ。

アリスが脱出したあともしばらくこのような状況になっているのだった。



「ああおまえ、目覚めたのか」



そういうのはギラン。この労働施設のボス的存在だ。



「えっと...これはどう言う事なんだ?」



「見ての通りさ。俺は少し体の調子が悪くてな」



ギランの体調はアリスが戦った時から悪化する一方だった。



「そうだ!兄さんを!」



「兄さん...ああ、このハピネスタウンのトップのやつか?」



「あんた知ってるのか?なら場所を!」



「残念ながら知らない」



「そうか」



「ねーねー君も一緒にやろーよー!!」



向こうからルナの声が聞こえる。獣の耳をヒクヒクと動かし興味津々にユアに近づいてくる。



「俺はやることがあるんだ」



「へーそれって面白いの?」



「えっと...まあ分からないが」



「じゃあボクも行く!」



唐突な提案にユアはまあいいかと了承した。そしてユアはギランにこんな事を聞いた。



「あなたは行かないのか?」



「ああ」



それを聞いたユアは「そうか...」とだけ言って走って行った。


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