表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/119

第三章 東方の巨大要塞

 空を牛耳るブルードラゴンのヘリコプターくらいの高さから、マルガリータの大きな箒はラピス城へ向かって、すっ飛んだ。


「うん?? マルガリータ! 何か橋の近くの森に隠れているぞ? ほら、あれ! あの白いやつ!」


 ラピス城は海に囲まれているが、城と陸を繋げている橋の向こう側には深い森や荒れ果てた草原などがある。その森から、にょっきりと白い物体が伸びている。


「マルガリータ! まずはあの森へ行ってみよう! 敵かも知れないからあの白い物体を調べてみようよ!」

「わかったわ! 偵察ね!」


 俺たちを乗せた大きな箒は低空飛行で深い森に入った。大きな箒は木々や枝をすいすいと避けながら進むと、森の木々をなぎ倒しながら、ゆっくりと進む巨大で真っ白なピラミッド型の建造物が現れた。巨大なそのピラミッドは、着実にラピス城へ向かっている。

 

 なんだあの白いピラミッドは??

 動力とかはなんだろうな?

 まさか、ガソリンスタンドとかこの世界にもあったりするのかな? 


 と、俺は驚きの眼差しをして、どうでもいいことを考えていた。


「うーん……厄介な……。……鬼窪くん。あれはクシナ要塞よ」

「あれがクシナ要塞か?!」


 俺たちを乗せた大きな箒が白いピラミッドに近づくと、突然。まっさらな壁面の一部がいくつも開いて、中から大砲がでてきた。そして、こちらに向かって砲撃してきた。


「う、うわ!!」

「きゃーーー!」


 マルガリータは箒に「避けて!」と叫んで砲弾を緊急回避していく。


 ひええええ!

 あんなの。どうしろっていうんだ?!

 俺は近づくこともできないので、とりあえずよく観察することにした。


 クシナ要塞は少し地面から浮いている。

 そのせいか前進する動きはひどくゆっくりだった。


 だが、このままクシナ要塞がラピス城まで進んでいって、衝突でもすればラピス城は木っ端微塵になるだろう。当然、俺たちの負けだ。


「一か八か。あのクシナ要塞を私の魔法で食いとめてみる! それが駄目ならブルードラゴンのところへ戻って、ヒッツガル師匠に頼んでみるわ! あ、そうそう。ブルードラゴンのサファイアブレスもあるわね。なんとかなると思う。鬼窪くんは地上へ一旦降りるから、急いでラピス城へ向かって! クシナ要塞の騎士たちが橋をもう攻撃してたから、一刻を争うかも知れないわ……ソーニャさまとガーネットたちが心配なの」


「任せろ!! 地上は俺が守る!」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ