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 暗い盗賊団の洞窟から出ると、明るい外はやはり荒廃した草原が広がっていた。盗賊団の一人の男が俺に近づいて、とても動きやすい黒一色の中に金の輪や銀の輪が縫われたマントと、金の刺繍のある茶色の布のズボンに大きな髑髏マークのついた灰色のシャツを渡して来た。


 そして、黒い骸骨が彫り込まれた短剣とどこかの国の紋章が浮き出た長剣も渡した。


 俺は盗賊団の男たちから学ランを脱がされ、それらに身につけていく。


「え?! その剣……神聖剣よ! こんなところにあったの?!」

「神聖剣?」

「ええ、ハイルンゲルトの剣よ。そして、グレート・シャインライン国の唯一残っていた国宝なの」


 俺は目を閉じて神聖剣を一振りしてから、鞘へ納めた。

 マルガリータが目を丸くして、神聖剣を見つめていた。

 

「ふーっ……じゃ、色々あったけれど。鬼窪くん乗って。さあ、行くわよ。黒の骸団の人たちもすぐにラピス城へ向かってね」


 俺はマルガリータの跨る大きな箒の後ろに同じく跨った。

 不思議なことにまったく恐怖しない俺を乗せて箒が浮いてきた。

 その次はマルガリータが「飛んで!」と箒に向かって叫ぶと、箒はマルガリータの言葉を理解したのか天高く空を飛んだ。見る見るうちに下方の草原の荒れ果てた大地が遠ざかっていく。


「うわああああー、た、高い! 高いぞ!」

「あははは。私がお師匠様の箒に初めて乗せてもらった時と同じ反応なのね。あの時は死ぬかと思ったけど、まあいいわよね。急ぐわよ! 鬼窪くん! しっかり掴まっていて……って!! どこ触ってるのよーーー!!」

「うへええええー!」


 でも、高いところは苦手だ! 俺は空中で目を閉じて、前方から叩きつけるかのような突風の中で、必死に両手で柔らかくて暖かいものを掴んでいた。


 猛スピードでマルガリータの箒が飛んでいるのがわかる。しばらくして目を開けると、前方にラピス城の長い橋が見えてきた。


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