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35

 俺はなんだかんだいって、秋野を庇っていた。

 勿論、俺にとっては些細なことだった。

 秋野が気づくはずもない。

 いじめグループが秋野の靴を隠した時。俺はこっそりと秋野の隠された靴を靴箱に入れたり、掃除当番を変わってやったりと……。


 な、なんで? 通小町にバレてるんだ?!

 だが……。


「ふん! もうこの世界じゃ関係ないな」


 俺は神聖剣を構えた。

 

「な、何よ。剣なんて構えて……私を殺す気?」

「ああ、今じゃ敵だ」

「う……」


 通小町がさっさと後ろを向いて逃げ出した。

 俺はその隙を逃さなかった。


「せ! 聖女様!!」


 騎士たちがうろたえているところに、飛び込んだ。俺はあっという間に神聖剣で大勢に斬り込む。それから、騎士隊長のような人も斬ると、騎士たちの状況が総崩れになった。


「こ、こいつ。騎士ではないぞ。あの盗賊衣装! 恐らく最凶最悪の盗賊のオニクボの息子だ!!」


 騎士の誰かが言った。

 戦慄が騎士たちの周囲に充満した。


「う、うわわわあーーー」

「う、退避ーーー!」

「退避ーー!」


 騎士たちがバラバラと元来た十字路に逃げて行く。俺は後を追わずに、一人でアリテア王のいる王の間へと向かった。


 ヒタヒタと俺の足音だけが大理石の階段に響いた。ここは白一色の階段だ。奥行きがあって、壁にはどれも鎧が中心にある絵画がたくさん飾られていた。


 俺は王の間へ通じる大扉を見つけた。

 中へ入ると……。


「え?!」


 中には、豪奢な部屋の中央に、一つの金色の鎧がポツンと置いてあった。

 その鎧にゆっくりと近づく者がいた。

 その大男は金色の鎧をがっしりと着ていく。

 間違いなかった。

 アリテア王だ。


「貴様が鬼窪か……まずは、天晴と言わせてもらおう。だが……ここが貴様の永遠の眠りゆく場所だ!!」


 アリテア王が壁に立て掛けられた金の斧を持ち出した。

 俺に向かって、ずんずんと歩いてくる。


 そのアリテア王の奥にある玉座には……通小町がいた。

 

「うりゃあああーーー!!」


 最初に仕掛けたのは俺だった。

 神聖剣でありったけの剣戟を食らわした。


 ガッキ―ン! と、いう派手な音と火花が飛んだ。


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