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うへぇ?! 神聖剣でも歯が立たない??
じゃあ、どうやって倒すんだ?!
隣にいるソーニャも俯きだした。
なんだか、アリテア王は俺にとって最大の敵のような感じだった。神聖剣でも効かないとすると、その鎧や盾を前に俺はどうしようっていうんだ?!
その鎧と盾にどこかしら隙間でもあればなあ。
こう、神聖剣でカキ―ンと……。
「どれくらい頑丈なのかな?」
「あ、でも。勝機が全然ないわけじゃないのかも知れないわ……ただ、頑丈なだけなら……。鬼窪くんの持つ神聖剣って、まだその秘めたる力は未知数なのよ。ハイルンゲルトすら知らない力もひょっとしたらあるのかもね。なんたって、こっちの神聖剣もグレードシャインライン国の国宝なのですもの」
周りの騎士たちが一斉に動揺した。
「うーん。マルガリータ? 今、思いついたんだ。なんとなくだが、アリテア王の鎧と盾もスティ女王のグレード・バニッシュ・スターとかいう武器も。全て国宝なのかい? でも、我が国の国宝の方が一番強いに決まっているよ」
隣のソーニャが自信を取り戻したようで凛とした顔を上げて、俺の顔を見つめてこう言った「決して負けるな」と。
「王女。その通りかも知れません」
「そうか! オニクボよ。マルガリータも気を付けてくれ。我が城の国宝の力。思う存分使ってくれよ」
「はい!」
「承知しました!」
翌朝、思わぬエロハプニングがあったが、無事に俺とマルガリータはブルードラゴンの背に乗り、途方もない西を目指すことになった。どんなエロハプニングだったかというと、一階にある石造りの大風呂で朝風呂を楽しんでいた俺に、湯気で見えにくかったから良かったものの。何食わぬ顔の服を脱いだソーニャが乱入してきてしまったことだった。