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百二十五話 次元の扉


「逃げろ!!ここは地獄だ!!」



「え?」



テティはその突然やってきた人間にそう言われて困惑した。突然の事に何が何だか分からなかった。ボロボロな服装で髪はボサボサ。その様子がその言葉を物語っているようだった。まるで奴隷のようだ。



「それってどういう...」



「ここはあのイカれ野郎に支配された場所だ!!まともじゃねえ!はやく!」




「と言ってもなあ...」



テティは困った顔でその人を見る。真剣な眼差しで嘘をついているようには見えなかったが話が全く読めない。



「お客さんを困らせてはダメだよ」



「っ!」


その人は後ろから聞こえてきたユアの声にビクッと体を震わせる。そして少しだけユアの顔を見るとそそくさと逃げてしまった。



「あーごめん気にしないで」



「気になるわよ!さっきのは?」



「何だか時々ある事ない事吹聴する奴が現れるんだ。本当に気にしなくていい」



「うん...」



向こうで先ほどの者の激しい声が聞こえてくるような気がしたが、テティは気のせいだろうと気にせず一緒について行った。

しばらく歩くと大きなドーム状の建物が姿を表す。テティはそのドームの中にユアと一緒に入っていく。中はとても広く色々な人が何やらモニターに映し出されたさまざまなゲームがあり、たくさんの人がゲームのようなものを楽しんでいる。




「ここは?」




「ここは楽しくゲームができる場所さ。さあ、君もやってみるといいよ」



「そうー...?」



そう言いながら近くのモニターに近づく。この画面には敵が現れてそれを付属のおもちゃの銃で倒すというようなゲームセンターにありそうなものだ。テティの体では押しにくいが、何とかおもちゃの銃のトリガーを引いて行く。画面の照準とおもちゃの銃の銃口が連動していてうまく敵に向かって発射すると敵が悲鳴をあげて次々と倒れて行く。



「何これ!面白い!」



「そうだろう!!」



「よーし、次はレベル2...あれ?」


その時停電が起き画面が突然消えてしまった。それどころか真っ暗で何も見えない。アリスはユアの名前を呼ぶと「ちょっと待っててね」とユアはまたどこかに行ってしまう。テティは暗い中で右往左往していると何やら光が見えた。それも地面に。どうやら地面に四角い入り口のようなものがありそこが少しし空いているようだった。そこの光はそこから漏れている。



「何だろう?」



テティはその光に釣られて床の謎の入り口に入る。そこには機械仕掛けの装置がたくさん置いてあり、倒れている人の姿が見える。

テティは「大丈夫ですか?」と声をかけると掠れた声でその倒れている人物はこう言うのだった。


「ここから...離れろ。ここは...制御室。俺たち負け犬のくる場所...」


「どういう事?」



「ここは...勝ち組と負け組に分かれ...いる。負け組にな...ると...ここで一生奴隷のようにこき使われ...一生を終える」



「はあ?」



テティが分けわからずにいると後ろから「困ったな。ここに入り込むなんて」という声が聞こえる。そこにはユアが立っていた。


「どういう事?」



「見られたら仕方ない。教えてやろう。ここは勝ち組と負け組に分かれる俺だけの世界だ。勝ち組は上の世界で一生暮らせるが負け組になると下で永遠に働いてもらう。もちろん休みはほぼなしでな」



「そんな!」



「数が少ないところと扉が半開きになっているところを見るとどうやら停電に乗じて数名脱走したみたいだな。脱走したやつとこの部屋に入った悪い妖精にはお仕置きが必要だな」



テティはまずいものを見てしまったようで捕まったら大変なことになるだろう。だがテティのその小さい体では捕まえるのは難しいだろう。ユアがパチンと「服従圧」と言うとテティの体が急に重くなった。 



「なに?」



「逃げられると思うなよ?」と言いながらジリジリとユアはテティに近づいて行く。




「助けて...っ!アリス!」










「あったぞ!」



アンバーグは倉庫で雑多の山をかき分けながらお目当てのものを見つけた。この槍がアナザーに行くための道具だ。



「よくやったわね!早速!」



「とは行かないんだ」



「どうしてよ!!」



「扉を開くにはもう一つ道具がいる」



「それは?」



「この先に山があって、そこにいる怪物が持ってる赤い宝石がいるんだ」




「じゃあ早速それを!」



「そいつはとても凶暴で勝つには明らかに数が足りない」



アリスは「そんな!」と言いながらシュンとする。ここまできてまだ何か必要なのか。それを手に入れないと今頃テティがどうなっているか...心配だ。

すると3人ほどが「俺たちの出番のようだな」と言いながら現れた。だがアリスはその姿に喜ぶどころかため息をつくほどだ。


「マブ!」



「アル!」



「ホーだよお」



「「「3人合わせてマックスヒーローズ!」」」



「何しにきたの。て言うか帰ってくれない?今忙しいんだから」



「ああ、こいつらでもいたら何かの役に立つんじゃないか?今は人が足りない。こいつらも連れて行こう」



「ひでえ!」



アンバーグに提案にアリスは「しょうがない」とだけ言った。



「目指すは宝石!」



「「おー!」」






それを見ていた人物は「面白そ」と言いながらアリスたちの元へと着いて行った。

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