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 翌日。


「う、眩しい」

 目を焼くような激しい光で驚いた。木枠の窓の外から直射日光が差している。二段ベッドの下で寝ていた。


「うーん……」


 外は荒れ果てた草原だったから日光を遮る遮蔽物がないんだな。黒の学ランはラピス城の盗賊団の人たちに預けてあるから、下に着ていた白いシャツがしわくちゃだ。


 でも、よく寝ていられるなあ。


 二段ベッドの上には、ヒッツガル師匠が大いびきをかいて今も寝ている。

 マルガリータは別の部屋だ。


 さて、朝食を摂ったら今日からガルナルナ国攻略だ。

 泊めてもらっている身分だが、まあ緊急時だから……。


 俺は二段ベッドから起き出すと、とても動きやすい黒一色の中に金の輪や銀の輪が縫われたマントと、金の刺繍のある茶色の布のズボンに大きな髑髏マークのついた灰色のシャツを着た。

 

 隣の部屋の食卓へ行くと、昨日と変わらず木の香りがとても充満している。


「良い匂いだな」


 どうやら、俺はすがすがしい木の香りに馴染んできたようだ。


「そうでしょ」

 

 木製のテーブルには寝ぼけまなこのマルガリータが早々に起きて、木の皿に木の実やパンや果物を山のように盛っている最中だった。今は黒のハットを脱いでいるマルガリータはやはり小柄で可愛らしい金髪の少女だった。ロングの髪を後ろに一本垂れ下げている。前髪はおでこの位置で整えていた。


「鬼窪くんも早いのね」

「おはよう」

「あ、先に食べてましょ。ヒッツガル師匠は朝は弱いの」

「ふーん」


 俺はテーブルに着くと、一握りのパンと木の実を早速パクついた。あと、果物のレモン。


 そういえば、ヒッツガル師匠は大食いではなかったな。普通の食事の量だ。マルガリータだけか……。まあ、痩せの大食いってあるからな。あるいは、箒で飛んだり魔法をたくさん使っているから、体力などの消費が激しいんだろうな。


 でも、ヒッツガル師匠は……??


「なあ、マルガリータ? どうしてそんなに食べるんだ? なんか無理してないか? 例えば魔力を使いすぎたりとか……」

「うん?! あははっ、そう? ……子供の頃からよ(小声)。……ああ、そう。魔法や箒を乗り回すのには、かなりの体力を消耗するからなのよ」

「やっぱり、そうか。そうだよなー」


 やっと、ヒッツガル師匠が起きてきて、ここ食卓へ着くと首を傾げた。

 

「……そういうもんかな? いただきます」  


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