表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらトカゲだった~進化を重ねて最強のドラゴンになれ~  作者: ギッシー
第1章 トカゲから始まる異世界転生
19/71

19.ウサギ料理

 苦戦しながらもワイルドバニーを倒した私は、発見した〖ローレルペッパー〗と〖カプサイペッパー〗を採取し、ウサギのお肉を持って拠点に戻ってきた。


 今回の戦闘で気付いたけど、前より経験値がもらえなくなってる気がする。

 もしかして私のランクが上がった事で下のランクからの取得経験値が下がってるのか?


【取得経験値はランク差があると下がり、あまりにも差があると取得できなくなります。逆に上のランクに勝利すると取得経験値が上昇します】


 私の問いに天の声の姉さんが答えてくれた。

 へー、やっぱりそうだったんだ。

 強くなるためには、常に近い強さか格上相手と戦わなきゃいけないって事か?

 楽してレベル上げはできない仕組みになっているのね。

 じゃあ弱い魔物をいっぱい倒してレベリングはできないな、強くなるのも大変だわー。


 まあそれは置いといて、ゲットしたウサギ肉で料理するわよー!

 焼いて食うだけでも美味しいけど、ウサギは地球でも食材として使われているほどのお肉、ちゃんと料理したら絶対美味しくなるはずだわ。

 香辛料も入手した事だし、今回はしっかりと調理するわよ!


 まずはウサギの解体からだ。

 動物は死ぬと内臓から腐敗していく。急いで内臓を取り出さなきゃ肉をダメにしてしまうのよ。


 ん? なんで元女子高生がそんな事知ってるのかって? 前世で読んだサバイバルマンガで学んだのよ!

 料理マンガも読んでたから、実は料理は得意なんだ。いやー、人生何が役立つかわからんもんだわ。


 解体の手順は包丁でお腹を裂いて内臓を取り出す……って、包丁なんてあるかーい!

 例えあったところで持てないしね! こちとらトカゲの魔物ぞ! 人間様と違って器用な手先なんてないのさ!

 まっ、爪でいっか、包丁よりも切れ味いいし。人生は臨機応変に対応する事が大事だよ。


 私は爪でウサギのお腹を裂いて内臓をかき出す。鋭い爪がウサギの肉をスルリと裂いていく。


 あちゃー、止めを刺した〖爪撃〗で内臓が破けちゃってるよ。

 内臓を傷付けると肉がダメになるんだけど、私には〖毒耐性〗と〖悪食〗があるし大丈夫大丈夫。


 続いて皮をTシャツを脱ぐみたいにペロンと剥いだら立派なお肉が完成した。

 引き締まった筋肉が野生味あふれるジビエの味を予感させるわ。

 まぁ、ジビエ食べた事ないんだけどね!


 このお肉のお腹に外で採取してきた薬草やら香草を詰めて、表面に〖ローレルペッパー〗と〖カプサイペッパー〗を刻んですり込む。

 本当は香辛料は乾燥させた方がいいんだけど時間がないから省略する。

 そして、焚火でじっくりとローストしたら……〖ローストウサギ〗の完成だ!


 こんがりと焼けたお肉と香辛料から、実に食欲をそそる香ばしい匂いが漂ってくる。

 これは絶対に美味いやつだ!

 前世から引き継いだ私の食知識が、そう訴えかけていた。


 食べたいという本能に従いお肉にかぶり付くと、甘い肉汁が口内に広がる。

 美味い……美味すぎる!!

 やっぱり香辛料は偉大だわ。かつては金と同価値だった言い伝えられるだけある……ッ!


 それに加えてこのウサギ肉がまた美味い。

 鶏肉のように癖のないさっぱりした味わいなのに、パサつきのないジューシーな食感がある。

 例えるなら、鶏肉と豚肉を足して二で割ったような味だ。

 これは今まで食べたどの肉よりも美味しいわ!


 あっという間にローストウサギを完食した私は、草を敷き詰めて作った寝床に横になる。

 ふーっ食った食った! 美味かったー!

 今まで素肉しか食べられなかったから、久しぶりに味のあるお肉が食えて大満足だわ!

 香辛料を採取できて本当に良かった。

 取ってきた残りは外に広げて乾燥させたし、今後も約束された美味しいお肉ライフが待っているわ!


 こうして、食生活のレベルが上がって満足した私は幸せな眠りについた。




 翌日からの私の生活はというと、さらに生活環境を上げるために〖ダート〗を使った拠点の改築、美味しい食材探しと、やるべき事は沢山あり忙しい日々を過ごしていた。


 そして、花畑に行ったらまたフェリシアに会えると思って何度か通っているうちにまた再会する事ができた。

 フェリシアもあの場所には薬草採取に通っているようで、しょっちゅう花畑でお喋りする仲になったよ。


 そんな日々を送っていたある日、私は拠点に侵入する大きな反応をとらえた。

 むむっ! 〖気配探知〗に反応あり!

 凄い敵意を感じる……これは今までで一番強い反応かも、ヤバい奴に侵入されちゃったか……?


「ドルルルルルルッ!」


 気配の大きさに警戒しながら様子を見に行くと、そこには私の倍はありそうなサイズの熊を発見した。

 大きな体に長く鋭い爪と牙を持つ熊はお腹を空かせているのか、涎を滴らせながら獲物を探す様に周囲を窺いながら歩いている。


 あれって確か、初めて大蛇を見た時に丸飲みされてた熊だよね?

 ここは湖から離れているのに、あんなヤバそうなのも生息しているのか……。


 でも、逃げるわけにはいかない。

 ここは苦労して手に入れた私の城なんだ。

 それを奪おうってのなら、全力で抗ってやるわ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ