Beautiful World ~やさしい言葉~
この地球(世界)の出来事を書いてみました(^^)/
このせかいはとてもひろい。
私たちの目には収まりきらないくらい。
この世界はいたくてつらくてひどい。
でも。
〝それでも〟
…………。
〝それなのに〟ね。
あたたかいものであふれているの。
なきたくなるのは、どうしてかな。
ある街に来ていた私。
そこで無邪気に笑いながら遊んでいる女の子がいたの。
幸せそうに。
その女の子は大きな瞳のかわいい子だった。
きれいな栗色の髪。 白い肌。
そんな女の子が私に話しかけてきたの。
お姉ちゃんはひとりなの?って。
素直にうんって答えた。だって独りだから。
「さみしくないの?」
まっすぐその女の子の目を見て、「淋しくなんてないよ。わたしは幸せだから」
強がり…………かな。
女の子は突然、私の手をとって走り出した。
私はその女の子の小さな歩幅に合わせるようにしてついて行くことにした。
「お姉ちゃん、目を閉じて」
「……? うん」
言われたように目を閉じた。
どこかに向かって歩いてる……?
見えないけど階段を上がっているのはわかった。
「お姉ちゃん、目を開けていいよ」
眩しい。
気がつくと今にも崩れ倒れそうな建物の屋上に立っていた。
「綺麗…………」
そこには、青紫色に染まる空に、沈んでいく大きなオレンジ色の塊があった。
「きれいでしょ。ここ、お気に入りなの」
世界はこんなに綺麗なの……。
どうしてこんなに世界が綺麗なの?
この女の子は知らないんだ。
この世界がひどくてつらいところだということを。
「お姉ちゃんがまたこの街にきたら、この景色をまた一緒に見ようね」
笑ってた。
「うん」
それから私は街を後にした。
女の子は私の姿が見えなくなるまで手を振り続けていた。
――街を出て2日目。
世界がひどく、つらいところだと知る。
今朝の新聞にあの街が謎の火災によって消滅したと書かれていた。
思わず天を仰いだ。
空は哀しい鉛色をしていた。
ぽつぽつと雨が降り出した。
「やっぱり、わたしは独りのほうがいい。これ以上悲しい思いをしないですむから……」
このせかいはとてもひろい。
私たちの目には収まりきらないくらい。
この世界はいたくてつらくてひどい。
でも。
〝それでも〟
…………。
〝それなのに〟ね。
あたたかいものであふれているの。
涙があふれているのは、どうしてかな。
読んでいただきありがとうございました。
世界はひどいところじゃないと思っていただけましたか?
そう思っていただけたらうれしいです。