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一切、ブルードラゴンに臆することもなく。ブルードラゴンに向かってコクリと頷くと、上に向いて遥か地上を指差した。ソーニャの合図にブルードラゴンは力強く頷いた。そして、辺りを凄まじい衝撃が襲う。水の神殿全体が激しく揺れ出したんだ。
ブルードラゴンが水中で羽ばたいたからだ。
あっけなく水の神殿が崩壊していく。
俺とソーニャはブルードラゴンの近くの宙を泳ぎながら、さすがに真っ青になって戸惑い顔を見合わせた。ブルードラゴンがクイっと長い首を自らの背に向けた。
(よしっ!! やったぞ!! こいつは貴重な戦力になる!! なんでかブルードラゴンは俺とソーニャと仲が良いみたいだし!!)
ソーニャがすぐにブルードラゴンの背に乗り、俺もそれに続いた。
爆発したかのような水泡が周囲に飛び散った。
水圧も水の神殿の石の天井も物ともせずに、ブルードラゴンが地上へと破壊的に昇っていく。
激流の中。
俺とソーニャは二人で、ブルードラゴンの背でいつまでも抱きついていた。
グングンと高速で地へと昇るブルードラゴンの勢いに、俺とソーニャは歯を食いしばって体がねじ曲がるかのような水圧にお互い耐えていた。
水飛沫の凄まじい爆音が辺りに鳴り響く。
俺は海中からブルードラゴンが出たのだろうと、ソーニャの胸元に埋めていた頭を引っ張り出した。ソーニャも俺の胸元から顔を出し、辺りを見回す。
もう、すでにブルードラゴンは海から空高く舞い上がっていた。
遥か下方に橋が見える。
「うん??」
「気が付いた! あれね!」
「はっ! 俺って……いつまで……」
「うん?」
遠い西の方からガルナルナ国の正規軍が見える。
一言でいうと確かに大軍だった。
「ソーニャ。三万以上いないか? あの正規軍?」
「うん。軽く四万はいる」
「どうする?」
「……確か、ドラゴン族には強力なブレスがあるって、書物で読んだわ」
「ドラゴンブレス……??」
「そう」