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転生したらトカゲだった~進化を重ねて最強のドラゴンになれ~  作者: ギッシー
第2章 北の山脈編

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68.秘薬の適合者

 戦いも大詰めを迎えた所で闇魔法のLVがMAXになり、新魔法〖シャドーソード〗でソーマを無力化する事ができた。

 実は私のMPもほぼなくなってる。今回もギリギリの戦いだったけど何とか勝てたな。後はこいつに町のみんなを元に戻させれば、長かったこの騒動もようやく終わりだ。

 私はソーマの前に立ち、圧をかけるため見下ろしながら口を開く。


『勝負はついたわ。町のみんなを元に戻しなさい』

「元に戻す? ふふふっ、面白い事をおっしゃいますね」


 〖ネクロマンシー〗が解除され、ただの人間に戻ったソーマは、圧倒的不利な状況にもかかわらず笑っている。

 こいつ、この期に及んで笑うとか頭いかれちまったのか?


『とぼけても無駄よ。〖探究者LV――〗なんて称号スキルを持ってるあんたが、解除方法を知らないはずないでしょ……知ってるよね?』

「何を言ってるんですか貴方は、アンデッドになった人間が元に戻るはずないじゃないですか」


 ……え? 戻んないの? それって不味くない?

 んー、どうしよっか……決めた! 諦めよう! だって、できないもんはしゃあないもん。ユナには後で謝ろう。


『そう、じゃあ貴方に用はないわ。終わりにしましょう』

「意外と薄情なんですね。ですが、もう勝ったつもりですか? 保険は打ってあります。きなさいユナ」


 私は首をはねるため腕を振りかぶる。すると、まだ諦めていない様子のソーマがユナを呼んだ。

 こいつ、ユナを呼んで何しようっての? そもそもユナは私の味方だし、あんたの言う事なんて聞くはずないでしょ。

 そう思いソーマの呼びかけた方向を見ると、虚ろな瞳をしたユナがこちらに向かい歩いていた。

 あの目は意識がない? 嘘でしょ……さっきまで大丈夫だったのに……。ユナ、貴方までアンデッドになったっていうの……? いや、まだ完全に変化はしていない。今ならまだ人間に戻せるかも!


『ユナを元に戻しなさい! あの子に手を出すのは許さないわよ!』

「ふふふっ、やはりユナが貴方の急所でしたか。貴方が現れる直前、なかなかアンデッド化しないあの子に特別強い薬を飲ませた甲斐があるというものです」


 こいつ、私がくる前にそんな事してやがったのか……。付き合いのない他の人間と違って、ユナは初めてできた大事な弟子だ。こんなところで死なせたくない。

 ってか、コノハナサクヤヒメとツララは何してんのよ? ユナを守ってるんじゃなかったの? ああ、後ろで追ってくるアンデッドの相手をしてるな。あのアンデッドは結構強いぞ。たぶん元冒険者たちだ。元になった人間が強い分だけ強いアンデッドになるって事か。だったら私が何とかするしかない!


『しっかりしてユナ! ソーマの薬になんて負けちゃダメ! 貴方は私の弟子でしょ!』

「声などかけたところで無駄ですよ。一度アンデッド化した人間が元に戻った事例はありません。諦めてくださ――なにッ!」


 ユナは私の声に反応して動きを止め「う、ううぅ……」と呻き声をもらす。

 やっぱりまだ完全にはアンデッド化していない! 救えるかもしれないぞ!


「……ア、テナ……師匠……あれ? 何でユナここにいるの?」


 ユナの瞳に少しずつ光が戻っていき、やがて意識を取り戻した。

 良かった……大丈夫みたい。


「バカな! ユナに使った薬は他よりも強力なんだぞ。――まさかあの娘、私の秘薬に適合したのか……ッ!」


 えっ、あのいつも余裕の態度を崩さないソーマが驚いている? それほど珍しい事なの?


『秘薬に適合ってどういう事? 人間がアンデッドに変わるのが適合じゃないの?』

「私が住民に投与したのはそんな単純な物ではありません。アンデッドに変化するのは適合できなかった失敗例です」

『じゃあ成功したらどうなるのよ? あんたの秘薬ってなんなの?』

「私は常々思っていました。この世界は未知で溢れている。私はその全てを知りたいと。だが、人間の一生は短い。全てを解き明かすには時間が足りません。その短い寿命を克服するために私は研究を始めました」


 私の問いにソーマは嬉々として語り出す。

 こいつ急に語り出したぞ。ずっと一人で研究してたから誰かに聞いてほしかったのかな? その気持ちちょっとわかるよ。自分が一生懸命やった事を誰にも知られないのは寂しいもんね。


「あの薬は人間を進化させる。人間を寿命という鎖から解き放ち、更なる高みへと進化させる秘薬なのです。しかし、薬を投与した人間はアンデッドに変わりました。人間から変化するのには成功しましたが失敗です。理想とは程遠い結果でした」


 それでこの町を実験場に研究をしてたってわけか。気持ちはわかってもこいつはやりすぎた。絶対に許せない。


「ユナに飲ませたのは原液に近い強力な物なのになぜ? とにかく調べなければ――やはり! ついに適合者が誕生したのだッ!」


 ソーマは興奮した様子で叫ぶ。

 今のはユナを〖鑑定〗したのか? そんじゃあ私も〖鑑定〗!


―――――――――――――――――――――


〖ユナ〗

種族:半妖

LV :1/95

HP :35/35

MP :66/66

攻撃力:31+5

防御力:22+2

魔力 :66

素早さ:30


装備

〖果物ナイフ:Eランク:攻撃力+5〗

〖布の服:Fランク:防御力+2〗


通常スキル

〖鑑定LV1〗〖気配探知LV1〗〖思考加速LV1〗

〖念話LV1〗〖人間言語LV7〗〖暗視LV1〗

〖隠密LV1〗〖HP自動回復LV1〗〖MP自動回復LV1〗

〖肉体再生LV1〗〖痛覚緩和LV1〗〖妖魔化LV1〗

〖爪撃LV1〗


魔法スキル

〖星魔法LV1〗

〖プチスターフォール〗


耐性スキル

〖物理耐性LV1〗〖魔法耐性LV1〗〖酸耐性LV1〗

〖毒耐性LV2〗〖麻痺耐性LV1〗


称号スキル

〖幸運LV――〗〖悪食LV――〗〖半人半妖の少女LV――〗


スキルポイント:1000


―――――――――――――――――――――


 ユナのステータスが上がってスキルの数も増えてる! 最大LVも95まで上がってて将来性も抜群だ!

 そして何より、種族が人間じゃなくなってる! どうなってんだこれーーーッ!

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