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百二話 崩壊する異界

こんなに遅れて本当に申し訳ございません。


「やった!倒した!!」



そのアリスの言葉の後に歓声が続く。そしてギルメラに消されたものたちが次々と帰ってくる。その中のアルとホーの姿を見て、マブは感極まりながらその2人の名前を呼ぶ。お互いに抱き合っている姿を見てアリスも良かった..と涙腺が少し緩みそうになったが後ろ向いて元の顔に戻す。




ゴゴゴゴゴゴゴゴ




突如そのような音が鳴って異界が崩れ始める。まるでパズルのピースのようにカラフルな背景は一部分がどんどん崩れていき、黒い背景が姿を表す。それを見て「やばい!」と誰もがこの状況に危機感を抱いていた。




「おい!逃げるぞ!!」




「逃げるっつったってどこに!?!?」



「こう言う時別の場所に移動できるカルラのやつがあったら...!」



そんな話をしているとどんどんと異界は崩れていく。誰かわからないたくさんいる誰かの「とりあえず走れ!!!」という声を聞いて一斉に走り出す。レフとライは崩れた岩のようになった背景の一部をツンツンと突いているのを見て無理矢理にでも引っ張って連れて行こうとする。



「危ない!!」



その言葉と共に上から降ってくる瓦礫をヴェラードとメイキスが砕く。そして崩れてくる瓦礫に気をつけながら進んでいった。だが進めど進めど同じ異界が続くのみ。瓦礫の落ちてくるのを壊しながらすすんでも一向に出口が見えてこない。かなり走ったからか体力が尽きた者たちが少し休憩を求めていた。




「ちょ...もう無理!!休憩!!」



「そんなことしてたら全員終わっちまうぞ!!」



「無理でアール...メイキスおんぶでアール...」



おんぶを求めるノーブルにその手をはたぃそれを拒否するメイキス。その時だった。上から瓦礫が大量に落ちて来てそれがノーブルに直撃する。ガラガラという音とともに目の前にいたノーブルが一瞬にして瓦礫の山に変わったのを見て一緒メイキスは目の前は真っ白になる。そしてすぐにハッとして瓦礫を壊そうとする。



「手伝うぞ!」



「アリス、私たちも!!」



「うん!!」



アリス達も協力して瓦礫をどけたり砕いたるすると中からノーブルが出てくる。頭から血を流しているが、まだ息はある。



「ノーブル!!!お前に死なれたら!!!死なれたら!!!」



「置いて...行くで...アール」



「馬鹿野郎!!置いていけるか!!!」



あんな漫才のようなやりとりで嫌がっていてもやはり長いこと一緒にいた仲間だ。こんなところで見捨てるわけにはいかない。メイキスはもう、そうしないと誓ったのだから...。あの時から。メイキスはルナに回復を要求するとルナはそれを承諾し回復をする。ある程度良くなった所でメイキスはノーブルおんぶして先に進んだ。メイキスは20代の後半といった所か。一方でノーブルは30の少し小太りの男性。重さで少しフラつくが何とか先に進もうとする。




「お前は死なせない...絶対に!!」



「あは、なんだかんだでいいコンビ」



「うるせえ」



ちゃんとルナの入れた茶々にも反応しながら重そうにノーブルを運ぶ。そんなメイキスの上からまた瓦礫が落ちそうになるとルナが魔法弾で破壊する。まるで上から落ちてくるのを撃ち落とすシューティングゲームかのように次々と瓦礫を壊してはルナは楽しそうにしている。




「くそ!出口が見当たらねえ!!どうなってんだ???」




「ならぶっ壊して外に出ればいいんだろ!!」



そういうとヴェラードは壁を壊し始める。だがその先には黒い壁があるだけで他は何もない。



「くそ!どうなってんだ!?」




「でも少なくとも力技で何とかなるような者ではないようですね。ねえ?ヴェラード」



「うるさいミーファ」




「ねえねえ見て見てー!新しい技ー!」



ずっと黙って何か手を動かしていたクラウはそう言いながらお手玉を両手でポンポンと行ったり来たりさせている。それを見て呆れたようにヴェラードは「はあ...」とため息をつきながらかおにてをやる。



「これ、逆に行くんだよー」



「うるせえ!!お前さっきからやけに黙ってたと思ったらそんなくだらねーことしてたのか!!ルナと言いどうして七天聖はこうもアホばっかなんだ?」



「おい!それどういう事だ!!」



メイキスがそれに反応する。おそらくメイキスも背中のノーブルも含まれていたのだろう。ヴェラードは少し挑発するような顔でメイキスを見てメイキスも睨み返す。それを止めたのはマブだった。



「あーもう!!脱出の方法考えろよ!!」



「逆...それだ!!」



アリスは突然そう叫びだす。そして全員を集めて何やら作戦会議を始めた。もうこの世界は崩壊寸前でもう後はない状態だ。おそらくそのアリスの作戦を否定するものはいないだろう。むしろ否定しても新たな案は思い浮かばないのだ。

全員が同意して、一斉に後ろに走り始めた。

瓦礫を崩しながら進んでいく。すると光が見えて来た。その先に行くと...!




「ここは...元いた場所??」



異界に行く前にギルメラと戦闘していた森にいた。といっても戦いで辺りの木々はなくなり焼け野原とも言えそうな場所だ。




「戻って来たぞ!!」




「やったああああ!!」



「うおあああああ!!」



再び歓声が湧く!だがノーブルや怪我人を早く手当てしなければならない。




「アリス!!どこ行ってたんだい?」



向こう側からやって来たのはオノマトピアの面々。全員無事のようだ。それに少し安心しながらアリスは怪我人を一緒に送り届ける事を提案する。ルナで回復もできるがギルメラとの戦いで相当消耗しただろう。これ以上無理させるわけにもいかないというアリスの判断だ。



「ヴェラード...!!」



「ああ、君は確か、あのドカンとかいう奴と一緒にいた...」



「ザーザ」



「そうだったね」



ザーザはドカンと一緒に街を破壊しようとしてた一件からヴェラードに一目惚れしているのだ。またヴェラードに会えたことに少し頬を赤らめて視線を逸らす。隣ではグーグは相変わらず寝ているし、モグモンは相変わらず何かお菓子を忙しそうに口の中に放り込んでいる。



「さあ、帰ろう。みんなで!」

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