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 神聖剣で横薙ぎに斬る!

 それを、クシナ皇帝は、苦も無く俺の脇に回り込んで躱した。

 俺は今度は神聖剣を、袈裟斬りに振る。

 クシナ皇帝は、その剣も寸でのところで後ろへ飛んで躱し、右足を少し前に送り、大きく横薙ぎをした。俺は斬功狼の斬撃を、神聖剣なら大丈夫だと思い。


 受ける止めた……。


 カキ―ーーン!

 

 派手に火花が辺りに散った。

 俺は神聖剣の刃を見た。


 ……やっぱり、神聖剣は無事だった。 


 刃毀れ一つもしていない。

 何でも斬れる刀の斬功狼は、グレード・シャインライン国の国宝は斬れなかったんだ。


「ふん! よくぞ我が斬撃を受け止めた!」


 クシナ皇帝が後ろに一歩右足を引いて、それから、右足を前に踏み込むと同時に、目にも止まらない速さで、突進してきた。


 俺にはそのスピードが速すぎた。

 

「連続補助魔法! ダブルフルスロットル!」


 後ろにいる猪野間が、間髪入れずに補助魔法を俺に二回唱えた。


 凄まじい緑色の光に包まれた俺の身体能力が、爆発的に上昇する。

 俺は左にクルリと回り、斬功狼の斬撃を寸でのところで躱し続けた。

 クシナ皇帝の体当たりを、右へ跳躍して大きく避けると、そのままの態勢で、神聖剣を右から斜め上に構えた。


「これで終わりだーー! 鋼雲剣!!」


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