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百二十九話 まさかの挑戦者


「突如現れて勝ち進むダークホース、アリス選手ゥゥゥゥゥゥ!!!果たしてこの連勝はいつまで続くのでしょうかぁぁぁぁぁ!?」



司会進行役のその言葉に会場はさらに大盛り上がりとなった。ラブを集めるためにやってきた闘技場で既にアリスは10連勝ほどしている。相手はさほど強くなくあっけなく勝ててしまうのでラブを集めるにはちょうどいい。



「さあ、次なる挑戦者を呼ぶぞー!こいつだあ!!」




「さあ、どんなやつが来るのかしら?この調子でボッコボコにしてやるんだから」



自信満々のアリスの前にに現れた人物に、何も言えなかった。



「よお、アリス。お前に会いたきて戻ってきたぜ」



「なんで...あんたが...リグ」



そこにいたリグにそう言うのだった。リグは確かアンバーグにやられて...。



「言っただろ?お前に会いに戻ってきたって」



「っ...遊ぼうぜえ」



なんだか嫌な感じがする。だがラブを集めるためだ。アリスはリグと戦うことにした。お互いにフィールドに立つ。そして開始の合図でアリスは剣を抜いてリグに襲いかかった。リグは何もせずにずっと立ったままだ。

アリスが攻撃をする。剣で切られたところから血が出るがその傷はすぐに治ってしまった。



「なに!?」



「ククク...ははははは!!」



「何なの!?」



「俺は無敵!最強!!あはははははははははははははははは!!」



「だったらもっともっと!」



アリスが攻撃を仕掛けるが、やはり何度やってもアリスが与えた傷がすぐに治ってしまった。



「どういうことなの?」



「知りたいか?」



「あんま知りたくないわよ」



「あれはお前らが去った後だったかなあ?」



「勝手に過去回想に入らないでよ」







リグは目を覚ますと見知らぬ場所にいた。辺りは真っ黒で何も見えない。だが自分の姿ははっきりと見える。ここはどこなのか...そう思いながらキョロキョロと見回していると、向こうから誰かがやってきた。リグはその人にここがどこなのかを尋ねてみる。



「ここはどこですか」



「まあここはあなた方のいた場所とは違う場所です。あなたは死に、ここにやてきたのです」



リグは思い出した。アリスを狙おうとして、頭に矢を...。それで死んでしまったのだと。



「私はノア。世界創設士(ゲームマスター)です」



「「世界創設士(ゲームマスター)...?」



その聞きなれない言葉にリグは困惑する。リグに説明を始める。アリスたちにのいる世界は、いわばゲームのようなものでアリスたちはそのゲームのキャラのようなもの。アリスの前に現れた時事にも同じような説明をしていた。



「ていうことはもう...」



「いえ、あなたはまだ出番があります。むしろこれからという感じです」



「と言いますと...?」



「あなたには面白い力を与えてもう一度チャンスを与えます」



そう言い腕を上げるとリグのいる場所は一瞬にしてアリスにやられた場所にいた。







「と、いう訳なんだ」



「ノアって...あの変なやつか」



「さあ、お話はここまでだ。さあ、俺ともっと楽しいバトルをしよう!!」



「っ!!」



何度も攻撃をしかけるだがやはり何度やっても傷が治る。ならばと雷を纏わせてスキルで押し通す気だ。

アリスの雷はリグの体を貫通し大きな穴が開く。だが何やら不気味な小さな触手がいくつも出てきてどんどん体を塞いでいく。その様子にアリスも少しばかり引いていた。



「どうだ?」



「キモい」



「お褒めに預かり光栄だな」



「褒めてないいし」



「さあ、続きをしよう」




そうリグが言った瞬間、4箇所ほどある扉がものすごい勢いで開く。そして同じ格好をした者達がゾロゾロと入ってくる。



「ここで違法なやりとりをしているという報告を受けた!!全員大人しく投降しろ!!」



「まずい!逃げるぞアリス!」



その言葉でそこにいた者達は全員一斉に逃げ出す。「まずい!逃げるぞアリス!」というアンバーグはその声と共にアリスの手を引き走り出す。フィールドの少し横にある床に設置された扉を開けて、中に逃げ込んだ。



「こういう時のために教えてもらったんだ。ここはいざという時のための脱出口でな」



「ラブが...」



「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」



「ラブがないとテティが...」



「またそんなこと言ってんのか!!」


まるでおかしくなったかのようにラブを連呼するアリスにそう言い詰め寄る。




「まずはお前の安全だろ?お前があんな奴らに捕まってたら会えないだろ!」



「...そうね。ごめん」



「ほら、行くぞ」



中は洞窟のようになっていて人が1人入れるほどだ。だがかなり狭くかがみながら進んでいくと、出口に出た。



「えっ?」



その出口にはあの煌びやかな光景とは真反対の、地獄のような光景があった。たくさんの人が、まるで奴隷のように働かされている光景を...。

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