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三か国協議

――――


 クシナ要塞内 皇帝の広間 


 まるでワルツのような優雅な音楽が流れ、凛とした空間の奥に一人の白髪の青年が玉座に座りほくそ笑んでいた。とても面白そうにしているその顔は、青年が皇帝なのだということが次第にわかるほど、荘厳な品格が滲み出ていた。天井はパネルが幾つも嵌められていて、外の景色が見える窓は一つもない。殺風景な場所で、床にもパネルが敷き詰められているだけだった。だが、不思議な事に明かりのないはずのこの広間は、煌びやかな光を放っていた。


 その広間にはその青年と、もう一人。少女がいた。元老院からきた補助魔法が上位クラスの異世界人。猪野間いのま 琉理るりである。


「ほう、猪野間一刀流の使い手でもあるというのか。それは面白い。そして、私の側近にせよと……。ふーむ。なかなか面白い。だが、はっきり言おう。信用が足りぬな」 

「そうですよね。一応、元の世界では、私は生徒会長をしていました」

「うん? 生徒会長とは?」

「はい。クシナ皇帝陛下。学校というのものをご存知でしょうか? 東方領地のクシナ領にある兵士訓練所と同じようなものなのです。そこでも、私はトップの座にいました」

 

 猪野間はそこで一呼吸すると、瞬間的に抜刀して、初発刀からの剣舞をしてみせた。

 殺風景な皇帝の広間が一時、華やかになった。

 パチンという刀を鞘に納める音がし、猪野間の剣舞が終わると、クシナ皇帝はしっかりと頷いた。

 

「よかろう。それでは、必ず。その異世界の剣術で鬼窪とやらを見事倒してみよ……」


 そこに二人の老人が皇帝の広間に静かに現れた。

 皇帝の御前で平伏すると、口を同じく開く。


「陛下。グレード・シャインライン国のソーニャ王女とガルナルナ国のアリテア王がなにやら協力して不穏な動きをしておるようです……強国の二か国が同時に動くとこちらにとってはさすがに不利。陛下御自へいかおんみずからが動く時が来たようです」 


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