表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

EDEN

作者: 氷川 楓


○繁華街 


ネオンが眩しい街

雑踏の中を歩いてくる男

不意に男の前にセクシーな女性が現れる

女「あなた、私とイイことしない?」

男「イイこと?」

怪しく思いながらも下心に乗せられついていく男

男「こんなところで何するの?誘って来たのは君なんだからね」

女「そんなに慌てないで。もう一つ教えてあげる」

男「え?何?」

サキュバス「実は私、アクマなの」

男を襲うサキュバス

男「うわぁぁぁぁ」

男、絶叫

影で様子を見ているスーツの男が微かに微笑む(ルイサイファー)


○Girls bar EDEN


賑わっている店内


店は狭いにも関わらず活気に溢れて、

ゴシック調のドレスに身を包んだ女性たちが客をもてなしている

その中でもひときわ明るく接客しているリリム


○Girls bar EDEN 


閉店間際、最後のお客を送り出すリリム

リリム「また来てね〜」

寝ている男エイジ

リリム「ちょっと、エイジいつまで寝てんの?」

エイジ「ん? もう終わったのか?」

リリム「終わったかって、自分のお店でしょうが。」

エイジ「まぁまぁいいから。おつかれさん、飯でも食いに行くか」

リリム「行く!」


○繁華街 


店員も驚くほど食事をするエイジとリリム、店を後にする

エイジ「あー腹いっぱい」

リリム「美味しかったねぇ」

遠くの方で悲鳴のような声がする

少女「助けてください!」

少女「追われてるんです!」

誰も少女を助けようとしない

少女、エイジとぶつかってしまう

エイジ「いてっ! なんだよこんな朝っぱらから・・・」

少女「・・・」

「この際あんたでもいい! 助けて!」

エイジ「え? ちょっと何言ってんの?」

ごろつき(ヤクザ風の男)が追いかけてくる

リリム「ちょっとあんたたち何?」

ごろつきA「そこのお嬢さんをこっちに渡してもらおうか?」

ごろつきB「おとなしく渡すんだったら何もしねぇよ」

エイジ「まるで悪人のテンプレだな」

ごろつきB「なんだと!?」

エイジ、女性の前に出て格好良く決め

エイジ「逃げるぞ、リリム!」

一同、固まる

少女「ちょっと!あんたそこまでキメといてそれはないんじゃないの!?」

リリム「そうだよぉ、そこはテンプレ通りに渡すわけないだろ!じゃないの?」

あきれる少女とリリム

エイジ「いいんだよ! こんなめんどくさそうな女に関わってられるか!」

「だいたい、胸もなければ背も低い、格好だってギャルみたいな格好して俺の好みはもっとこうセクシーでお嬢様な感じで・・・」

少女「っもういい!あんたみたいなかっこつけのバカには頼まないから!」

ごろつきA「お前ら俺らのこと無視してんじゃねぇ!」

ごろつきB「痛い目見せてやんねぇとわかんねえみたいだな!」


エイジVSごろつき2人 アクション別紙参照?


ごろつきを軽くいなすと少女を置いて逃げ出すエイジとリリム

少女「ちょっと! 置いていかないでよ!」

少女もエイジの後を追い逃げ出す

ごろつきA「まちやがれ!」

エイジ達を見失ってしまうごろつき


○Girls bar EDEN


息を切らしながら店に戻ってきたエイジとリリム

エイジ「あんなのに関わってられるかっての」

リリム「でも、置いてったのはかわいそうだったかもねぇ」

少女「そうだよ、普通ありえないって!」

エイジ「大丈夫だろ、どうせ風俗から逃げ出してきたんだろうし」

「ってえぇぇぇぇ!?」

驚くエイジとリリム

女の子「とりあえず、匿って頂戴」


○Girls bar EDEN


飲み物をだすリリム一気に飲み干す少女

少女「あー、走った! 一生分走った!」

エイジ「えっと、なんでついてきたの?」

少女「だってあなたが助けてくれたから・・・」

エイジ「助けてねぇよ!」

少女「何よ!このかっこつけ!」

一触即発のエイジと少女

リリム「まぁ、いいじゃん、女の子多い方が楽しいし♪」

エイジ「リリム、何勝手なこと言ってんだよ」

エイジの言葉を無視して

リリム「このバカはほっといていいから」

「私はリリム、あなたの名前は?」

少女それまでの明るさとはうって変わり

少女「知らない」

リリム「知らないって?」

少女「知らないは知らない」

エイジ「自分の名前、知らないわけないだろう!」

少女「知らないんだって!」

エイジ「お前いい加減にしろよ!」

言いかける前に分厚い封筒が置かれる

エイジ「なんだよ」

少女「あなたにはわかる?」

「今まで生きてきた人生が全くの偽物だったなんて・・・」

エイジ「・・・」

少女「何度も言うけど、私は名前も知ららなければどこの誰なのかも知らないの!」

「これが私の全て、これ以外は何もないわ」

少女の言葉が全て真実であると悟ったエイジ

エイジ「・・・」

「さっきのやつらは何者だ? ヤクザにしては身なりが整ってたけど・・・」

少女「だから知らないわよ」

「会った瞬間に封筒を渡せって言われて・・・」

エイジ「これのことか」

中から札束が机の上に出される

エイジ「なんで、こんな大金が君のもとに?」

少女「わからない」

「働いていた施設に急に届いたの」

「宛先も差出人もわからなかったから消印を頼りにここまで来たの」

「最初は警察で聞こうと思ったんだけどそしたらあの変な人たちに絡まれて・・・」

エイジ「なるほどな」

少女「この街のこと詳しく知ってる人、知らない?」

「警察がだめだったら他に頼れる人もいないし・・・」

エイジ、目を輝かせながら

エイジ「そういうことなら、俺に任せておけ」

リリム、エイジがしゃべるのを無理やり遮り

リリム「そういうことなら、私たちに任せて!」

エイジ「リリム!邪魔すんな俺に喋らせろ!」

「俺はエイジ!この街の探偵だ!」

エイジ「この街のことなら俺に任せてくれ」

少女「あ、ありがとう」

エイジ「えっと・・・」

エイジ、少女の名前がわからず困っている

リリム「確かに、名前が無いのは不便だよねぇ」

リリム少し考えて

リリム「そうだ!不思議な不思議なこの街に迷い込んだ少女だから・・・」

「アリス!」

「アリスちゃんにしようよ!」

少女「アリス・・・」

エイジ、少し笑みをこぼし

エイジ「よし!そうと決まれば早速任務開始だ!」

「リリム!店番頼んだぜ!」

「アリス!しばらくはここにいるといい!」

ノリノリになっているエイジ

一人でぶつぶつ言いながら舞い上がっている

リリム「ごめんねぇ、久しぶりの依頼だから舞い上がっちゃって」

小声でアリスと会話をするリリム

エイジ「アリス、本当のお前を必ず見つけ出してやるよ」

颯爽と店を後にするエイジ

リリム「調子に乗んなきゃいいやつなんだけどねぇ・・・」

あきれるリリムとあまりのテンションに呆然とするアリス


○繁華街・探偵


聞き込みをするエイジ

街を行き交う人々に聞き込みをしたりなじみの店に顔を出したり聞き込みを続けている

街で聞き込みをしているとさまざまな人間がエイジを慕っているようで街の人たちがエイジに対して信頼をおいているのがよくわかる


○Girls bar EDEN


賑わう店内

夜も更けていきお客も次第に数が減ってくる


時間経過・閉店間際


リリム「ありがとね、アリスちゃんが手伝ってくれて助かった」

アリス「いえ、買い出しくらいしかお手伝いできなくてすみません」

リリム「いいのいいの!流石にお店で働かしたらダメだしね」

「あっ、でも今度内緒で接客してみる?」

アリス「いえ、結構です」

リリム「だよね、でもいい線いくと思うんだけどなぁ」

リリム、アリスにお店のドレスを見立てようとする

アリス「ところで探偵さん遅いですね・・・」

リリム「エイジのやつ、探偵の仕事となると夢中になっちゃって見つけるまで帰ってこないから、大丈夫大丈夫〜」

閉店作業を済ませトイレにいこうとするリリム

リリム「あ〜、トイレの電球切れちゃったみたい」

替えの電球を探すリリム

「替えのも切れちゃってるなぁ」

アリス「あ、私買ってきましょうか?」

リリム「ううん、大丈夫だよ?」

アリス「なんだか、行きたい気分なんです」

リリム「そこまで言うならお願いしちゃおうかな」

アリス「はい! いってきます!」


○繁華街


買い出しに出ているアリス

アリス「これでよしっ! と、あとは・・・」

エイジを見かけるアリス

突如、車が現れ無理やり乗せられてしまう

走り出す車

何も気づかず探し疲れているエイジ

エイジ「流石に、手がかりもなきゃ探しようもないよな・・・」


○Girls bar EDEN


戻ってくるエイジ

リリム「あ、エイジお帰り〜」

エイジ「あれ? アリスは?」

リリム「外で会わなかった?」

「おつかいお願いしたんだけどそろそろ帰ってくると思うんだけど」

リリムの電話が鳴る

リリム「はい」

「え? ちょっとそれどういうことですか?」

エイジ「どうした?」

リリム「アリスちゃん、家に戻ったからもう依頼は解約だって」

リリムの電話を奪うエイジ

エイジ「おい! アリス! どういうことだ!」

電話の声「アリス? どこのどなたか存じませんがお嬢様は、ご自宅へ戻られましたのでこれ以上の詮索は無用です。ご協力感謝いたします。」

一方的に切られる電話

エイジ「どうなってんだよ・・・」


○豪邸内・応接間


豪華な室内

アリスが連れてこられ、椅子に座らせられる

執事「お連れ致しました」

継母「ご苦労様」

執事を労う女性

アリス「あなたは誰ですか・・・?」

継母がいきなりアリスを抱きしめる

継母「やっと会えたわね・・・」

アリス「ちょっと何ですか・・・?」

継母「あなたは亡くなった夫の忘れ形見」

「ずっと探していたのよ」

継母の目にはうっすら涙が浮かぶ

アリス「えっ?」

継母「あなたのお父さんは私の夫だったの」

アリス「・・・」

継母「生前から、あなたのことずっと探してたのよ」

アリス「父は・・・亡くなったんですか?」

継母「えぇ、つい先日、持病が悪化してね・・・」

「でも、悲しまないでね、これからは私があなたのお母さんよ」

アリス「・・・」

継母「これからは家族二人で仲良くしていきましょうね」

優しかった表情が一変し、きつい口調になり

「浅田」

「こんな見窄らしい格好、はやく着替えさせて」

浅田「はい」

「お嬢様、こちらへ」

浅田に促されるアリス無理やり連れて行かれる


○豪邸内・アリス自室


着替えを済ませ部屋に軟禁されているアリス

アリス「あの人が、お母さん・・・?」

「あんまり実感わかないな」

「ていうか、こんなヒラヒラした服うごきづらい」

「落ち着かないからどこかいきたいけど・・・」

部屋を出ようにも扉の前にごろつきが立っていて出られない

ごろつきA「お嬢様、何か御用でしょうか?」

アリス「え、えっと・・・」

「のどが渇いたので何か飲み物が欲しいんだけど・・・」

ごろつきA「かしこまりました、今お持ちします」

ごろつき、携帯でどこかにかけようとする

アリス「あなたに持ってきてもらいたい」

ごろつき、アリスをにらむ

アリス「・・・デス」

ごろつき「かしこまりました、少々お待ちを」

ごろつきA、部屋から離れる

アリス「今のうちに・・・」

部屋をあとにするアリス


○豪邸内・書斎


扉の前を通りがかるアリス

半分、扉が空いている

アリス「あれ、ここ・・・」

中に入ると懐かしい匂いがする

アリス「ここってもしかして・・・」

部屋を物色すると引き出しの中から父親の持っていた手帳が入っていた

アリス「これ・・・」

アリス、手帳を夢中になって読み続ける

手帳の中に気になる文章を見つける


「財産は全て娘に委ねる」

「ただし、本遺言状と娘の遺言状の二対が揃って初めて効果を有する」

「揃わない場合は財産の一切を××に寄付すること」


アリス「これって・・・」

書斎の外から声が聞こえる

アリス、気になり外を見る

継母「で、ちゃんと見つけたの?」

浅田「いえ、お嬢様の持ち物の中にはそれらしいものは」

継母「お嬢様なんて言うんじゃないわ、あの娘は私の娘じゃないんだから」

「とにかくアレはなんとしてでも見つけるのよ!」

「せっかく手に入れたこの財産、手放すわけにいかないんだから!」

浅田「は、承知致しました」

「それでは、失礼いたします」

去っていく継母と浅田

アリス、ショックを受け呆然としてしまう


○Girls bar EDEN


ぼーっとしているエイジ目の前には残された札束と封筒

リリム「大丈夫?」

エイジ「あぁ・・・」

リリム「大丈夫じゃないよね?」

エイジ「あぁ・・・」

リリム、エイジの耳元で

リリム「おきろー!」

びっくりするエイジ

エイジ「何すんだよ!」

リリム「何すんだよ! じゃないでしょ! そんなに気になるんだったら行けばいいじゃん!」

「何をそんなに迷ってるのよ!」

エイジ「彼女は実家に戻れたんだ、だったら依頼も終わりだよ・・・」

リリム「呆れた・・・じゃあアリスちゃんの本名はなんなのよ?」

エイジ「え?」

リリム「実家の住所は?」

「電話番号は?」

「家族構成は?」

「なーんにも本当のことなんてわかってないでしょ!」

「このバカエイジ!」

エイジ「リリム・・・」

リリム「電話で一回断られたからって何をそんなに弱気になってんのよ!」

「本当の自分を見つけてやるのが探偵の仕事でしょ!」

「エイジの仕事でしょ!」

エイジ、目に光が戻ってくる

エイジ「そうだな、リリムの言うとおりだ」

「こんな中途半端な仕事じゃ探偵失格だな」

「依頼は完璧にこなすのが一流の仕事だ」


○豪邸・庭


庭に佇むアリス

先の出来事を受け落ち込んでいる様子

リリム「みーつけた!」

リリムの声に驚くアリス

アリス「リリムさん!?」

エイジ「しーっ」

アリス「エイジさんも?何でここに?」

エイジ「言ったろ? この街のことなら俺に任せろって」

「それよりひどいじゃないか何も言わずに出て行くなんて」

アリス「ごめんなさい」

「でも、私はこの家の人間だったみたいです」

「母も私のことをずっと探してくれていたみたいで・・・」

アリスの顔が浮かないことを察知して

エイジ「本当の自分、見つけたか?」

何も言えないアリス

エイジ「依頼は最後までやり遂げるのが探偵の仕事」

「本当の君を見つけるのが俺の仕事だ」

アリス「エイジさん・・・」

浅田「お嬢様! 誰かいるのですか?」

アリス「いけない!早くいって!」

エイジ「また来るからな!」

エイジたちが行きかけるのを制して

アリス「ちょっとまって、お金」

エイジ「お金?」

アリス「お金の中に、お父様の手紙が・・・」

エイジ「なんだかわかんないけどとりあえずわかった」

リリム「また来るね♪」

エイジとリリム、足早に隠れる

浅田「お嬢様、そんなところで何を?」

アリス「猫がいたのでエサをあげようと思って・・・」

浅田「・・・雨が降りそうですのでお部屋にお戻りください」

アリス「今、戻ります」


○Girls bar EDEN


エイジ「あれは自分の意思で戻ったわけじゃないな・・・」

リリム「だよね・・・」

エイジ「とりあえずコレ、調べてみるか」

札束を調べだすエイジ

エイジ「普通、札束の中にこんなもん隠すか?」

札束の中からと手紙と板切れが出てくる

エイジ「遺書と・・・なんだこりゃ?」

リリム「変な板だね、模様書いてあるけど」

エイジ「遺書は保管するとして、この板っきれも何なのか調べないとなぁ」

リリム「そうだねぇ」

エイジ「てことはあそこだな、リリムはこの遺書をよろしく頼む」

リリム「はーい」

エイジ、どこかへ出かける


○資料室・某所


板切れを持ち込むエイジ

管理人風の男がエイジに深々と挨拶をする

男「これはエイジぼっちゃま、ご無沙汰しております」

エイジ「ぼっちゃまはやめてくれよ、もういいオトナだぜ?」

「ちょっと調べて欲しいモノがあるんだ」

板切れを見せるエイジ顔色が変わる男

男「これは・・・」

エイジ「何かわかるか?」

男「確か、旦那様の資料の中で見たような・・・」

男は奥からホコリにまみれた資料を持ってくる

エイジ「それは?」

男「旦那様が生前調べていたものです」

「こちらです」

書物のとあるページをエイジに見せる男

板切れの説明

男「どうやら鍵の一種のようですね」

エイジ「オヤジはなんでこんなものを調べていたんだ?」

男「さぁ、それは私にはわかりかねます」

エイジ「そうだよな、サンキュー!」

その場をあとにしようとするエイジを引き止める男

男「ぼっちゃま」

エイジ「ん?」

男「旦那様が亡き後、ぼっちゃまが次期当主でございます」

「いつでも戻ってきて頂いても大丈夫ですので」

エイジ「ま、そのうちな!」

去っていくエイジ


○豪邸内・アリス自室


誰かがドアをノックする

アリス「どうぞ」

浅田が入って来る

浅田「お嬢様、お話が」

アリス「何?」

浅田「旦那様から預かった鍵をどちらにしまったのですか?」

アリス「なんで・・・」

浅田が不敵な笑みをこぼす


○Girls bar EDEN


リリム「これが鍵って・・・」

エイジ「あぁ・・・」

リリム「なんでアリスちゃんが持ってたんだろう・・・」

エイジ「さあな、でも、これがある以上はアリスは大丈夫だろ」

突如、扉の開く音

ごろつきが入ってくる

ごろつきA「いたいた」

エイジ「お客様たいへん申し上げございません、まだ開店前なんですけどねぇ」

ごろつきB「お前には用はねぇよ、あるのはその女だけだ」

リリム「私!?」

ごろつきA「つべこべ言わずについてこいよ」

「今日は逃げることはできねぇぞ?」

リリムの携帯が鳴る

エイジ「おい、こんな時に何やってんだよ!」

リリム「ちょっと待ってアリスちゃんから!」

電話に出るリリム

エイジ「は!?」

リリム、エイジに電話を渡す

電話の声「聞こえますか?」

エイジ「お前はこの前の・・・」

電話の声「はじめまして、浅田と申します」

「そちらに迎えを出したのですが到着してますか?」

エイジ「悪趣味な変態どもは来たようだぜ」

浅田の声「それは良かった」

「では、鍵をお持ちの上、彼らとともに来ていただけますでしょうか」

エイジ「鍵?そんなもの持ってないぜ?」

浅田の声「おっしゃる意味がわかりません、貴方ならお断りするはずがないと思いますが」

「どうしてもというのであれば、こちらの方にもご協力頂きましょう」

ごろつき、リリムを殴り気絶させて連れ去ろうとする

浅田の声「それでは、お待ちしてますので忘れずにお持ちくださいね」

エイジ「待てっ!」

ごろつき、エイジを殴りリリムを連れ去ってしまう

ごろつきA「そうそう、浅田さんがここまでこいってさ」

一枚の紙切れを落として去っていくエイジ、紙切れを握り締め気絶してしまう


○Girls bar EDEN


目を覚ますエイジ

手に紙を握りしめているのことに気づきそれを読むエイジ

エイジ「リリム・・・」

部屋をあとにするエイジ


○廃墟


アリス、リリム縛られている

アリス「リリムさん! リリムさん!」

リリム「もうお腹いっぱい〜♪むにゃむにゃ・・・」

アリス「起きてください!」

目が覚めるリリム

リリム「あれ? アリスちゃんおはよう!」

アリス「のんきなこと言ってないでください!」

「大変なことになってるんですよ!」

リリム「大丈夫だよ、エイジが助けに来てくれる!」

「それに、私とエイジが協力すれば絶対に負けないから♪」

アリス「リリムさん・・・」

浅田「お目覚めですか? お嬢様」

アリス「浅田! 、この縄をほどいて!」

浅田「申し訳ありません、それはいくらお嬢様の願いでも叶えることはできません」

アリス「なんで?」

浅田「実は私、ある方と取引をしたんですよ」

「あなたの持っている鍵とね」

アリス「鍵?、あなたお母様となんの約束をしたの?」

浅田「奥様と?まさか、約束なんかするわけないでしょう、あんな守銭奴、こちらが願い下げです」

「私が取引をしたのはもっといい物ですよ」

エイジが、駆けつける

エイジ「アリス!」

アリス「探偵さん!」

リリム「エイジ!」

浅田「おっと、お話はここまでのようですね」

「お待ちしてましたよ、エイジさん」

エイジ「アリスとリリムを離せ!」

浅田「鍵が先ですよ?」

エイジ、ポケットから鍵を取り出すと浅田に投げる浅田、鍵を拾うとごろつき達に縄を外すように促す解放されるリリム達

リリム「エイジ!」

エイジの影に隠れるリリムとアリス

エイジ「約束は果たしたはずだ! その鍵を使って何をするつもりだ!」

突然、スーツ姿の男が現れる

ルイ・サイファー「それは私が教えてあげるわよ」

エイジ「誰だ? お前は」

ルイ「私のことなんてどうでもイイんじゃないの?」

「知りたいのはコレのことでしょう?」

ルイ、鍵のついた宝箱のようなものを取り出す

ルイ「これはね、この箱を開けるのに必要なのよ」

鍵をあけるルイ中から光がこぼれあたりが真っ白に光が収まってくると箱の中身がわかる中には香水瓶のようなものがいくつか入っている

エイジ「・・・」

ルイ「そう、これはエデンの欠片」

「あなたたち人間を解き放ってくれるものなのよ」

浅田「さぁ、約束を果たしたはずですよ」

「私に力を・・・」

ルイ「そういえばそうだったわね、はいコレ」

ルイ、ジャケットからアンプルのようなものを取り出し浅田に渡す

浅田「これを使えば私も・・・」

浅田、アンプルを飲み干す

浅田、獣のような叫び声をあげ、解放されたかのような恍惚とした表情

リリム「エイジっ!」

エイジ「あのやろう、やりやがった!」

浅田「これがエデンの力・・・素晴らしいですね」

「さて、ここでの出来事を知られては都合が良くないのであなたたちには消えてもらいましょう」

「お前たち、やってしまいなさい!」

ごろつきたちエイジに襲いかかる

ごろつきたちの表情はなにかに操られた獣のよう

エイジ「くっそ! 周りにまで影響するのか!」

リリム「今度は負けないんだから!」


エイジ、リリムVSごろつきたち 別紙参照


ごろつきをあらかたやっつけると少女の悲鳴が聞こえる

アリス「きゃー!」

アリスに襲いかかっている浅田

浅田「これさえ手に入ればあんな屋敷も必要ないのでね・・・」

エイジ「アリス!」


エイジVS浅田 別紙参照


エイジ、浅田に殴りかかるが、よけられてしまい

反撃を喰らうがかろうじてかわすのが精一杯の様子

浅田「あなたはしぶといですね」

「では、確実に息の根を止めてやりますよ」

浅田、日本刀を取り出す。

浅田「こう見えても私は、武術もたしなんでおりますので楽に殺してさしあげますよ」

日本刀で切りつけてくる浅田


エイジVS浅田 別紙参照


傷を負いながらも既のところで交わし続けるエイジ

リリム「エイジ!」

リリム、エイジのもとへ合流する

エイジ「リリム、久しぶりにアレやるぞ」

リリム「やりますか!」

おもむろに上着を脱ぎ出すリリム

アリス「ちょっとリリムさん、何を!?」

リリム「言ったでしょ?エイジと協力したら絶対負けないって」

「見ててね、アリスちゃん」

リリム、エイジに抱きつくような体制に

リリム「痛くしないでね・・・」

リリム、そっと目を閉じ、タトゥーの入った部位をエイジに近づける

エイジ「言ってろ」

エイジ、タトゥーのある部位に手を添える

リリム「ん・・・あっ・・・」

リリムの身体から刀が抜け出てくる

その光景に周囲は驚いている

ルイ「あんた、なんでそんなことが!?」

エイジ「さてね?」

浅田「なんだろうと関係ない!」

浅田、エイジに斬りかかる


エイジVS浅田 別紙参照


エイジの一撃が浅田の身体を貫く倒れる浅田

エイジ「こいつは、悪魔を斬る刀だ」

「死にはしないさ、人間だったらな」

ルイ、動揺を隠しきれない様子

エイジ「次はお前だ」

エイジ、ルイに斬りかかる

ルイ、右手から血液を硬質化させ刃状にして、攻撃

を防ぐ


エイジVSルイ 別紙参照

エイジ「その慌て様」

「お前は悪魔みたいだな」

エイジ、攻撃の手をゆるめない

ルイ、防戦一方になりながらも逃げるタイミングを伺っている

ルイ「なんなのよ、アンタは」

「ん?」

ふと気づくと浅田が起き上がり、ルイの持っていた箱をあさっている

浅田「あれじゃだめだったんだ・・・これさえあれば・・・」

半狂乱の浅田、箱の中の香水瓶をあけ飲もうとしているところをルイが刺し殺す

浅田「な、・・・なんで・・・?」

ルイ「それはアタシのモノなの、あんたはここでサ・ヨ・ナ・ラ」

浅田を貫いた刃を抜く

瓶を手にとり掲げた刹那、何者かの刃が、ルイの腕をぶった切る

ルイ「なっ・・・!?」

その太刀筋はあまりにもするどくその場の時間が止まったよう

シグマ「・・・見つけた」

腕がゴロリと落ち、瓶のようなものが3つ転がるが、うち二つをルイが拾い、一つはシグマの手の中に

ルイ「まぁいいわ! このまま全部取られちゃうのはもっと問題だから!」

ルイ、シグマを睨みつけ

「あんた! あたしの腕の代償、高いわよ」

そういうと、ルイは切られた腕を拾い上げ消えてしまう

シグマ「逃げたか・・・」

エイジ「お前!」

頭にノイズが走るエイジ

シグマに唐突に斬りつけるエイジ


エイジVSシグマ 別紙参照


シグマ「・・・」

執拗に攻撃を繰り返すがあしらわれ反撃をくらい倒れるエイジ

エイジ「お前だけは・・・」

シグマはエイジの言葉に耳を傾けることもなくどこかへ行ってしまう

エイジ「待てよ・・・!」

エイジ、怒りをあらわにするが満身創痍の状態でシグマを追うこともできず廃墟に佇むエイジ


○???


傷ついたルイ、半死半生の状態で戻ってくる

ルイ「はぁ・・・はぁ・・・戻ったわよ・・・」

謎の男が出てくるとおもむろに手を差し出す

ルイ「これよ・・・、ちゃんと気持ちよくしてあげてね・・・」

男、何も言わずに二つの瓶のようなものを受け取ると奥へと行ってしまう。

奥には何者リリスかが寝ているような状態でいる


○Girls bar EDEN


開店前の店内掃除をしているリリム扉の開く音がする。

リリム「ごめんなさい、まだ開店前なんですけど…」

言いかけた目の前にはアリスの姿

リリム「あっ! アリスちゃん! どうしたの!?」

「ちょっと、エイジ! アリスちゃん来たよ!」

奥から出てくるエイジ

アリス「お久しぶりです」

エイジ「おう、もう体調の方はいいのか?」

アリス「はい、お陰さまで…」

エイジ「あれから家の方はどうだ?」

アリス「今回の事が公になって少し大変ですけど、父の親戚が親切にしてくれてなんとかやってます」

エイジ「本当の自分、見つかったか」

アリス「はい、エイジさんのおかげです」

カバンの中から一つの手帳を取り出す

アリス「父の手帳にあったんです」

「父が、私につけたかった名前・・・」

アリスが本名を言おうとするのを優しく止めて

エイジ「今更新しい名前言われてもわかんねぇよ」

「アリスはアリスだ」

アリス「あっ、それもそうですよね」

「では、エイジさん達に会うときはこれからもアリスで」

どことなく嬉しそうなアリス

リリム「私にだけは教えてくれてもいいよ!」

アリス、リリムに耳打ちをして本名を告げる

リリム「可愛い名前じゃーん」

「いいの?エイジ、今しか教えてあげないよ〜?」

エイジ「なんでお前が教える側なんだよ」

楽しそうにエイジたちを見るアリス

アリス「エイジさん、あの時の方は…?」

アリスの言葉にエイジの表情がこわばる

エイジ「古い・・・友人だよ…」

「悪い、出かけてくるわ」

「リリム、店のこと任せたぞ」

リリム「うん」

部屋をあとにするエイジ

アリス「リリムさん、私、余計なこと言ってしまったのでしょうか・・・」

リリム「ううん、アリスちゃんのせいじゃないよ」

「ただ、昔を思い出してるだけ・・・」


○回想


血だらけのエイジ

倒れている女性、血だらけのシグマが佇んでいる

エイジの叫び声がむなしく響いている


○道


歩いているエイジ

いらだちを隠せない


○Girls bar EDEN


リリム「エイジと一緒に探偵をやってた人なんだって」

「だけど、ある事件をきっかけにいなくなっちゃったって聞いたよ」

アリス「ある事件…?」

リリム「私がエイジと会ったのはそのあとだからわからないけどあんまりいい思い出じゃないのは確かかな」

アリス「そうなんですね・・・」

「エイジさん怖かったけど寂しそうな顔してました・・・」


○墓地


墓の前に誰かがいるのに気づき、はっとするエイジ

シグマ「やあ、エイジ久しぶりって、この前会ったか」

エイジ、半ば放心状態で身動きがとれない

シグマ「結局、探偵始めたんだね」

「探し物は見つかったかな?君の大事な・・・」

言いかけたときエイジが激昂し胸ぐらに掴みかかる

エイジ「なんでお前がここにいる!」

シグマ「何をそんなに怒っているんだ?」

エイジの腕を軽く払うと去っていくシグマ

振り返りシグマを追おうとするエイジ

しかしその目の前には女が佇んでいる

エイジ「なっ・・・」

クロトは笑顔でエイジに挨拶をする

シグマ「せっかく戻って来たんだ」

「楽しませてもらうよ、この街で」

エイジをよそに歩いていくシグマ

エイジ「なんで、生きてるんだよ・・・」

背後の墓標には、シグマここに眠ると記されている


○???


ルイが斬られた腕をくっつけ修復している

ルイ「やっと動かせるようになったわ」

奥から男がやってくる

白衣の男「用意はできたぞ」

男は一言告げると奥へ戻っていった

ルイ「待ちくたびれたわ」

ルイも後を追うように奥へと入っていく


○実験室のような場所


奥には研究施設のような場所が広がっている

ルイが持ち帰った香水瓶のようなモノが並べられ、そばに女性が複数人とらえられ皆憔悴している

白衣の男「はじめるぞ」

白衣の男は女性二人を連れてきて香水瓶の蓋をあけ二人に飲ませる

瓶の中身を飲んだ途端、女性二人とも苦しみだしこの世のものとは思えない声を上げ苦しんでいる

ルイ、その様子を嬉しそうに見ている

しばらくすると狂ったような声もおさまり女性がゆっくりと立ち上がる

ルイ「ごきげんよう」


○Girls bar EDEN


エイジ「依頼〜?」

依頼人エンヴィ「はい、実は・・・」

エイジ「宝石泥棒ねぇ…」

リリム、怪しすぎて呆れている

リリム「ねぇ、エイジやめとこうよ、さすがに怪しすぎるよ」

エイジ「何言ってんだ!」

「こんな素敵なお嬢さんがこの俺に直々に依頼してきてくれてるんだ」

「ここで引き受けなきゃ男じゃないだろう!」

エイジ物凄いテンションで依頼人の美貌に心を奪われている

リリム「だってぇ…」

「だいたい、今どき予告状ってさぁ・・・」

依頼人エンヴィ「引き受けていただけないでしょうか?」

リリム「今回は、警察の仕事だと思うので・・・」

と言いかける前にエイジが間を割って

エイジ「引き受けます!」

リリム「ちょっと! 勝手に引き受けて!」

エイジ「いいんだよ! 困っている人がいたら手を差し伸べるのが探偵の仕事だ!」

依頼人エンヴィ「ありがとうございます!」

依頼人、不敵な笑みをこぼす

リリム、浮かれているエイジに呆れて物も言えない

しぶしぶ依頼を受けることに


○宝石店・屋外


店の外で張り込みをしているエイジとリリム

リリム「エイジ、疲れた〜」

エイジ「お前は何しに来てんだよ!」

リリム「エイジ、お腹すいた」

エイジ「・・・」

だだをこね出すリリム

エイジ「わかったよ、なんか買ってこいよ」

リリム「わー、ありがとーー」

その場を離れるリリム

エイジ「はぁ、のんきなやつ・・・」

張り込みを続けるエイジ

依頼人エンヴィ「エイジさん」

不意に声をかけられドキっとするエイジ

エイジ「なんだ、あんたか」

「どうしてこんなとこに?」

依頼人(エンヴィ)「私が依頼したので私もついてこなきゃなと思って・・・」

エイジ「なんでもいいけど、邪魔だけはしないでくれよ」

張り込みを続けるエイジ


○繁華街


リリムが買い出しをしている

リリム「こんだけ買えばいいかな〜♪」

ルンルン気分のリリム前方にシグマが通り過ぎるのが見える

リリム「あいつ・・・」

シグマの後を追いかけるリリム


○宝石店・屋外


依頼人と張り込みを続けるエイジ

エイジ「リリムのやつ遅いな、いったいどこまで買い出し行ってるんだよ」

エイジ「しかし、静かだな」

依頼人「そ、そうですね」

エイジ「ガセネタだったんじゃないか?」

少し慌てた様子で

依頼人「そ、そんなはずは・・・」

依頼人「あ、エイジさんあれ!」

依頼人に促された先を見る

エイジ「ん?なにかあったか?」

依頼人「今、店から人が出て行きましたよ!」

エイジ「ほんとか?俺には何も見えなかったんだけど・・・」

依頼人「エイジさん!あれきっと犯人ですよ!」

依頼人、エイジを引っ張って犯人が逃げたと思われる方向へ行こうとする

エイジ「ってまだリリム帰ってこねぇし!」

依頼人「エイジさん、はやくしないと逃げちゃう!」

無理やりエイジをひっぱる依頼人

エイジ「わかったよ!もう!」

仕方なく黒い影を追いかけるエイジと依頼人


○廃墟・外観


依頼人に促され廃墟の前までくるエイジ

エイジ「こんなとこに入ったのか・・・?」

依頼人「ここに入っていきましたよ!ほら!はやく!」

エイジ、半信半疑ながらも

エイジ「あんたはここで待っててくれ」

依頼人「はい、よろしくお願いします」

廃墟の中へと進むエイジ


○廃墟


廃墟の中を進むエイジ

物陰に黒い影が見える

エイジ「あれか・・・」

「そこにいるのはわかってるんだ、出てこい!」

シグマが影から出てくる

エイジ「お前・・・」

シグマ「エイジ、こんなとこで会うなんて奇遇だね」

エイジ「そうみたいだな」

シグマ「ケダモノがここに住み着いたから退治してくれと言われたから来たのだけど」

「それは君のことだったのかな?」

シグマ、興ざめして帰ろうとする

エイジ「何処へ行くつもりだ」

シグマ「ずいぶん怖い顔してるけどどうしたかな?」

エイジ「お前には聞きたいことが山ほどある」

シグマ「僕には答えることはないと思うけど?」

エイジ、シグマに殴りかかる

シグマ「仕方ない、少し遊んであげるよ」

クロトが出てくる

クロト「改めまして、私はクロト」

「よろしくね」

その笑顔は、無邪気に見えるが悪意に満ちているよう

息も絶え絶えになりながらリリムが来る

リリム「あれ? エイジ! あの金髪がこっちに来たよ!っているじゃん!」

クロトおもむろに上着を脱ぎシグマに抱きつく

背中にはリリムと同じようなタトゥが刻まれている

クロト「死が二人を分かつまで」

ゆっくりと背中のタトゥーから刀を抜き出すシグマ

シグマ「さあ、はじめようか」

エイジ「話はあとだ! リリム!」

エイジ、リリムから刀を抜き応戦


エイジVSシグマ 別紙参照


ほぼ互角の対決のエイジとシグマ

影から見つめている依頼人

シグマ「エイジ、強くなったね」

エイジ「お前だけは許さねぇ!」

シグマ、エイジを追い詰めるが急に苦しみだす

シグマ「時間切れか」

「少し遊びすぎたな」

クロト「シグマ!」

人型にもどったクロトが心配して介抱している

グリード「もう少しなんだからトドメさしちゃえよぉ」

強気な女性の声が聞こえてくる

依頼人「あら、やっといらしたの?」

シグマ「どういうことかな」

グリード「何って、お前たちの同士討ち見てるのよ」

シグマ「ふぅん、そういうこと」

「エイジ、状況が変わったみたいだ」

「君より先にこいつらを片付けるからエイジはそこで休んでな」

エイジ「お前に助けられる義理はねぇ・・・」

エイジ、ボロボロになりながらも対抗しようとする

依頼人「そんな身体でよく戦おうという気がしますのね」

「ちょっと引きますわ」

依頼人の姿が変わっていく

エンヴィ「改めまして、私はエンヴィ」

グリード「アタシはグリード」

エンヴィ「あなたの命、頂戴しますわ」

グリード「あんたの命いただくよ」

グリード、ゾンビ兵を召喚する


エンヴィー・グリードVSエイジ・シグマ 別紙参照


ボロボロのエイジたちを翻弄するエンヴィーたち

エイジたち応戦するも疲弊しきっている

グリード、シグマに魔法をかける

シグマ「ぐわぁぁぁ」

シグマの身体をシネマフィルムのようなラインが駆け巡る

エンヴィ「素敵な悲鳴・・・」

グリード、シグマの体の中に腕を突っ込み腹の中を物色する感じで

グリード「へぇ・・・、面白い」

「せっかくだからあんたも見てみれば?」

「こいつの過去ってやつをさ」

エイジ「なん・・・だと・・・」

エイジも魔法にかけられ意識を失う


○回想 探偵事務所


シグマ「君の名前は?」

エイジ「・・・」

シグマ「緊張してるのかな」

エイジに微笑みかけるシグマ

シグマ「はじめまして、僕は志熊 敬介」

「シグマって呼んでくれて構わないよ」


○回想 繁華街


エイジとシグマふたりで協力して依頼をこなしている

エイジ(現代)「俺とシグマはいつも一緒だった」

「あの日までは・・・」


○回想 港


血まみれのエイジ、シグマ、それに女性が一人倒れている

エイジの叫び声が聞こえる

エイジ(現在)「今更、こんなもの見せてどうしようって言うんだ」


○回想 探偵事務所


シグマ「いいかい、エイジ」

「探偵ってのは依頼人を第一で考えなきゃいけないんだ」

エイジ「へいへい」

シグマ「君はいつもそうだねぇ」

エイジ「だって、依頼なんて猫探しとか浮気調査とかそんなんばっかじゃん」

「俺としてはもっとこう、謎の美女の依頼とかこう血湧き肉踊るようなスペクタクルがほしいわけですよ!」

「だいたい、シグマさんばっかりで俺はいつも留守番ばっかりだし」

シグマ「はぁ、君は探偵を何か勘違いしてないかい?」

ガチャリと扉の開く音がする

女「すみません、ここ探偵事務所ですよね?」

シグマ「はい、そうですが・・・」

女「依頼をお願いしたいのですが・・・」

女は帽子を脱ぐとそこには絶世の美女がいた

シグマがエイジの方を見ると

エイジの勝ち誇ったような顔をしている

あきれるシグマ

シグマ「お名前を伺ってもよろしいですか?」

女「不破夕子といいます」

エイジ「ゆうこさんか!素敵な名前ですね!」

シグマ「エイジ!少し黙って!で、今日はどういったご用件で?」

夕子「実は、ある人を調べて欲しいんです」

シグマ「調べる・・・?」

エイジ「どんな人探してるんですか!」

エイジが話に割り込んでくる

シグマ「君ってやつは勝手に話を進めるんじゃない」

エイジ「いいじゃんいいじゃん、俺がここ来てからはじめてでかそうな仕事の依頼じゃん!」

シグマ「君はどうしてそう緊張感がないんだ!」

「いいかい?探偵の仕事に大きいも小さいもないんだ」

エイジ「まぁまぁいいからいいから」

「で、夕子さんは誰を探したいんですか?」

シグマ「はぁ、まったく君ってやつは・・・」

夕子「えと・・・、話しても大丈夫でしょうか?」

シグマ「うちのが失礼をしまして本当に申し訳ありません」

「どうぞ、まずはお話を伺わせてください」


エイジ(現代)「そう、ここまでは良かったんだ」


○回想 アパート付近 車内


エイジ、写真を見ている

エイジ「前島 敦弘 32歳 元会社員  夕子さんの会社の金を横領して逃亡っと」

シグマ「エイジ、緊張感がなさすぎるよ」

背の高い男が、アパートからでていく

シグマ「エイジ、車出して」

エイジ「へいへい、言われなくてもわかってますよ」

車を出すエイジ

男に気づかれないように後をつけていく


○回想 港


男が港の奥へと入っていく

エイジ「おー、取引といえば港!港といえば横流し!」

シグマ「静かに」

「ここから先は車では行けないから歩いて行くよ」

シグマ、車から降りてスタスタ行ってしまう

エイジもカメラを持ち後をつける


前島、とスーツの男が取引をしている

カメラのシャッターを切るエイジ

シグマ「証拠は取れたね?それじゃ帰ろう」


○回想 探偵事務所


シグマ、エイジ、夕子が座っている

シグマ「こちらが調査結果です、ご確認ください」

夕子、渡された資料を見る

夕子「確かに、ありがとうございます」

夕子は席を立ち帰っていった

エイジ「綺麗な人だったなぁ」

「あれ?夕子さん忘れ物してる」

「俺、届けにいってきますよ」

シグマ「わかった」


○回想 夕子自宅付近


エイジ「お、いたいた」

「夕子さーん!」

振り向く夕子、その向かいには前島の姿

エイジ「なんであいつが!」

エイジ、急いで夕子のところへ駆け寄り

エイジ「夕子さん、下がって!こいつあぶないやつなんでしょ!」

夕子「エイジくん?」

前島「お前は何もんだよ、邪魔してんじゃねぇ!」

前島の様子がおかしい

エイジ「お前、本当に前島か・・・?」

前島「あん?ふざけたこといってんじゃねぇぞ!」

明らかに前島の顔に生気がない

エイジ「お、おいお前本当に大丈夫か?」

エイジに電撃が走る

意識が遠くなっていくエイジ


エイジ(現代)「俺の記憶はここまで」

「目が覚めた時にはもうあの光景が広がっていたんだ」


○回想 港


倒れているエイジ

シグマ、と女性が対峙している


夕子「エイジくんは優しいのね」

「でも、他の人の心配してる暇はないわよ」

シグマ「君もね」

「エイジを返してもらおうか」

夕子「いやよ、新しいおもちゃですもの」

シグマ「君、人間じゃないよね?」

夕子「あら?どうしてそんなこと思うのかしら?」

夕子は笑っている

シグマ「エイジには言ってなかったけど僕はただの探偵じゃないんでね」

夕子「最初にあった時から気づいてたワ」

「あなたの噛み付くような視線」

シグマ「嬉しくないね、今ならまだ見逃してあげるけどどうする?」

夕子「せっかくだから遊んであげるワ」

夕子、悪魔へと姿が変わる


シグマVS夕子? アクション別紙参照


夕子「生身の人間なのに強いのね」

「ゾクゾクしてきちゃうワ」

シグマ「悪魔に好かれる趣味はないんだけどね!」

シグマの攻撃が綺麗にヒットする

シグマ、夕子を追い詰める

命乞いをする夕子

シグマ「エイジは連れて帰らせてもらうよ、これでも大事な弟子なんでね」

エイジを肩に抱き振り返ろうとした瞬間脇腹に熱いものを感じる

前島「にがさねぇよぉ!」

「アハハハハハハハッ」

シグマ「グッ・・・」

シグマ、前島を振り払うが脇腹にナイフが深く刺さり出血がひどい


シグマVS前島 アクション別紙参照


前島「イテェだろぉ!」

「俺たちは絶対逃げ切ってヤルゼェェェェ」

シグマ「まいったね・・・これは・・・」

夕子「アンタがこんな役にたつなんて思わなかったわ」

「ありが・・・」

前島のナイフが夕子?を突き刺す

夕子「な、なんで・・・?」

前島「レは、お前のこと本気で愛してたンダ・・・」

「ソレナノニ、それなのに・・・」

ナイフで何度も夕子の身体を突き刺

シグマ「やめろ!」

シグマ、前島のナイフを奪う

前島、シグマの気迫に押され、逃げ出してしまうが、

逃げた先には道はなく海へと転落してしまう

ナイフを持ったまま立ち尽くすシグマ

エイジ「ん・・・」

目を覚ますエイジ

エイジ「シグマ・・・さん・・・?」

「あんた、何を・・・何をやってるんだ!」

大声で罵声を浴びせるパニック状態のエイジ

シグマ、エイジを殴りおとなしくさせようとする

ふと、後ろを見ると瀕死の夕子?の姿がない

エイジの怒りは収まることなくシグマを攻撃する

シグマはそれを相手にすることなくエイジを一蹴すると夕子?を探しにフラフラと去ってしまう


背景では、瀕死のシグマがクロトと契約を結んで生きながらえている場面が現れている


エイジ(現代)「嘘だろ・・・」

シグマ(現在)「本当だよ・・・」

エイジ(現代)「じゃあ、俺が今まであんたに抱いてきたものは・・・」

シグマ(現代)「説明したところで聞く耳持たないだろ?」

シグマは微笑みながら言う

シグマ(現代)「さ、エイジ今度は寝てる場合じゃないよ」

「今の君なら、彼女を救えるんだ」


○廃墟


気絶しているエイジ・シグマ・クロト・リリム

リリム「エ・・・イジ・・・」

グリード「今頃さぞかし素敵な夢を見ているだろうよ」

エンヴィ「私たちの目的は、この子たちですわ」

グリード「お前を連れてこいって言われてるんだよねぇ」

エンヴィ「こんな形でお会いするなんて残念ですわ」

エンヴィー、クロトを悲しそうな目で見つめる

エンヴィ「でもこれで、あの方もお喜びになるはずですわ」

グリード・エンヴィー、リリム・クロトを連れていこうとするとエイジがその腕を掴む

グリード「何っ!?」

エンヴィ「まだ生きてるなんて」

「しぶといのですね」

よろよろと立ち上がるエイジ

エイジ「うるせぇ、リリムはお前らにはやらねぇぞ」

「起きろ、シグマまだいけんだろ」

シグマ「少しは年寄りをいたわって欲しいんだけどね」

エイジ「言ってろ」

「今はこいつらを倒すのが先だ」

シグマ「やっと大人になったね、エイジ」

グリード「ごちゃごちゃうるさいね」

エンヴィ「こちらも本気でいかせてもらいますわ」

グリード・エンヴィ、手下を召喚する


エイジ・シグマVSゾンビ兵 アクション別紙参照


ゾンビ兵を蹴散らすエイジ・シグマ

リリム、クロトも戦う

4つ巴の戦いになり

エイジ・リリム抜刀

シグマ・クロト抜刀

グリード・エンヴィを追い詰める

エイジ「残りはお前らだけだな」

シグマ「ちょっと疲れたからはやく終わらせてもらうよ」

エイジ・シグマ、二人に攻撃を仕掛けるその瞬間、攻撃が何者かに止められエイジ・シグマともに吹っ飛ぶ

そこに現れたのはルイとリリスだった

リリス「・・・」

リリム「リリス・・・」

グリード「リリス様!」

エンヴィ「失態を見せて申し訳ありません」

リリス「行くわよ」

ルイ「アタシの出番、これだけ!?」

「ま、今度はたっぷりと遊びましょう♪」

リリス、エイジに冷たい視線を浴びせそのまま去っていく

エイジ「っ!」

エイジの頭にノイズが走る光のゲートの中に消えていくリリスたち


○Girls bar EDEN


エイジ「で、なんでお前がここにいんだよ!」

シグマ「何故って、ここで働くからだよ?」

エイジ「だから、なんでここで働くんだよ!」

「おい! リリム!」

リリム「ん? いいんじゃない? 仲間は多い方が楽しいし♪」

ニコニコしているリリムとクロト

エイジ「楽しいし♪じゃねぇよ!」

リリム「まぁまぁ、仲直りもできたんだし一緒にいたほうが何かと都合がいいでしょ?」

エイジ「仲直りもしてねぇし、都合もよくないっ!」

シグマ「またよろしく頼むよ、エイジ」

クロト「よろしくね」

微笑むシグマにたじろぐエイジ

エイジ「怒って・・・ない・・・んですか?」

シグマ「怒る?アハハハ、そんなわけないじゃないか」

「こうやってまたエイジと一緒にいられるなんてまさか夢にも思わなかったよ」

「これからは、君の世話になるよ、探偵くん」

エイジ「うるせぇ!」


素直に嬉しさを表現できないエイジ

つかの間の平和を噛み締めている一同

少しだけ不安を覚えているリリムがいる


○エンドロール





END


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ