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「なんだ? おまえは? 変な奴だな? 俺さまと同じような服を着ているし?? 俺さまのファンか?」


 その声は氷のよりも更に冷たかった。見るからに残忍そうな顔をしたその男は荒れ果てた草原の一本の木に寄り掛かっていた。男がユラリと動いた。また、黒光りするナイフを一本取り出し、こちらに音もなく歩いて来た。


「鬼窪くん! 気をつけて! オニクボはかなり危険な男よ!」


 ブルードラゴンの背から降りたマルガリータがすぐさま火炎弾をいくつも男へ向かって、放った。草原を凄まじい爆炎が襲う。だが、火炎弾の着弾と共に男は忽然と姿を消していた。


「鬼窪くん……大丈夫?」

「ああ、大丈夫みたいだ……あれ?」


 俺の左腕のところの服がいつの間にか破れていた。

 今度は飛んでくるナイフはまったく見えなかったようだ。

 

 それでも俺は神聖剣を構えた。

 ま、マズイ!

 動きもまったく見えない!

 きっと、素早過ぎるんだ!!

 魔女のマルガリータじゃ、あのナイフは躱せない!

 

 一体。どうすればいい?

 それに早くヒッツガル師匠を助けないと!

 でも、俺はヒッツガル師匠が倒れている理由も知らなかった。何故? どうして? それに一体全体なんでこんなところに黒の骸盗賊団がいるのだろうか?


 いや、焦ったり混乱しちゃダメだ!


 俺はそこで、直感的にゆっくりと目を閉じた。

 目を閉じると、辺りの風の音、マルガリータの火炎弾によって燃え盛る草木、空を飛ぶ野鳥の羽ばたきの音、ブルードラゴンが空中で旋回している音、それらの音以外が良く聞こえてくるのがわかるからだ。するとオニクボがどこへ消えたのかが、わかった。

 

 不気味な音が下の方から聞こえるんだ! 


 そうだ! 土の中だ!! 


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