表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/119

02

 俺はホッとすると同時に尻込みした。

 少女が気合いと共に長剣を振り回して、大勢の戦いの間へと突っ込んでいったからだ。

 

 ここはどこだ! 

 お、俺に……どうしよっていうんだ!

 なんだか。こ、ここ、怖いぞ!


 まるで、戦争の最中みたいだぞ!


 徐々にだが、土煙を上げて戦っている連中がこちらに近づいてきた。よく見ると、橋の向こう側の人たちは青い鎧で、こちらの城側の人たちは普通の鎧だった。どう見ても、多勢に無勢だった。城側が圧倒的に不利だ。そして、あの少女だけ白い鎧かと思ったが……。


 突然、一人の青い鎧の男が俺に斬りかかってきた。咄嗟に足に力を入れて後ろへ逃げる。


「ひえっ!」


 それを見て、大女が大剣を構えこちらに駆けて来きた。


「加勢に来てやったよ!」


 助かった!


 大女の大剣が青い鎧の胴をなんなく斬り裂いた。青い鎧の人が倒れた。


「ヒッ! し、死んでる!」


 初めて死んだ人を見て、逃げ出したくなった。


 当然だが俺は逃げの態勢から、怖くて足が震えていた。正門まで後ずさりしていると、数本の矢が前方から飛んできた。矢は俺の脇を通り過ぎ、地面に次々と突き刺さっていく。


 なんとかなったが、もう後がなかった。


 う……。


 いつの間にか、戦いの間が城の正門まで近づいてきてしまっていた。白い鎧の少女が同じ白い鎧の男と戦っている。


「王族の名にかけて! 負けられない!!」 

「なんの!! 王女よ!! その命貰ったぞーー!! ぐわっ!!」


 白い鎧の少女の首元に白い鎧の男の一閃が繰りだされた。

 だが、近くにいた俺は、なんとなくほっとけなかった。とっさにずっしりとした白い鎧の男の身体に体当たりをしていた。


 あれ?? 体が自然と動いたんだ。


 白い鎧の華奢な少女は態勢を整えて俺の脇まで来ると。


「助かったよ! 君! 君は、なんて名前? どこから来たの?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ