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16

 その地図には、ここラピス城が中心にあって、周辺の諸国の情勢が細かく書かれていた。かなり悪い情勢の国には大きな赤い線が囲っていて、この地図を見ると、細かいところまでそれぞれの国の危険度や強さまでがわかった。全ての国が強国だけれど、段階的にその強さがわかるんだ。


「その羊皮紙の地図は、あのハイルンゲルトのだね……」


 ガーネットがいつの間にかビールの入ったジョッキ片手に俺の隣にいた。

 細長いテーブルには今もマルガリータが料理を平らげている。


「うん? そうなのか?」


 ガーネットはすりつぶした木の実の香りがする香水をしているようだった。凛とした顔の筋肉隆々で燃え上がるような赤い髪の毛がかっこよかった。俺よりも背が20センチくらい高い大女だ。


「ライラックを斬ったあんたの剣技はハイルンゲルトにそっくりだったよ。ひょっとして、オニクボ。お前は二年前に行方知らずになったハイルンゲルトの弟子だったのかい?」

「い、いや……。でも似たようなものさ」

「ふーん。あのへそ曲がりのハイルンゲルトがねえ」

「へ、へそ曲がり?」

「ああ。今まで誰にも剣技を教えてくれなかったんだよ」

「はあ」


 窓際からこちらに気がついたソーニャもやってきて、肩を並べて羊皮紙の地図を覗く。それと同時にソーニャの薔薇の仄かな香水の匂いも鼻をくすぐる。が?! 二人の胸も近過ぎて……?!


「へ、へっくしょん!!」

「??? どうした?」

「?? うん? どうしたんだオニクボ」


「……い、いや。なんでもない」


 黒の骸団の男が痺れを切らして、少し焦り気味に言出だした。


「お頭? もう明日には着いてやすぜ」 

「うそーーー?! ど、どうしようってんだ!」

「どれくらいの規模だ?」


 俺の絶叫を物ともせずにソーニャは冷静に問う。


「俺たちがここへ来るころに肉眼で確認しやした。その数はざっと3万の大軍でやす」

「さ……三万?!!!!」 


 俺とソーニャとガーネットが異口同音する。


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