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百三十二話 壊れてしまった愛


「お前らもアリスを狙っているのか?」



「狙ってるも何も、お前が勝手に捕まえただろうが」



「クク...」



そういうと何だか不気味な笑みを浮かべている。



「何だぁ?不気味に笑うやがって」



「んで、そのアリスのモンはどこにあるんだ?」



「ああ、どこだったかなあ?」



「まあ、最初から無理矢理聴き出すつもりだったけどなっ!!!」



そういいながらアンバーグたちの方へと向かってくる。そして勢いよく拳を振り下ろすと地面にヒビが入るほどの威力だった。



「何だかこの力!!」^_^



「当然だ。アリスの力を貰っているからな」



「くっ...」



アンバーグが弓を構えると、リグは余裕そうに「いいのか?」と問いかける。中にはアリスがいるので攻撃したらアリスに危害が及ぶかもしれないのだ。アンバーグはその事を考えると弓を少し下げる。リグはその隙をついてアンバーグに攻撃を与えた。



「どわっ!!」



「アリスは大丈夫だ!!気にせずこいつを倒せ!!」



「本当に大丈夫かな?」



「ハッタリは効かないぞ?ゲッゲッゲ」



ゲルムにはそんなハッタリすら効かず普通に攻撃を仕掛けてくる。攻撃が命中するが傷がついた場所はシューという音と共に治っていく。



「だったらこれはどうだ?」


そう言いうリグの体がパカっと開いて中からアリスが現れる。触手が手と足、体に巻き付いていてぐったりとしている。



「こうも野ざらしになっていたら手も足も出ないだろう」



「アリスを離せ!!」



アンバーグは触手を狙おうと矢を放とうとアするがアリスを盾にして攻撃を防ごうとする。



「ほう...面倒なことを...」



「さあどうする?」




「くっ!」



「攻撃できないよなあ!!」



アンバーグ達が攻撃できない事をいいことに、好き勝手暴れるリグ。そんなリグに何もできずにアンバーグたちはただやられるだけだった。



「ぐっ...どうすれば...」



「はっはぁー!!」



「バカめ」


そう言いながらリグは持っている武器をその場で振る。するとリグの周りには大きな爆発が起き「ギャアアアアアアアアアア!!!」というような悲鳴が上がった。



「今だ!!」



そのゲルムの声と共にアンバーグは煙の中に突っ込んでいった。かなりの爆発で流石にアリスを縛り上げていた触手も地面に落ちてヒクヒクとしている。床に倒れているアリスを抱え込むと、勢いよくゲルムの元に戻っていった。



「アグアアアアアアアアアア!!」



リグは修復しながら体を開けっぱなしにして悲鳴を上げている。流石のあの爆発でリグも修復にかなり時間を要するようだ。



「よくやった!!」



「あれはなんだ?」



「あいつが範囲内に入った時に爆発させるいわばトラップだ。少し強引だがあいつがアリスを見せびらかしてくれるとおもってしかけたが大成功だったな」



「アリス...」



アンバーグはそう呟きながらアリスを見る。ゲルムは「大丈夫だ」とだけ言った。



「ああ...アリス...アリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスアリスああああああ!!」



アリスを奪われ発狂し始めたリグはまた体内で触手を生成しアリスを数十本ほど伸ばす。



「あのアリスの入ってた中を狙え!!」



「ああ!航海で後悔するってこうかい!」



いつものダジャレ弓をリグに向かって放つ。それは職種の間を通って見事アリスのは言っていた中に命中する。するとリグはみるみるうちに氷漬けになり動かなくなってしまった。



「ふ、ふぅー」



とりあえず場が落ち着いたことに安堵をする。



「アリス、アリス!!」



「うーん...」



「アリス!」



「ここは?」



目を覚ましたアリスはそう言いながら立ちあがろうとした。だが、リグに吸い取られてよろよろと少しよろめいていた。



「無理するな!」


「そうだ、リグに...」


「お前を助けたんだぞ?こいつが」



「いやお前もだろ!」



「ありがとう2人とも。これで後はテティを...うっ」


また立ちあがろうとするもやはりまだふらついてしまうアリスに支えながらアンバーグが「無理するな」とだけ言う。



「でも...」



「今はなんかユアが仕向けた変なのが大暴れしている。気持ちわはわかるが。万全...とはいかないだろうが少し休まないとあれには勝てないだろう」



「そうだね」







「どうするんですか?リーダー!!」



「んーと言ってもなあ...」



ユアの業魔王が大暴れしているのを見てその3人組はそう話していた。マブ、アル、ホーのマックスヒーローズの3人だ。



「とりあえずアル、ホー、行ってこい!マックスヒーローズのために!!」



「いやですよ!!」



この3人、アリスについてきたのは良かったがずっと隠れていて全くと言っていいほど何もしなかった。そこで今こそと名乗りを上げたいのだが、相手はとても強そうな怪物。そんなのに勝てる気すらせずにまた縮こまっていたのだ。



「いいんですか?なんかもう『お前らいたの?』って感じで終わっちゃいますよ?物語的にももう最終盤なんですから!このままじっとしてたらまたアリスが章ボス倒して終わりっていうワンパターンですよ!!」



「うう...」



「良いんですか!?」



「クソー!やってやる!!」



「さすがリーダー!!その息です!」



「でもあんなでかいのどうやって...」



「うーん...」



3人で少し考えるがなかなかいい案が思いつかない。するとマブが「あーもうややこしい!」と言い立ち上がった。


「真正面から行くしかないだろ!!」



「さすがリーダー!」



「行くぞお前たち!」



「へい!」


3人は走りだした。

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