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第四章 四カ国同盟

――――


 クシナ要塞内 皇帝の広間 


 ワルツが流れる優雅な広間には、似つかわしくはない。不穏な空気が漂っていた。


 その広間には、元老院や貴族や要塞の豪族たちが集まっていた。その広々とした一室の片隅にいる猪野間は、ずっと俯き加減だった。玉座のクシナ皇帝もやや俯き加減だ。


 猪野間とクシナ皇帝は、二人は不意にお互いに目が合うと、コックリと同時に頷いた。


 やがて、重火器によって武装した各隊の重銃士団長たちが広間に現れた。



――――




 あそこにいるのは、ガーネットか??

 あ、あの白い盾は一体??


 ガーネットは盾を構えて仁王立ちしていた。

 大女のガーネットには、不釣り合いなほど、小型の真っ白な盾を構えている。そして、その盾を装備しているガーネットの周りにだけ、透明なバリアのようなものが発生していた。そのお陰で、ソーニャと通小町と騎士団たちは無事だったようだ。


 黒煙と砂埃が舞い瓦解した市街地の中央で、アスティ女王は優雅にグレード・バニッシュ・スターを片手でゆっくり撫でている。


「鬼窪くん。アスティ女王は手加減しているよ。ほんとは、こんだものじゃない。グレード・バニッシュ・スターの威力は、サンポアスティ国にいる時に、たまたまアスティ女王の戯れで、とある立派な建造物を破壊した時に見たの。ほんと凄いよ。建造物が全て吹き飛んでしまうの……。それと、助けてくれて、ありがとね」


 お姫様だっこで抱えていた西田が不意に言葉を漏らした。


 俺は、ふと疑問に思った。

 

 あれ?

 防御はいいんだけど……?

 どうやって、ガーネットは戦うんだろう。

 

 俺は、ガーネットがグレード・バニッシュ・スターを防ぐだけでも、必死のような気がしてならなかった。


 けれども、アスティ女王はまだまだ余裕があるんだ。

 このまま戦いが長引くと、……マズい予感?!


 俺は民家のベランダから、地面に着地すると、ガーネットの方へと走る。


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