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転生したらトカゲだった~進化を重ねて最強のドラゴンになれ~  作者: ギッシー
第2章 北の山脈編

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50.町の天才薬師

 テルメンは入口の扉を開け、見知らぬ男を迎え入れた。私は正体がバレないようフードを目深に被り直し男を観察する。見たところ体格は中肉中背、いたって平均的な顔をした特に何の変哲もない男に見える。

 この男が噂の天才薬師なのか? パッと見は普通の住民に見えるが、この姿は実力を隠す擬態かもしれない。こんな田舎町にそんな天才薬師がいるなんて妖しさ満点だからね。能ある鷹は爪を隠すと言う言葉もあるし、念のため〖鑑定〗しておくか。


【〖鑑定〗が妨害されました。ステータスを閲覧する事はできません】


 入ってきた男を〖鑑定〗するが、天の声の姉さんが妨害された事を告げ、ステータスを見る事はできなかった。

 妨害された! こんなの初めてだぞ――うえぇ……ッ! くっ……この不快感には覚えがある。〖鑑定〗を受けた時の感覚だ。

 妨害に加えて逆に〖鑑定〗まで……。こいつ、怪しいなんてもんじゃない……いったい何者だ……ッ!


「フフフッ、そんなに驚いてどうされました? 私に何か?」

「いえ、何でもないわ……」


 〖鑑定〗をかけてきた男は不敵に笑い話しかけてくる。私はそれに歯を食いしばり平静を装い返答した。

 先に仕掛けたのは私だからやり返されたって文句は言わない。でもね、悔しいものは悔しいのよ……ッ!


「怖い顔してどしたのアテナ師匠?」

「大丈夫よ。心配いらないわ……」


 どうやら怖い顔になっていたらしく、ユナが様子を窺うように問いかけてくる。心配ないと答えてはいるが、私は警戒を解かず男から目線を外さない。

 ユナもテルメンもこの男を全く警戒していない。こんなに怪しいのに何でだ?


「アテナ殿、こちらが先程話した天才薬師ソーマ殿です。ソーマ殿の働きで多くの冒険者の命が救われました」

「ご紹介にあずかりました薬師のソーマと申します。貴方がアテナさんですか、話はテルメンさんとユナくんから聞いていますよ。噂のアテナさんにお会いでき光栄です」


 私の警戒を察したのか、テルメンが男の紹介を始める。ソーマと呼ばれた男が一歩前に出て話し始めた。どうやら薬師の男はソーマと言う名前らしい。

 おいおい二人とも、私の事を話したのか? この男、どこまで知ってる……?


「……アテナよ」


 どうしてもソーマが信用できない私は一言だけ答えた。

 私だって普段ならこんな失礼な事しないよ。でも、こいつは怪しすぎるだろ。〖鑑定〗を妨害してきたんだぞ?


「どうされましたアテナ殿、貴方ほど方がなぜそのように警戒を?」

「ハハハッ、どうやら私はアテナさんに嫌われたようです。人には相性がありますから仕方ありません。それよりテルメンさん、備蓄についての話しをしましょう」

「そうですな。ではこちらへどうぞ」


 私の態度にも動じず、ソーマは涼しい顔で話しを促し、全員が席について話し合いが始まった。


「ユナも参加するの?」

「はい、ユナにも経験を積ませるため、できるだけ参加させております」


 へー、自分で文を教え、私には武を鍛えさせる。まさに文武両道を鍛えるのか、テルメンって結構教育熱心な爺だな。それだけユナに期待してるんだろうね。

 私もユナには期待してるからここまでやってきたんだ。その気持ちわかるよ。


 会議は時折私やユナに意見を求める場面もあるが、基本的にはテルメンとソーマの二人が中心となって進めていった。

 そりゃそうだ。ユナは子供だし、私にいたっては何でここにいるのかわかんないくらい部外者だからね。それでも私に意見を求めるのは人間にはない視点の意見を聞きたいとか、そういう目的があるんだと思う。

 物知りなギン爺がいれば、魔物視点の解決策もあったかもしれない。でも、実は私って生後一年も生きてない赤ん坊だかんね。この世界の事情なんてミリしかわかんないよ。


「では、ソーマ殿の考えはこの終わらない冬の原因に山の神が関係していると?」

「そうです。山の天候を操るのは山の神の仕事、山の神は話の通じる神と聞きます。直接会って冬を終わらせ、春の訪れを願うのが得策かと」


 山の神か、ついに神の声(仮)とセルフィーナ以外の神が出てきたわね。

 話が通じるって本当かしら? 神話に登場する神は基本的に我儘だからなぁ、この世界の神がそうでない事を祈るよ。って、神の事を誰に祈るんだって話なんだけどね……。


「しかし、直接会うと言っても、山の神の所まで冬の山脈を踏破できる者など、この町に集まる優秀な冒険者ですら不可能ですぞ。いったいどうやって?」

「そこに適任者がいるではないですか」


 ソーマは私を見ながらそう述べた。

 確かにね。それをできるのは私しかいないだろう。今回の騒動は私が原因の一つだからなぁ……よっしゃ! ここはみんなのために一肌脱いだるか!


「わたった。私が山の神にお願いしてくるわ」

「よろしいのですかアテナ殿?」

「ええ、可愛い弟子のためでもあるからね。私にも手伝わせてちょうだい」

「うおおおっ! さすがアテナ師匠! カッケーッ!」


 私の宣言にユナは大喜びだ。

 うんうん、やっぱりユナはこうでなくっちゃ。やっぱりLVが上がらなくなったのが効いてるのか、今日はいつもより元気がないように見えたからね。

 待ってろ山の神とやら、春を取り戻しにいくわよ!

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