表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

捨てられる?

新作です。


転生して傭兵になったけど、戦争が終わったので、自由に生きてみる〜けっこう強くてちゃらんぽらんでそこそこ捻くれ者の異世界暇潰し〜


という新作も同時に投稿してますので、そちらもよろしくお願いします。



 俺は今、豪華なソファに偉そうに足を組んで座っている。


 俺の前で土下座しているのは、自称女神。


 金髪ロリ巨乳の見た目の美しい女神だが、コイツが私にしでかした事を考えると、土下座は当然だろう。

 コイツが俺を殺したのだから。


「で? 俺はどうなるんだ?」

 このまま地獄行きとか許さんぞ。

 

「誠に申し上げにくいのですが、既に死んだ魂を元の世界に戻すわけにはいかず、聡太様には別の世界で生きて貰おうかと」


 ラノベのテンプレみたいな事言いやがる。

 ならばこちらもテンプレで返してやる。


「行っても良いが、ちゃんとチートくれるんだろうな?」


 力が無ければ死ぬ未来しかねぇからな。


「レアスキルを二つ授けます!」


「二つだけかよ! もっと寄こせ!」


「レアは1人1つと決まっているのに、2つあげるんですよ! ものすごい高待遇です! レア以外のスキルも勿論上げます! 貴族の家に産まれるという高待遇で! それでなんとか許して下さい!」


 うん、貧乏で死ぬのも勘弁だし、貴族の家なら安心だな。


「うーん、しゃあねーなぁ。じゃあそれでいいや」


「ありがとうございます! では世界を渡る時にスキルは付与されますので、いってらっしゃいませ」


「おう! 行ってくる」

 俺は手を上げて女神に答えた。

 そして意識が無くなった。



♦︎♢


 女神は男が消えたあと、悪そうな笑みを浮かべ、


「確かにレアとは言いましたが、強いとは一言も言ってないですよねぇ、あと、魔力0で送ってやったわ。私って素晴らしいわ」


 女神はニヤリと笑いながら、自画自賛するのだった。



♦︎♢


 オギャーと言う鳴き声と共に、俺の意識が回復する。


(はいはい、産まれましたよニューワールドに! レアスキルが2つあるはずなんだけど、どんなスキルなんだろう?)


「黒髪で黒い瞳とか気味が悪いな。とりあえず測定器にかけろ」


 三十路半ばの男が、俺を見ながら言う。

 多分父親なんだろうな。


(息子に気味が悪いってなんだよ! 測定器なんてものがあるのか)


「スキルは、『ハンマー』『大気』『アイテムボックス(小)』『気配隠蔽』『健康』の五つです」


 別の男がそう告げたのだが、


(あの女神、スキルをいっぱいくれるような事言ってなかったっけ? どれがレアなんだ? アイテムボックスかな? 気配隠蔽かな?)


「なんだその、はんまーってのと、たいきってのは。聞いたことないぞ。他のも大したことないスキルだ。気配隠蔽は使えるが、他はせいぜい行商くらいしか出来無さそうなスキルだ」

 

 父親らしき男がそんなことを言う。


(え? マジで? ハンマーと大気がレアなの? 行商ってアレだよな? 荷物背負って村々を渡り歩く商人だよな? それくらいしか出来ないとか、あの女神何してくれてんだ! まあ、貴族に産まれたのは間違いなさそうだが、この男の身なりを見ると、かなりの金持ちそうだし、金の力で何とかしてもらうとするか)


「戦えるスキルの無い子供など、我がジルコディー公爵家には必要ない」


(え? 何言ってんのおっさん! 必要ですよ! 私の知識チート使いましょうよ! 将来役に立ちますよ!)


「閣下、スキルも変ですが、魔力もオカシイです。魔力0です」


「魔力0だと⁉︎」


「はい、何度測定しても0なんです。魔力0という事は、魔力を必要とするスキルを1つも使えません!」


(まーじーでー!!!???)


「チッ、出来損ないか」


(出来損ないとか酷くね? 我が子だろ?)


「どうされます?」


「どうもこうも、この子供は我が家には産まれなかった。後は分かるな?」


(嘘! 嘘だと言ってくれ!)


「はい……奥様にはどう説明を?」


(俺を産んでくれた母親なら止めてくれるよね?)


「実家に報告されても厄介だ、死産だったことにしておく。どうせ男爵家の娘だったし、借金の肩代わりに容姿の良かった娘を貰っただけだったしな。何か言われても問題無い。子供の遺体を見るのは酷だから丁重に葬ったということにしておこう。我が子を殺すとなると、後々水晶の審議などでバレると厄介だから、魔物にでも襲わせよう。手配しておけ」


(やばいやばいやばいやばいやばいやばい)


「はっ」


 そう言って俺をつまみ上げるジジイ。


(はっじゃねーよ、そこのジジイ! 俺の足を掴んで持ち上げるなよ。赤ん坊だぞ! せめて抱きかかえろよ! 物じゃねーんだぞ!)


 そのまま部屋から出ると、廊下を移動してとある部屋に入り、一人の男に


「おい、このゴミを森に捨てておけ。すぐに狼が食い尽くしてしまうように、森の奥深くに捨ててこい」


 とぬかしやがる。


(ジジイ、俺はゴミじゃねー! 生きてんだぞ!)


「承知しました」


(承知するな!)



12時に2話目を更新します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ