たこ焼きマントマン
前回の続き
イタル924は花子が飲んでいたコーヒー牛乳を奪って飲み干した。なんか『ぷはー』とか言っている。しかもその口ってのが、頭の上にあるらしく、飲むっていうよりかけたと言った方がいい。
「ょおおおおぅ!!!!!!!!!!!!花子」
「ょおおおおぅ」
うっせーな。イタル924。
「ところで、いきなり失礼なんだが、お茶ぐらい出してくれないかい?」
失礼なチェーンソーだなー。てかいつもの飲み方なら火傷するよ。イタルくん。
俺がお茶を出すと、イタルは一回頭を下げ、飲んだというよりかけた。
「熱っ」
バカだ。
「なんでコーヒー牛乳じゃぁなぃのぉ?」
「あんたお茶っていったろ!?」
「イタルさんはコーヒー牛乳の事をお茶って言うんだよ。知ってるでしょ?」
「知らんわい!!」
「熱ぅぅい、熱いょおお」
イタルは頭のあたりをゴシゴシしている。ほんのり赤くなっている。
「大丈夫。イタルさん。せめて麦茶にしなよ。剛」
「大丈夫だ、花子。小麦粉は苦手だから」
麦茶に小麦粉は使用してねぇよ。
「待ってて、氷を袋にいれて持ってくる」
花子は俺の部屋を飛び出した。
部屋には火傷したチェーンソーと俺だけ。
話しづれぇ。
「…ぁっ…」
「な、なんかすいません」
「いや、平気だ」
「そうですか」
「…」
「…」
「…」
沈黙が続く。
「…」
「…」
「わしがなんで歩けるか知りたい」
「はい、知りたいです。俺が今一番しりたかった事です!!今夜眠れない所でした!!!」
「そうか…」
ちょっと嬉しそうなイタルは、話を続けた。
「人は死ぬとどこへ行く?」
俺は場違いな質問にちょっと焦ったが、俺は素直に答えた。
「天国と地獄ですね」
「天国の上にもあるのを知ってるか」
「知らないですね」
そうなのか。ダメだな。キリスト教は。
「そこが、ヘヴンだ」
「ヘヴン、ですか」
「まぁな」
「天国よりも上って相当な楽園なんですか」
「ヘヴンディズニーランドがある」
すげぇなおい!
「まあ、悲惨な人生を送ったり、人の悪意で殺されたり、悲惨な死を遂げた物だけが行ける楽園だ」
「そうなんですか」
「しかも、ヘヴンはなりたい物になれるのだ。そして人間界を行き来できる」
すげー楽園だな。なりたい物になれて、人間界を行き来できて、ディズニーランドがあるのかぁ。行きたいな。
「んで、なんであなたは歩けるチェーンソーに」
「だって、無敵じゃん?」
ごもっとも。