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第一章は「陽炎隊」と「2人の少女+8人の少年+秘密の教育係」です。

本サイトでも連載中。 

 陽炎の館。

 スイルビ村にある孤児院であり、リトの友達、弓の家である。

 そこにリトが遊びに行くようになって、かなりたった。

 そこで気になるのが、館の住人であり、翼族とのハーフである巳白(みはく)の存在だ。

 翼族は人を食べるから恐ろしい生き物だと、リトは物心つくころには誰から教わる訳でもなく知っていた。

 そして、リトの周囲の者もそうだった。

 だから会ったことはないけれど、きっと怖いものだと思っていた。

 ところが初めて会ったとき、リトは全く恐ろしいとは思わなかった。

 ついでにいうと、六本も腕があるアリドにも、恐怖を感じはしなかった。

 それにアリドに対しては、ほとんどの人がごく普通に接していた。

 だから――巳白もそうだと思ったのだ。


 

 巳白は人当たりの良い風貌とはあまり言い難い。 白い翼と眩しい金髪はとても美しかったが、片腕が無く髪は短いスポーツ刈り、りりしい顔立ちは少し気むずかしくて厳しそうな印象を与えた。 巳白の弟、清流とは全くの正反対である。

 そんな巳白だが、空を飛んでいても城下町では騒ぎ立てる人はいない。

 しかし別の国から来た人や、城下町にあまり来ない人はかなり警戒した。 泣き出した子供もいた。 たいていの時は周囲にいる誰かが、彼は安全な(必ずここを強調した)翼族のハーフだと説明した。

 それでも怯える人には、この国の教育係が保護責任者だと説明する。


 この国の王子デイの教育係。 ラムール。


 この国に来てこの国の名前を知らない者がいないのと同じように、ラムールの顔を知らずとも、その名を知らない者は全くといっていいほどいなかった。

 彼の名声は高く、信頼も厚い。 それでやっと警戒していた彼らは安心するのである。



 

 実は、巳白がそんなに警戒される存在だとリトが気づいたのはほんの昨日の事であった。


 昨日。 リトは弓を連れて、自分の村へ戻ったのである。


 事件は道中に起こった。

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