ガルナルナ国 その2
俺はこのままだと埒が明かないな……と思ったんだ。そこで、みんなを集めたんだ。ガルナルナ国の正規軍は怒り狂ったブルードラゴンのサファイアブレス(マルガリータから聞いた正式名称だ)で滅んだ。あの青い豪炎で焼かれた荒れ果てた草原は見ていて、こっちがハラハラする景色になっていた。
石材でできたテーブルの上の中央にある地図は、ハイルンゲルトの地図だ。
砂の匂いのする部屋だけど、ここがラピス城の軍会議室だ。
今、交戦中のガルナルナ国は、ここから遥か西の方にある黒の骸盗賊団のいる西の荒れ果てた草原よりも、更に西へいったところの西方領地にあることがわかった。
「こうなりゃ、攻め込もうよ……それしかないだろ? ブルードラゴンと俺だけで行ってくるよ」
俺の性格も変わったな。
学校ではごく普通の高校生だったのに……。
今じゃ、一人でラピス城のためにガルナルナ国に攻め込もうとしているだし……。
もう、立派なナイツオブラストブリッジだ。
「え? ……私も連れてってよ」
「みんな、それでいいかい?」
マルガリータは行くと言った。それを、ソーニャがみんなに確認をしている。天井の灯火で照らされた石でできた一室だった。かなり大きく殺風景な軍会議室は、石壁の四方の隅には鉄の鎧を着て剣を構えた銅像がそれぞれ立っていた。
「あ、そうだ。ガーネットも連れていくといい」
「あ、あたしはいつも王女のお傍にいるよ。いや、いたいんだ」
ソーニャの言葉にガーネットは首を横に振っている。
「じゃあ、俺とマルガリータで……」
「鬼窪くん。あなたの役割わかってる? ガルナルナ国に攻め込むのよ。最終的にはその国のアリテア王を倒さないといけないのよ」
うん? 王様?? アリテア王??
って、誰??
でも、なんか嫌な予感が……。
ひょっとして、俺って貧乏くじ引いた?
「最強の守神と呼ばれている王様よ。たぶん、あなたの持っている神聖剣でさえも、守神の鎧や盾はまったく傷つけられないはずなの。何故なら守神であるアリテア王はその昔、 南方のサンポアスティ国と戦争をしたといわれているの。その時に、アリテア王の鎧は、スティ女王のもっとも破壊力のあるグレード・バニッシュ・スターという武器でも傷一つつかなかったと言われているし。そんな伝説があるのよ」