ブルー・アクア・クイーン
「ヒーハー!」
「撃て! 撃てーーーー!!」
「追えーー!」
サンポアスティ国の兵たちが、追ってくる。
うへええええ。
通小町よ。
いいぞ!
なんだか頼もしいぞ!
そこは、飛んでくる銃弾も少ない。サンポアスティ国の兵がもっともいない網目のようなものだった。何故なら……。俺たちは、オニクボが先に倒した兵たちが多いところを通小町と飛んでいったからだ。
オニクボが通った空路から、サンポアスティ国の兵が空からたくさん落ちてきていた。
「鬼窪……。皆、死んでいるぞ?? でも、何故?」
不思議だ。
上空から落下しているオニクボに斬られた兵たちは、みんなおっかないほどの苦悶の表情をしているんだ。
よく見ると、サンポアスティ国の兵たちは、斬られたところが、手や足だった。怪我は大したことがないんだ。
なのに、どうして??
「鬼窪! これは多分、毒だ。斬られたところは皆大したことがないからだ。 オニクボの武器には何か強力な毒が塗られているんだよ」
小さめな箒に乗った通小町が、サーフィンから落ちたその兵たちを見て、皆毒によって倒されていると考えたみたいだ。
「じゃあ、アスティ女王も?!」
「ああ、そうだろうな! 急いで行くぞ! オニクボより先にアスティ女王を倒すんだ! じゃないと、アスティ女王が死ぬより恐ろしいひどい苦しみを受けてしまうぞ!」
そりゃ、まずいな!!
「わかった! 通小町! 頼む! 急いでくれ!!」