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転生したらトカゲだった~進化を重ねて最強のドラゴンになれ~  作者: ギッシー
第2章 北の山脈編

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56.ツララとコノハナサクヤヒメ

 ツララを正気に戻すため、私たちはコノハナサクヤヒメと一緒に多くの氷柱がある場所まで〖飛行〗で進んでいく。ここまでの道中敵に襲われる事もあったが、コノハナサクヤヒメが「いやァアアッ!」とか「こわいーーッ!」とか叫びながらエネルギー破みたいなのを放ち、一撃で消し炭にしていた。

 これが神の力か、わかっちゃいたけどとんでもないわね。これは私の出番はないかも。


 因みに神のステータスが気になりすぎて〖鑑定〗させてほしいとお願いしてみた。

 コノハナサクヤヒメは「わちきのステータスでありんすか? ようござりんすよ」との事。〖鑑定〗させてもらった結果。


―――――――――――――――――――――


〖コノハナサクヤヒメ〗

種族:神


―――――――――――――――――――――


 としか表示されなかった。ステータスやスキルはどうした? 天の声の姉さんに聞くと【ステータスがありません】なんて返答がきた。


 コノハナサクヤヒメ曰く、「ステータス? それはこの星の最高神などと語る輩が作った物でありんすね。そんな物、同じく神であるわちきには当てはまりんせん」との事だ。どうやら神ってやつにはステータスがないらしい。

 ってか、最高神を語る輩って神の声(仮)の事か? 言い方的にコノハナサクヤヒメは神の声(仮)が嫌いなんだろう。あいつは性根が腐ってるからな。至る所に敵を作っていそうだ。


 コノハナサクヤヒメに色々と教えてもらいながら移動し、目的地に到着する。そこにはツララが氷柱に背中をつけてこちらを待ち構えていた。


「〖気配探知〗に大きな反応があるから誰かと思えば、また来たでありんすか? こりねえ主さんでありんすね」

「待ってツララ! わちきよ! コノハナサクヤヒメが迎えにきんした!」

「コノハナサクヤヒメ……? その声その姿、覚えがあるような……いえ、気のせいか。今度こそ氷漬けにしてやりんす!」


 コノハナサクヤヒメの呼びかけも虚しく、ツララは両手を組んで人差し指を立てる手印を結び〖アイスコフィン〗を放ってきた。

 不味い! いきなり撃ってきやがった! この魔法は私の〖ダークショット〗も効かないんだぞ!


「ツララの魔法は知り尽くしてやす! わちきに任せておくんなんし!」


 身構える事しかできない私の前に、コノハナサクヤヒメが颯爽と出る。そして両手を前に翳し、冷気を受け止めてしまった。

 コノハナサクヤヒメつえー! これが神の力か! もしかして私必要ないんじゃね?


「くッ……あちきの〖アイスコフィン〗が通じないなんて、いったい何者でありんすか?」

「まだ気付かないなんて……主人の顔を忘れたでありんすかツララ……?」

「誰だか知らねえけど、この話し方には思い入れがありんす。あちきの口調をマネしねえでおくんなんし!」

「わちきの可愛いツララがそんな事を言うなんて……」


 と思ったが、ツララに突き放されたコノハナサクヤヒメは意気消沈したように、ガックリと地面に膝をついて泣き出してしまった。

 打たれ弱い! とんでもなく打たれ弱いよ(精神的に)この神様! こりゃあ外に出たがらないのも納得だわ!


「何でか知らねえけど動けねえならようござりんす。後は主さんたちだけ、この世とおさらばえさせてやりんす!」


 おさらばえって何! と思った隙に〖アイスニードル〗が飛んできた。


『そんな物ワシには効かんですぞ!』


 背中に乗せたギン爺が飛び降り、甲羅に頭と手足を引っ込めた〖金剛〗で〖アイスニードル〗を弾き飛ばした。

 やるーギン爺! やっぱ防御なら私以上だわ!


「確かその亀は寒さに弱うござりんしたな? さっきの女は動けねえようだし、今度こそ氷漬けにしてやりんす!」

『させるかーッ!』

「くッ!」


 ツララが〖アイスコフィン〗のための手印を結んだところに〖真空斬〗を撃ち込む。ツララは手印を解いて〖真空斬〗を躱すが、〖アイスコフィン〗を撃ち込まれる事もなかった。

 やっぱりね。ツララは〖アイスコフィン〗の発動前に必ず手印を結んでいた。だったら発動前にそれを解除すれば〖アイスコフィン〗は撃てないのよ。一度見せた技は研究されるもの、何度も見せたのが運の尽きだったわね。必殺技は見た者を必ず殺すから必殺技足り得るのよ。

 でも、このままツララと戦っていいのか? 呪いを解除する方法はないの?


「アテナさんがツララと戦ってやす……それなのにわちきは……」


 呪いを解く方法を知ってるかもしれないコノハナサクヤヒメをチラリと見ると、涙を流しながら何か葛藤しているような難しい顔をしている。


『コノハナサクヤヒメ、ツララの呪いを解くにはどうしたらいいの? このまま戦っても呪いは解けそうにないわよ』

「見たところ呪いは普通では解けそうにありんせん。一度倒して復活させればあるいは……でも、わちきにはツララを傷付けるなんてできんせん……」


 倒して復活? そんな事が可能なのか?

 それでも心優しいコノハナサクヤヒメには眷属を攻撃なんてできないみたい。でも、それは貴方の美徳だよ。それでいいと思う。


『倒しちゃっても生き返れるの? 死んじゃわない?』

「大丈夫でありんす。神は眷族と魂で繋がってやす。その魂にエネルギーを与えて蘇らせる事ができんす」


 なるほど、一度状態をリセットできるって寸法ね。だったら、


『貴方が眷属を攻撃できないなら、私が代わりにツララを倒すわ。その後復活させれば万事オーケーじゃない。大丈夫、貴方のツララは帰ってくるわ。だから泣かないで』

「アテナさん……わちきらのためにありがとうござりんす。よろしゅうお願いしんす」


 コノハナサクヤヒメに流れ出す涙を拭いながら頭を下げて頼まれた。

 貴方の眷属を想う気持ち、確かに受け取った。私が必ずツララを倒してみせるわ!

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