十二話 偽りの仮面
「ガーディス...どうしてあんたがここに?」
「なんかやってるなーと思って」
そこに現れたのはルビス達の前に現れた、「究極の闇魔」というのを操るガーディスだった。ガーディスは近くにあった人が一人座れるぐらいの高さの石垣を見つけ砂を払ってそこに腰かける。足を組みアリスとバニアの戦いをただただ観戦している。
「見てる暇があったら手伝いなさいよ!まあこんなお子様ぐらい私一人でも大丈夫だけど」
「ま、頑張ってよ」
ただ眺めるだけのガーディスの方にアリスは勢いよく駆けだした。アリスの振り下ろされた剣に、座ったまま自分の剣を抜いて交える。そんな状態でもずっとポーカーフェイスのままだ。
バニアがアリスの後ろから魔法弾を3発ほど撃ちこむ。だがアリスが横に避けたことで魔法弾はアリスと一直線上のガーディスに向かっていく。ガーディスが一振りするだけで魔法弾はかき消された。
「あぶねーじゃねーか」
棒読みのような声。全然危なっかしさもない。ガーディスはアリスとバニアの戦いをまじまじと見ながら時々剣の手入れを始めた。
「ガーディスと戦いたいならまずは私を倒すことね」
「やってやるわよ。おばさん」
「おば...!何回も何回もおばさんおばさんって!!ガキがいい気になるんじゃないわよ!!」
そう叫び6つほどの魔法弾を放つ。その魔法弾を避けつつ、アリスは「やっぱり」と呟いた。先程からこちらのスキルを使ってこないのを見てアリスはどうやら気づいた様子だった。
「さっきから魔法弾しか使わないところを見ると、どうやらこっちがスキルを使わない限り封じたり同じものを使えたりするできないようね。
「...っ!!でもそんなことを知ってどするの?1回使えば使えなくなる、つまり、あなたはスキルが使えないのと同義なのよ」
「どうするかはその目で確かめてみれば?おばさん」
「またおばさんって!いいわ!その減らず口を叩けないようにしてあげるから!!!」
魔法弾を幾つも生成するがワンパターンな攻撃ゆえ簡単に避けてあっという間にバニアの目の前にまで距離を詰められてしまう。
バニアは攻撃が来ると思い杖を横にして攻撃を防ごうと...したが攻撃はこなかった。アリスの剣には雷がバチバチと纏っていた。まさかこんな至近距離で...
「魔刀の雷!!」」
アリスの剣とともに、雷が大きく響いた。アリスの雷は、バ二アは目の前でスキルを放たれて横にした杖などで防ぐ事は出来ず雷に飲み込まれてしまう。
雷が消えるとそこには立っているアリスと倒れているバニアの姿が見えた。アリスが勝ったのだ。
「アリス!!」
「ほう...」
ガーディスはやっと強者を見つけた見つけ嬉しそうな顔で自分の懐の剣を触る。究極の闇魔がまるで今すぐにでも
戦いたがっているかのようにカタカタと音を鳴らしている。
「私は...負けたの?」
「ええ、そうよ」
大の字で寝ているバニアは空を見た。夜空は暗黒が限りなく遠くまで延々と続いている。何だろう、バニアは清々しい気持ちだった。アリスと戦いそして負けたはずなのになんだか邪念のようなものが消えていくような感じだ。アリスが倒れているバニアの目の前に来て手を差し伸べる。バニアはそも手を取ろうとした。
「うああっ!!」
バニアが悲鳴をあげる。バニアの闇魔からは邪気のようなものが溢れだしている。その邪気のようなものはあっという間にバニアを包み込み。次の瞬間にはもうそこにいたのはバニアではなく闇魔に囚われた怪物だった。これは...ピロンの時と同じだ。ぴろんの時もこのように我を失いただただ見境なく人を襲っていくのだ。
「まずい!ピどうするの?ピロンの時はガーディスと一緒だったからなんとなかったけど、今度はそうはいかないわよ!!」
「でも...やるしかない!!」
「アリス!気をつけて!!」」
アリスはなんとか隙を作ろうと様子を見る。スキルは一度使ってしまった以上。ロストスキルで使えないだろう。だがあちらはこちらのスキルを使ってくる...なかなか厄介な相手だ。
バニアは魔法弾を四方から放つがジャンプで避けられる。だがバニアはそれを待っていたかのようにジャンプした空中のアリスに魔刀の雷をぶつけてくる。空中では避けようがなく剣で防ぐが少しばかり軽減はできたが雷を受け地面に背中を打つと
「ぐっ...なら!!」
アリスは剣をしまい別の武器を取り出した。その黄色いデザインと&。この武器は確か...。
「¥!!なんであんたが!?」
「ちょっとくすね...じゃなくて拝借してきたのよ」
「今くすねてって言おうとしたよね...」
バニアハ奇声をあげながら魔法弾と雷を連続でだす。アリスは槍を掲げると「闇の気を全て消し去れ!!!」と叫ぶ。するとバニアに纏わりついていた邪気のようなものはだんだん薄くなってい気、消えていった。邪気のようなものが完全に消えると、バニアはバタッと倒れてしまった。
「やった...の?」
「ほーバニアを倒すなんてな」
さっきまで観戦していたガーディスが石垣から腰をあげてを叩きながらこちらに近いてくる。アリスは元の剣でガーディスの方を向く。
「そうだ。そういえばまだ自己紹介がまだだったな。俺は究極の闇案を操るガーディスって言うんだ」
「究極の...闇魔?」
「俺は強さを求めてここまで来た。この剣こそが俺の強さ!!」
「その武器はあなたの体を...わかってるの!?」
「わかってるさ」
ハーディスは剣を取り出すと剣を一回振る。すると近くにあった岩が真っ二つに割れた。さらにもう一回振るとその岩は大きな音を立てて粉々に砕けちったのだ。ガーディスはアリスの方を向いてその剣をアリスの方に向ける。それはまるで「邪魔をするなら次はお前の番だ」と言っているようだった。
「そんなもの、おかしいよ。自分の命を削ってまで求める『強さ』って何なの?」
「ふっ...」
ガーディスはそうニヤリと笑うと、口を開いた。