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百十二話 ニ番目の最強



「さあルナ、遊ぼうか」



「わーい」


そう言いながらヴェラードが取り出したのはいつもの剣ではなく少しエメラルドっぽい色の槍だった。ヴェラードはその槍で攻撃を仕掛ける。その攻撃は肩を擦りいつものように回復を仕掛けた。ルナの体が緑色の光に包まれる。これを使われると勝つのはほぼ不可能だか相手はルナ1人。攻撃面が貧弱なのをヴェラードは知っていた。ただそれでもルナの恐ろしい回復量ではヴェラードの攻撃でもでもすぐに回復が追いついてしまうだろう

長期戦になるのはヴェラードも分かっているようで、何やら作戦があるようだ。


「ヴェラっちと遊ぶ遊ぶー!!」



「はあっ!!」



ヴェラードの攻撃が命中するがやはり回復の方が上回ってしまう。だがひたすらにヴェラードは攻撃を仕掛けていく。ヴェラードの攻撃が剣に当たるとヴェラードの剣はほのかに青く光りだす。



「わーい!」



「くっ!!やはりバケモノじみてるな...」



そんな事を呟きながらルナに何度か攻撃を当てようとする。だがルナの方は攻撃を喰らってもすぐに回復してしまう。一方ルナの方は魔法弾を何発か撃って応戦する。



「やはりあの2人がいないと火力面はしょぼいな...とはいえ、なかなかへらないな…」



「もっともっと!遊ぶ!!」



ルナはそう言いながら魔法弾をどんどんと放つ。ヴェラードが走り回っているためか魔法弾が地面に連なるように当たって行く。そして隙をついて、わざとらしくゆっくりめに剣を降る。ゆっくりの剣に合わせてルナは杖で攻撃を防ぐと、また剣が青白くほのかに光った。



「わーい!」



「このままやってもジリ貧だろうし、こうなったら攻めに行くしかないな。吸魔斬」



ヴェラードの攻撃を再び杖で防ぐとヴェラードの剣はさらに青く光って行く。ルナはまた回復をかけながら魔法弾を放ってくる。それを避けてしばらく距離をとりながら様子を伺い、また同じスキルが使えるようになると今度は杖めがけて同じ技を繰り出した。



「吸魔斬!!」



「あは!またその技だ!!」



2回目でさらに青みがかった光が強くなる。だがルナはなんともなってないようで何発も魔法弾をぶっ放してくる。その後も何回か杖と剣を交えながらスキルを使うがルナの杖に特に変化は起こらない。

何度か打ち合ってヴェラードはおそらくこの調子だと無理だろうと察して武器を捨て両手を上げて「降参だ」とだけ言った。



「えー!もう終わり??」



「お前のそれ、この剣でかなりMP吸ったはずなんだが、どのくらい残ってるんだ??」



「まだまだ全然ボクはいけるよおー!!」



「はあ」



それを聞いてヴェラードはため気をついた。ヴェラードはMPを吸えばいけると思ったが馬鹿みたいに多いMP量で時間がかかってしまうと察したのだ。ルナは遊びが終わってしまって少し不満そうに顔をプクッと膨らませる。



「もっとやる!」



「また今度な」



「えーっ!」



「また遊んでやるから...な?」



「わかった!!」


ルナはそう元気よく返事をすると「他の子と遊んでくる!」と元気よく言い走っていった。



「さて、こっちは片付いたしアリスの方を..ってもう先客がいたのか!」



ヴェラードがルナと遊んでいるうちにいつのまにかアリスはラグナと戦闘を開始していた。アリスが攻撃しラグナが防ぐ、またはラグナが攻撃をしアリスが防ぐ...といったような一進一退の攻防となっていた。



「はあっ!!」



「どうしたどうした??ハルハンデスやギルメラを倒した英雄はこの程度なのか?」



「そんなわけっ!!」



そう言い剣をアリスは振る。その攻撃は命中したと思いきやいつのまにかラグナの姿は後ろにいた。ルナとの戦いでも使っていた、少し前にいた位置に変わるというラグナの得意技を早速繰り出してきたのだ。



「どうしたどうした?その程度か??」



「そんなわけ...ないでしょ!!はあっ!!」



攻撃を仕掛けるもやはりアリスの攻撃は効いていない。それどころかアリスを弄ぶように剣を指で掴んだり攻撃を少し煽るように避けたりしている。ラグナのその余裕の表情にアリスは何とか攻撃を繰り返す。だがラグナの能力も相まってなかなかダメージを与えられないアリス。



「はあ、ガッカリだ。お前には少し期待していたんだがな。この程度とはな」



「まだまだいけるよ!!」



「アリスダメよ!!挑発にのっちゃ!!相手のペースに飲み込まれたらおしまいよ!!



テティのその言葉はアリスには届いていないようでアリスはラグナに突っ込んでいく。ラグナはわざとらしく攻撃を受けてまた自分の少し前にいた位置に戻って行く。するとアリスは足を踏みこんで一気にラグナの移動した方に方向転換すると譜面を蹴り上げてラグナの方へと向かう。咄嗟のことにラグナの反応は遅れながらも攻撃は惜しくもかすってしまう。



「ほお...だが、まーだ青いな。追いつくにはまだまだだ」



「魔刀!」



アリスのスキルが放たれ簡単にその攻撃を避ける。それにアリスは剣を振り下ろすがラグナの剣で防がれてしまう。




「へえ、数秒前の位置に移動、そして連発はできない...と。なかなか便利だけど穴はたくさんあるようね」



「そこまでわかっててもお前だけじゃどうにもできないさ!!」



「それはどうかしら?



「ふっ!ハッタリか?効かねえよそんなのっ!」



蹴りを入れて一旦アリスを引き離す。アリスはまた距離を縮め襲おうとする。アリスが攻撃をしようとするまたラグナは位置をずらして避けようと企む。アリスは攻撃をすると思いきや勢いよくラグナを押した。ラグナはギリギリで移動しようと思っていた所に突然もアリスの行動をされて能力を使えすにバランスを崩して倒れてしまう。



「くっ!!」



「はあっ!!」



馬乗りのような状態になりアリスは攻撃を仕掛けていく。もう数秒は経っていてこの場所で固定されたラグナは移動で避ける事ができない



「これでっ!!」




そう言いながらアリスはトドメを刺そうとする。が、それよりも先にラグナの剣がアリスの剣を弾き、逆にラグナがアリスに一撃を加えた。



「惜しかったな。



「アリスーーーーー!!」



アリスは別のリスポーン地点へと消えていく...。

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