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36

 う、腕が痺れるだけだった!


 アリテア王は微動だにしていない。

 相手の鎧は全くと言っていい。

 無傷だ。


「無駄だぞ!!」


 アリテア王は直立不動のまま金の斧を振り下ろした。俺は軽いステップで後退して躱すと、考えた。

 守神アリテア王の鎧はどんなことをしても傷つけられない! 例えフルプレートメイルの金の鎧をなんとかしてもアリテア王は倒せないだろう。どんな深い傷でも治してしまう通小町が後ろにいるからだ。


 さあ、どうする?

 

 アリテア王が仕掛けた。

 金の斧が横薙ぎに振り回されていく。

 俺はその攻撃を次々と躱していった。 


 このままだと、体力のジリ貧だ。

 さあ、どうする?


「ふふふふふふふ。鬼窪くん。あなたはここで終わりよ! さっき本当に怖かったんだからね! ここで鬼窪くんさえ、死ねば。この国は私のものになる!! さあ、アリテア王よ! 鬼窪くんを倒すのよ!」

 

「……」


 アリテア王が一瞬。通小町の方へ顔を向けた。さすがに……怒っているんだろうな……。 

 アリテア王は兜を付けているが、兜と鎧の隙間があった。


「見えたーーーー! 隙ありーーー!」


 俺は急いで跳躍すると、およそ自分の出せる最大のスピードで、アリテア王に飛び込み。兜と鎧の隙間の首筋目掛けて神聖剣で突きを放った。


 サクっという鮮やかな音がして、アリテア王の首から信じられないほどの血が噴き出た。


「ぐっ!」

「アリテア王! 今すぐ治します! うりゃ!」


 通小町が慌てて片手を向けて回復魔法をアリテア王へ放つ。

 俺はこの戦いで大事なのはスピードだと考えるに至った。


 通小町の回復魔法の光がアリテア王を包み込む前に、玉座で立っている通小町の背後へ回り込んだ。


「もう、寝ろ!」


 俺は通小町の後頭部を神聖剣の柄で思い切り小突いてやった。

 通小町は片手を挙げたまま昏倒する。


「勝負あったな……」

「ま、またもや天晴!」


 アリテア王はその場で崩れ落ちた。




…………


「うん?? 外が騒がしいな?」


 俺はステンドグラスの窓から外を見てみると……大量破壊兵器でも放り込んだかのような大破壊がガルナルナ国の至る所の軍事施設らしいところで起こっていた。


 大量の煙を巻き上げ。物々しい大砲は全て吹っ飛び。堅牢な建造物は跡形もなくなり。陣形を組んでいた大勢の騎士たちも退却している。


 上を向くと、マルガリータがヒッツガル師匠を乗せて空を飛び回っている。火炎弾やブレンド・ファイアが軍事施設だけをピンポイントで火の海にしていた。


「うへええ……」

「もはや、降伏する道しか残っていないな……。鬼窪よ。我々、ガルナルナ国は全面降伏しよう……」


 後ろを振り向くと、アリテア王がピンピンとしていて、金の鎧を脱いでいるところだった。その傍でもう気を取り戻したのか、通小町がこちらを睨んでいた……。


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