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百十九話 結合する超魔神


「くっ...そんなので!」



ネネは槍をぶん回しながらアリスの方に向かっていく。だがミミの杖で魔物と結合されたアリスは攻撃を受けても頑丈な体で効いていない。ネネはスキルで攻撃をするがやはり攻撃が通らない。硬い体に鈍くぶつかる音が聞こえるだけだ。



「いける!いけるわよアリス!!!」



「そのぐらいで調子に乗るんじゃないわよ!!!」



槍を何度か突き立てるがやはり鈍くぶつかる音が聞こえるだけだった。アリスはこのチャンスを逃さんと攻撃に転じる。アリスの攻撃は着実にネネに少しずつダメージを与えている。



「だったら...しかたがないわね!!」



そう言いながらネネは空に槍を掲げる。すると槍に丸い光が集まりだす。そしてその槍を振り下ろし勢いよくアリスに向かって突進して来た。アリスは危険を感じ、剣で防ぐが剣では防ぎきれずアリスの体に直撃した。アリスは勢いよく吹き飛びアリスの体に纏っていた魔物の装甲も粉々に砕け散った。



「アリス!!!」



「ぐはっ...!」



攻撃したネネも膝をついて胸の辺りを押さえる。アリスはなんとか剣と装甲でギリギリだったがもうすでに満身創痍だ。おそらく剣で防ぐのが無かったら終わっていただろう。それほどの威力なのだ。



「どう?この技は自分にもダメージが行くからあんまり使いたく無かったけど、もうそうそんなこと言ってられないからね」



「くっ...」



アリスは何とか立ち上がるがふらふらの状態だ。だがこんな大技を使うという事は向こうもそれほど追い詰められているという事になる。反動があるようで何発も打てるような代物ではないがアリスは一度受けただけでもうボロボロなのでアリスの方も何回も受けられないだろう。



「どう?もう降参したら?」



「まだ...手はある!」



アリスはそういうと、再びミミの杖を拾い上げ少し遠くに倒れている魔物に近づく。それは先程倒した超魔神ゴーレットだった。ミミは「まさか!!」と言うがアリスは躊躇することなくまた魔物と結合を始めた。アリスの体が光だし倒れているゴーレットと合わさる。ゴーレットの体のアリスがそこにはいた。どうやらかなりの重さのようで動きにくそうだ。だがその分先ほどのより耐久力は優れている。



「まだそれする気?もう一発喰らわせて終わらせてあげるわ」



ネネはまた同じ技を繰り出そうとする。アリスは勢いよく向かっていって先に攻撃を仕掛けようとする。アリスの攻撃をする前にネネがまたあの技を放つ大きな衝撃と煙が立つ。そして反動を受けながらもネネは勝ちを確信しニヤリと笑う。だが煙の中からアリスが現れ「雷伝鬼!!!」という大きな叫びと共に剣に纏った雷でネネを斬りつけた。



「うああああああああああ!!どうして!」



「ゴーレットの体を防御に使ったの。そしてすぐに解除して身軽になってあなたに一撃を加えたのよ」



「くっ...!」



ネネは倒れてもう動けない。アリスもあの攻撃を2回も受けて動けない状態だった。ネネを倒したことで街の周りにあった結界も消滅した。



「何だ?周りの結界が無くなったぞ」



「ラグくぅん、何やってんのぉ?」



別の場所で長いこと戦いを繰り広げていたラグナとルナは結界が消えた空を見ていた。



「あなたの負けよ」



「くっ...まだ!まだまだ!!」



アリスに負けを宣告されてもなお、そう言いながら起きあがろうとするがなかなか起き上がることができない。あんな戦いの後でもう体が悲鳴を上げているのだ。グッと体に力を入れても起き上がれずに拳で地面を叩く。



「アンタ達みたいなのが...アンタ達みたいなのが...!」



「大丈夫。もう終わったの」


「終わった?何を言って?アンタにもう一度...っ!!」


その瞬間アリスは倒れているミミに抱きつく。突然のことに何が起こったのかわからずにいるネネに「辛かったね...」と言う言葉を投げかける。そのような言葉を投げかけられたこともなかったネネは、その瞬間ネネの目に涙がこぼれ始め、泣き始めた。



「ネネ!」



「あ、記憶消した張本人!アンタのせいでアリスは!!」



そこに現れたヌゥルにテティは指差しそう言った。



「ていうか、あなたってネネとなんの関係があるの??」



「まあ、この子達を保護していましてね?その縁でちょっと。でもよかったよかった。全て終わったみたいで」



「いや何もよくないわよ。こっちはアンタ達のせいで酷い目にあったんだから」



「それはもう、何度謝っても許されないでしょうねえ...」



「じゃあ、とりあえず...一緒にご飯でも食べよ」



「アリス!何を言って!!」


アリスの突然の提案にテティもネネもミミも驚く。ちょうど先ほどまで戦って来た相手と「食事をしよう」と提案するアリスに少しネネは黙り込む。



「...何言ってるの?私達は敵なのよ?」



「それはさっきまでの話でしょ??家族...と言うのは少し恥ずかしいかもしれないけど、それぐらいはしないとね」



「アンタ...いやでも!私たちはあなたにあんなことを...!」



「まあ確かに色々あった。けど今は一緒にご飯食べれる。それだけでいいでしょ?」




「...そうね」



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