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転生したらトカゲだった~進化を重ねて最強のドラゴンになれ~  作者: ギッシー
第2章 北の山脈編

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57.ツララ①

 コノハナサクヤヒメと約束し前に出ると、ツララは不敵な笑みを見せ口を開く。


「主さんがあちきの相手をするでありんすか? 今度こそ氷漬けにしてやりんす」


 怖ー、嗜虐的な笑みと言動に変な汗が出る……でも、ツララを元に戻すと約束したんだ。ここで引く訳にはいかない……絶対倒す!


「ようござりんすねその反応、近頃の獲物は逃げるか命乞いするかでありんしたから新鮮でありんす」

『そいつはどうもッ!』


 私は余裕の笑みを浮かべるツララに向かって地面を蹴り、全速の〖飛行〗で接近する。

 ツララのステータスとスキル構成は魔力特化の遠距離攻撃タイプだ。ただでさえ格上だってのに離れて戦うのは愚の骨頂、一気に接近して短期決戦で勝負を賭ける!


「あちきを相手にするとみんな近づきたがりんすね。やっぱりあちきが魅力的だからでありんしょうか? でも、あちきはそんなに安い女じゃありんせん!」


 ツララは芝居がかった口調で独り言ち、向かってくる私に〖アイスニードル〗を連射してきた。

 くっそ! 〖アイスニードル〗ってそんなに連射できる魔法なのかよ! 魔力が高いと低級の魔法は連射可能なのか? でも、ここはあえて躱さず突っ込む!

 私は飛んでくる〖アイスニードル〗を〖爪撃〗で叩き落しながら速度を落とさず進む。


「考えが甘うござりんす! 〖ウィンドリーフ〗!」


 もう少しで直接攻撃が届く範囲に入ると思ったその時、ツララが魔法を唱える。すると、ツララを中心に木の葉を含んだ大きな風の渦が発生して私を包み、飛び交う木の葉が私の体を切り裂いた。

 痛ッ! 宙を舞う木の葉に触れたら体が切れたぞ。これが〖風魔法〗の〖ウィンドリーフ〗か、これじゃ動けない。見た目以上に厄介な魔法だ。


「これで終わりじゃありんせん! ハァアアアッ!」


 気合を入れたツララが両手を前に突き出す。すると、渦を巻いていた風が勢いを増し、鋭い木の葉と共に突風が襲ってきた。

 ぐぅううう……まずい、突風に加えて木の葉のダメージがバカにならん! だったらこれだ!

 私は〖ウィンドリーフ〗を避けるため横に移動し、〖真空斬〗を繰り出す。


「その程度の攻撃、あちきに通用しんせん!」


 ツララは掌から氷の剣を作り出し、〖真空斬〗を撃ち落とした。

 あれは〖アイス〗の魔法か? 他の属性も最初の魔法は属性そのものを操る魔法だったから間違いないと思う。初期魔法って一番初めに覚えるのに汎用性が高くて便利なんだよな。

 しかしツララの奴、魔法特化だと思ったら物理もいける口じゃんか! ステータス的に接近戦なら私に分があると思ったけど、そう簡単にはいかないようね。


「これでまたあちきのターンでありんす。食らいなんし!」


 ツララが私に向けて片手を翳すと、圧縮された猛烈な吹雪が襲ってきた。

 ぐぅぅぅ……この魔法は一度受けた事がある。吹雪を操る魔法〖アイスストーム〗だ。これじゃあ接近する事さえできない。本気で戦えば何とかなると思ったけど、ツララのやつ思った以上に手強いぞ……!


「これで終わりでありんす! 〖アイスコフィン〗!」


 ヤバい! 〖アイスストーム〗で動きを止めたところに〖アイスコフィン〗で氷漬けにする凶悪コンボだ! これを食らったら本当に終わる、躱せぇえええッ! ぐぅ……ッ!

 私は何とか〖アイスストーム〗を掻い潜り横っ飛びで〖アイスコフィン〗の冷気から逃れる。だが、完全に躱す事はできず、僅かに掠めた右足が凍り付いてしまった。

 クソッ、足が凍って動けない……ここは一旦引く! 〖ダークミスト〗!

 私は得意の目くらましで視界を遮り、コノハナサクヤヒメの所まで〖飛行〗で移動した。


「アテナさん足が凍って……大丈夫でありんすか?」

『何とかね。それより、ツララに弱点とかないのコノハナサクヤヒメ? 貴方なら知ってるでしょ?』

「弱点でありんすか? ツララは氷属性の使い手でありんすから、火には弱いはずでありんす」


 火に弱いの? まったく、そういう事は早く言ってよね。げげっ、気付かれた!

 〖ウィンド〗の魔法で黒霧を吹き飛ばし、私を見つけたツララがニヤリと怖い笑みを作りこちらに。


「ここまでやって倒せねえとは、こんなにしぶとい獲物は初めてでありんす。褒美にあちきのとっておきを見せてあげんしょう」


 ツララは〖アイスコフィン〗とは違う複雑な手印を結び精神を集中している。

 こいつはヤバい雰囲気だ……とんでもないのがくるぞ……!


「こいつを食らいなんし! 〖ダイヤモンドダスト〗!!」


 私に向かって突き出されたツララの両手から、キラキラと輝く冷気の風が放たれた。

 〖ダイヤモンドダスト〗? 確かダイヤモンドダストって大気中の水分が凍り付いて微細な氷となり、光を反射する事でダイヤモンドのかけらが舞っているかのようにキラキラと輝いて見える自然現象だったよな?

 〖鑑定〗で見た〖ダイヤモンドダスト〗はLV10の氷魔法だった。氷の最強魔法じゃんか! その下の〖アイスコフィン〗ですらとんでもない威力だってのに、それより上位の魔法なんてヤバすぎるだろ!

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