表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらトカゲだった~進化を重ねて最強のドラゴンになれ~  作者: ギッシー
第2章 北の山脈編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/71

53.神の眷属

 スノーウルフを倒し、移動を再開した私たちだったが、〖飛行〗が困難になるほどの吹雪に襲われていた。それは、私が今まで見た事のないほど猛烈な吹雪であり、目を開くのも困難なほどだった。


『何なのよこの吹雪は! 前が見えない……一旦地上に降りるわよギン爺!』

『はいですじゃ主様!』


 やむなく地上に降り、徒歩で移動する私たちだったが、凍てつく吹雪は徐々に私たちの体力を奪っていった。


『……くぅ、地上に降りてもきついわ……』

『主様……ワシ、体の感覚がなくなってきましたぞ……』

『寝たら死ぬわよギン爺! 気をしっかり持って!』


 低体温症の初期症状に眠たくなってくるというものがある。ギン爺の限界が近いのかもしれない。

 私たち爬虫類は寒さに弱い、亀も0度を下回れば冬眠もできずに死んでしまうとか聞いた事があるわ。ステータスの高い私やギン爺ならそう簡単には死なないだろうけど、このままじゃ不味いのは確かだ。早く何とかしなきゃ!

 とにかく、体温を奪うこの風を防がなきゃ。穴を掘ってビバークするか? ――あたッ!

 吹雪を凌ぐ方法を考えながら歩いていると、障害物にぶつかってしまった。


 くっそー、背の高い木にぶつかったか? 開けた場所を歩いてたつもりだったんだけど、いつの間に森に迷い込んだんだ?

 いや待てよ、ここはすでに森林限界を超える標高、私が頭をぶつけるほど高い木なんてないぞ。じゃあこれはいったい……。


 吹雪を堪えつつぶつかった障害物調べると、それは私よりも背の高い先の尖った氷柱だった。

 何で山にこんな大きな氷柱があるんだよ。北の山脈ではこれがスタンダードなのか?


『……不味いですぞ主様、周りを見てくだされ』

『周り?』


 珍しく焦った声音で話すギン爺の指摘に従い周囲を見回す。すると、少し吹雪が治まったのか、今まで見えなかった景色が映る。いつの間にか私がぶつかった物と同じような氷柱が周囲に何本も存在していた。


『何よこの氷の塊――これは……ッ!』


 目の前の氷柱をよく見てみると、それはただの氷の塊ではなく、中に人間や魔物が氷漬けにされていたのだ。


『何で氷漬けになってるんだこいつら? 雪山で遭難でもしたのか?』

『違いますじゃ主様。これは山の神が自らの力を分け与えた眷属の仕業ですじゃ。その眷属は悪意を持って山の神に近づく者を排除し、護る使命を与えられております。しかし、このように無差別な殺生はしないはずなのですが……』

『――待ってギン爺、その眷属のお出ましみたいよ……』


 ギン爺の説明の途中、周囲の空気が急激に冷え込み、強烈なプレッシャーが私を襲った。その発生源に目を向けると、吹雪の竜巻が現れる。やがて吹雪の竜巻は消え、中心に白い和服のような衣装に長い藍色の髪、雪のように白い肌をした若い女性の姿の魔物が立っていた。

 一目見ただけでわかる。見た目は人型だけどこの女は魔物だ。その証拠に怖ろしいまでの存在感を放っているもの……。何よこの怖ろしい気配は? ケクロプス以上の威圧感だわ……ッ!


「そこなドラゴンに亀、無断であちきの領地に入るなんて自殺志願でありんすか?」


 現れた魔物が珍しい廓言葉で凄んでくる。その堂々とした態度が、自身の力に対する絶大な自信を伺わせた。

 あーこりゃあヤバい奴が出てきたわ。まず目がヤバい。あの氷のように冷たい目は、まるでこの世の全てを憎んでいるかのようだわ……。でも言葉は通じるようだし、無断で通るのがダメなら許可をもらえば戦わずにいけるかも? だったらこれだ!


『無断で入った事は謝るわ。私は頂上にいる山の神に用があるの、通らせてもらえないかしら?』


 私は謝れる女! 自分に非があれば謝り、代替案を出すのが建設的な考えってやつよ!


「はっ、白々しい、盗人猛々しいでありんす。あちきの領地に無断で踏み入る者は、人だろうが魔物だろうが必ず殺す。それがあちきの使命でありんす!」


 色白の女は吐き捨てるように言い放ち、こちらに向けて先の尖った氷の塊を撃ってきた。スノーウルフも使っていた〖氷魔法〗〖アイスニードル〗だ。唸りを上げて向かってくる〖アイスニードル〗を横っ飛びで何とか回避した。


 えええッ! 私謝ったじゃん! 何でそうなるの!

 しかもスノーウルフの魔法より大きいし数も多い。同じ魔法でも魔力のステータスが高ければこれだけの違いが生まれるって事か? とにかく戦闘になったからには〖鑑定〗だ!


【〖鑑定〗が妨害されました。ステータスを閲覧する事はできません】


 また妨害された! でも、〖鑑定妨害〗なら私も使える。妨害には気合で対抗だ! ウォオオオリャアアアッ!!


―――――――――――――――――――――


〖ツララ〗

種族:雪女〖状態:呪い(大)〗

ランク:B

LV :30/60

HP :527/527

MP :815/815

攻撃力:433

防御力:380

魔力 :815

素早さ:348


通常スキル

〖鑑定LV8〗〖鑑定妨害LV――〗〖人間言語L7〗

〖気配探知L8〗〖思考加速LV5〗〖念話LV7〗

〖暗視LV4〗〖隠密LV6〗〖痛覚緩和LV5〗

〖肉体再生LV5〗〖HP自動回復LV4〗〖MP自動回復LV7〗


魔法スキル

〖氷魔法LV10(MAX)〗

〖アイス〗〖アイスニードル〗〖アイスストーム〗〖アイスコフィン〗〖ダイヤモンドダスト〗


〖水魔法LV5〗

〖癒しの水〗〖浄化の水〗〖ウォーターボール〗


〖木魔法LV5〗

〖ガーデニング〗〖ウィンド〗〖ウィンドリーフ〗


耐性スキル

〖物理耐性LV4〗〖魔法耐性LV6〗〖毒耐性LV6〗

〖酸耐性LV4〗〖麻痺耐性LV4〗


称号スキル

〖神の眷属LV――〗


スキルポイント:2120


―――――――――――――――――――――


 〖鑑定〗できた! 〖鑑定妨害〗を突破できたぞ! やっぱりこの女が噂の眷属だったか!

 種族雪女のツララ、ネームドの魔物だ。こんな美人が出てくるのは予想外だったけど、雪女のイメージにピッタリの見た目をしてるわ。


 ってか、強いぞこの女……Bランクなんて初めて見た。ギン爺やケクロプスよりも一段上のランクだ。バカみたいに高い魔力の〖氷魔法LV10(MAX)〗の魔法を初見で受けたら何もできずにやられる可能性まである。でも、その代わり攻撃力、防御力、素早さはそれほど高くない魔法特化タイプみたい。接近戦に持ち込んで魔法を使う隙を与えずに戦えば勝てる可能性はある。

 〖状態:呪い(大)〗ってのは気になるが、あっちはやる気みたいだ。戦闘は避けられそうにないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ツララのステータスに通常スキル〖鑑定妨害LV――〗がないけど…… 第51話に 【通常スキル〖鑑定LV7〗が〖鑑定LV8〗に上がりました。〖鑑定LV8〗の効果で通常スキル〖鑑定妨害LV――〗を取得し…
これはボスバトルかな?神の眷属でこれなら、神本体にはまだ敵わないか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ