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百三十一話 降臨する業魔王

長らくお待たせして申し訳ありませんでした。


「はぁはぁ...ここまで来れば...」



アリスを置いて逃げてきたアンバーグッズ達は人気の少ないところに来ていた。辺りにはひと気は少なくおそらくあいつの手のものもしばらくは追ってこないだろう。



「んで、どうすんだ?」



アンバーグがそうゲルムに尋ねると、「どうするとは?」というなんだかそっけない返答が来る。



「アリスも無しにどうやって戦って行けばいいんだ」



「そりゃ、お前さんの力を借りるしかないじゃないか」



「んな事言ったって...」



少し自信なさげにするアンバーグにゲルムは肩をポンポンと2回ほど叩く。



「お前ならやれるってところを見せてやればあいつも振り向くんじゃないのか」



「う、うっせえ!!!」



アリスに恋人と言われたあの時からアンバーグの様子は少しおかしかった。何やら顔を真っ赤にしあまりアリスに対しても顔を背けるようになったのだ。その変化をリグはわかっていてわざと茶化すように言っている。



「ほら、行くぞ!」



「わかってらぁ!」



そう言いながらアンバーグが歩き出そうとした時。ユアの居城とも言える大きな建物がゴゴゴゴゴゴという大きな音を立てて2つに割れる。そしてその間から何やら怪獣のような魔物が姿をあらわした。緑の体に人間の数倍の大きさ。鋭い牙に手には同じぐらいの大きさの棍棒と一つ目。




「なんだありゃ!!」




「わからないが何だかやばそうだ」



その魔物はグオオオオオオオという唸りをあげるとドシンドシンと凄まじい足音をたてて歩き出した。



「おいおいおい!どうすんだありゃ!!



「何だか想定外のが出て来たな」






「ククク、なかなか良いな」



ユアはそれを見ながら満足そうにその怪物を見ていた。こいつは人工的に作られた魔物でユアのいう事を聞くようにプログラムされている。業魔王と名付けられ、ユアが穢らわしいと判断すると出動するようになっている。


「さあ、汚れたものを排除して、綺麗な世界にするんだ!」



そのユアの言葉にその人工魔物は動き出す。その怪物は動き出してはドシドシと進んでいく。そして1人見つけるとその手でつまみ上げる。



「やあああああ!!!やめてくれ!!!」



「おいあいつ...!」



そしてそのまま口の中に放り込んだ。




「おい!何だよあいつ!」



「ゲッゲッゲ、おそらくラブを持たないものや何かしらの違反などをしたものを捕まえているのだろう。厄介なのが来たな。とか話しているとこっちに来るぞ!」




そんな話をしていると、その人工魔物はこちらに向かってくるので家の中に隠れる。ドシンドシンという足音がどんどんと強くなっていくそしてかなり近くまで音が聞こえるとピタッとその音は止んだ。



「なんだ...止まったのか?」



するとピピという音がしたと思いきや、

アンバーグたちが隠れていた突然屋根が吹っ飛んだ。屋根が消え去りアンバーグたちの姿が露わになる。



「こいつ!屋根ぶっ壊しやがった!!」



「おそらく隠れていようが問答無用で探し出してくるのだろう。なかなかよくできているな。大したものだゲッゲッゲ」



「感心している場合かぁーー!!!うわああああああ!!」



人工魔物に追われながらも必死に逃げる。だが急に人工魔物の動きが止まった。それを見てラッキーと言わんばかりにアンバーグたちは逃げていく。




「報告です!」




「どうした!」



ユアは自分の部屋にやってきた部下に動きが止まったという報告を受けはあ、というようなため息をつきながら頬杖をつく。



「まだ調整が必要だな。すぐに修理班を!」


「はっ!」



「ユア様、お次は何を?」



隣で肩をもんでいたテティに「そうだな...」と言いながら考える。



「まあ、お前もあんなアリスみたいなガキより俺の隣にいた方がいいよな」



「アリ...ス?」



「お前の元仲間...と言っても俺の洗脳でそんなことすら覚えちゃいないか...」










「おいほんとどうすんだよ!!」



「うーむ...」



まさかのとんでもないものの登場にアンバーグも慌てたようにゲルムにそういう。ゲルムもうーん、と首を傾げる。



「あいつなしでアレと戦うのか?」



「まあ、勝ち目はほぼないだろうな」



「なんでそんな冷静なんだよ!!」



「まあ待て。策はある」



「なんだ!?」



少し溜めてフーッと息を吐いてその策を言う。



「おそらくあいつと今戦っても絶対に勝てない。だからアリスを救出する」



「そんな事できるのかよ!」



「やるしかないだろ?」



「そ、そうだが...」



「作戦はある。それにまずはあの変なやつを探さないとな...」



「それじゃあさ」



そう言うと突然アンバーグは大きな声でこんな事を言い出した。



「あーっ!!!こんなところにアリスの使用済みのものが落ちてる!!!困ったなあー!!!」




なんだかゲルムはアホらしくなる。そんなので来るわけがない...と思っていたが上から何かがドシンと降ってくる。それは間違いなくリグだった。




「アリスのはどこだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




「ほらな」



「こいつは一体何なんだ」



「よお、アリスを返して貰ったら教えてやるよ」



そう言うとグググと言いながらリグは何だか不気味な唸りをあげる。



「アリスは渡さない!!」



「そうか。なら、力づくしかないか」



「ゲッゲッゲ、腕がなるな」



「アリスは渡さないぃぃぃぃぃいぃっぃ!!」



リグはそう言いながらアンバーグ達に襲いかかって来た。



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