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04
多分、この少女は俺を海から助けてくれたんだろうなと思った。少女は俯いたまま遥か東を指さした。
なんだろう?
首を向けると、あの橋が見える。
それにしても、今の俺って何語で話してるんだろう?
不思議なことだらけだなあ。
「と、遠いなあ。けど、早く戻らないと……いけないんだ」
俺はあのソーニャとかいう王女が気になり出していた。
「今から一緒に飛んで行くのよ。王女様が危険だから……」
え?! き、危険?!
「ああ、あんたの名前は?」
「マルガリータ……ナイツオブラストブリッジの一人」
「そうか……。 ナイツオブラストブリッジ? 俺の名は……」
怖くなって、カクカクと鳴ってしまう足を叱咤していると、いつの間にか、草原の地面が盛り上がってきた。砂煙と共に下品な笑い声が木霊する。
「よー、よー、ちょっと待ってくれよー」
「うーん。うーん。こいつは顔は見えないんだな。でも、いい女の匂いがするんだなあ。こいつは高値だなあ」
「一人は男かあ……こっちは安値だなあ」
「うん?」