気の向くまま
あらすじが前書きみたいになってるので謹んで割愛させて頂きます()
どうしたらいい。どうすればいい。
オンリーワンだとか個性だとかが氾濫するこの世界は
僕にはどうにもーーー
ーーー生きづらいんだ。
「はぁ」
ため息がひとつ、寒空に消える。
傍から見ればさぞ大層なため息だったに違いない。
それこそ、これから世界の命運をかけ、到底勝ち目の無い戦いに身を投じるつもりかと固唾を飲んで見守られているに違いない。
しかし内実そんなことは無かった。何を憂えているかと言えば、ちょっとした失恋のショックを吐息に変えただけの事だった。
まぁ、よくある話だろう。幼馴染の、高校に入ってからちょっとギャルっぽくなってしまったK子ちゃんに積日の想いを告げたところ「え〜マジうけるw」と振られたって程度の話は。
そうだと言ってくれ。そうじゃなきゃ、もう僕の涙腺はもたない。いや既に決壊してるんだけれども。
さっき言った孤独な戦いは既に僕の敗北で決していた。世界なんてどうでも良かった。K子さえ居れば。なんて思うけれどギャルい彼女にこっぴどく振られた今現在言ってもかっこよくも何ともないとか言うな。
涙は留まることを知らなかった。しかも耐え難い羞恥心によって、なんか笑うしかなかった。
そこには号泣しつつ顔赤らめて笑う誰かが居た…
誰だそれ。ただの変態じゃないか…長髪に眼鏡の微妙な顔立ちで立っているそんな高校生は、紛れもなく僕なのであった