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【完結】負けヒロインと俺が付き合っていると周りから勘違いされ、幼馴染みと修羅場になった  作者: ネコクロ
第二章『人気者は大変』

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第53話「いじわるです」

「――陽君は、いじわるです……」


 佳純を説得した陽は、次の日の昼休みに真凛へとそのことを話したのだが――その反応が、これだ。

 真凛は小さく頬を膨らませ、物言いたげな目で陽の顔を見上げてきた。

 陽は真凛お手製のお弁当を食べながら首を傾げる。


「なんで意地悪になるんだ?」


 嫌がる可能性は十分に考えていた陽だが、それが意地悪に紐づいた理由が理解できていない。

 そんな陽に対し、真凛は頬を膨らませた状態で不服そうに見つめながら口を開いた。


「わざとですか?」

「うん、だから何が?」

「…………」


 陽に聞き返された真凛は不満そうに俯く。

 そしてちょびちょびとご飯粒を箸で摘まんでは口に含み始めた。


(思った以上に拗ねてるな……)


 真凛は誰とでも仲良くするとても優しくていい女の子だ。

 だから佳純ともまた仲良くしてくれようとするんではないかと陽は期待をしていたが、真凛の反応を見るに難しそうに思える。


 しかし、佳純のことを放っておいて真凛のことばかり優先するとまた佳純が暴走をしてしまうわけで――あちらを立てればこちらが立たず、と悩ましい状況になってしまった。


 とりあえず真凛の機嫌を直さなければ話が進まない。

 そのため、陽はどうしたら真凛の機嫌が直るかを考える。


(佳純相手なら頭を撫でれば済む話なんだが、秋実の場合子供扱いをしたとかで怒りそうだしな……)


 ここ最近いつも一緒にいることで、陽は真凛が子供扱いされることを嫌うと十分に理解していた。

 だからそれに繋がるような行動は当然避けるわけなのが、そうなると今まで佳純しか相手をしなかっただけにどうしたらいいのかわからなくなる。

 今は昼休みということで綺麗な景色を見せるために連れ出すということもできず、陽はどうしたものかと頭を悩ませる。


 すると、チラッと真凛が陽の顔を見上げてきた。

 そして真凛のことを見つめていた陽と目が合うと、慌てたように真凛は再度俯いてしまう。

 その反応を見て陽は疑問を抱いた。


「どうした?」

「なんでもないです……」


 しかし、真凛は陽の質問に対して答えなかった。

 どこか居心地が悪そうで、そしてモジモジと身をよじっている。

 どうして真凛が急にモジモジとし始めたのか陽には理解出来なかったが、とりあえずここで触れると真凛が嫌がりそうだと思ったので、陽は別の話を振ることにした。


「話を戻すが、別に嫌がらせで根本を参加させようとしているわけじゃない。秋実がやりやすくするためだよ」

「どういうこと、ですか……?」


 陽の言葉を聞き、真凛は戸惑いと疑問が入り混じったような表情で陽の顔を見上げる。

 察しがいい真凛ではあるが、今回ばかりは陽の意図が読めないようだ。


「秋実の頭がいいことは知っているが、さすがに一人で長時間喋るのは無理だろ? だから、話し相手がいたほうがいい」


 一人で喋り続けることと、話し相手がいて話し続けること。

 どちらのほうがやりやすいかなんて、考えるまでもないだろう。


 そして、数人でワイワイとやる動画のほうが、一人でやる動画よりも盛り上げ箇所を作れたり、単純に会話だけで視聴者を楽しませたりということができる。

 だから陽は真凛の話し相手を用意することにしたのだ。


 それで白羽の矢が立ったのが、佳純だった。

 それは、こうすることで佳純も連れて行くことができる、というのが大きな理由ではあるのだが、そもそも陽には他に親しい女子がいないという理由もある。


 しかし――。


「話し相手は、カメラマンの陽君に……」


 真凛的には、話し相手は陽になってほしいようだった。

 当然真凛がそう考えることも陽は想定しており、真凛の言葉に対して首を左右に振る。


「駄目だ」

「どうして、ですか……?」


 断られたことで、真凛は縋るような目で陽の顔を見つめてきた。

 そんな真凛の目を見た陽は申し訳なく思うが、拒否したことにもちゃんと理由があるのでそれを説明するために口を開く。


「絵に映らない人間との会話はあまり好まれないんだ。それに、秋実のかわいさを推しに動画を撮るんだったら、男の声が入るのはやめたほうがいい」


 女の子のかわいさを求めて動画を見る男は、動画配信者などをアイドルのように見てしまうところがある。

 だから男の影があるだけで嫌い、ファンをやめてしまったりするのだ。

 人気動画配信者になるにはそういった層もきちんと取り込んでいかないといけないため、陽は自分の声を入れるようなことはしないほうがいいと思っていた。


「むぅ……」


 だけど、真凛は納得がいかないのか不服そうに再度頬を膨らませる。

 見た目の幼さも相まって子供が拗ねているようにしか見えないので、陽は物凄くツッコミを入れたくなった。


 子供扱いされるのを嫌うくせに、子供みたいな態度を取る真凛。

 しかし、陽からすると真凛はこのようなキャラではなかったはずで、最近になってこんな真凛を見かけるようになっていたのだ。


 どういう変化があったかは詳細にはわからないが、真凛が陽に気を許しているからこそ見せている一面には間違いない。


 その結果、陽が思ったのは――

(やっぱ、秋実の素って子供だよな)

 ――真凛は大人っぽく振る舞っているだけで、本当は子供みたいな女の子だ、ということだった。

いつもお読みして頂き、ありがとうございます(*´▽`*)


現在四半期も三位にまでなれました!


日間、週間、月間1位を取れましたので、

このまま四半期も1位を取れるように頑張ります!


また、おそらく三ヵ月後くらいに、皆様に喜んで頂けるようなことをやろうと思っていますので、

これからもどうぞよろしくお願い致します(#^^#)

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― 新着の感想 ―
親しい女の子を子供にしてしまう陽君はパパ?お父さん?キャラなの? 魔性のお、と、こ!?
[一言] じゃあ頭撫でてやれよ 今ならたぶんそれでだいたい解決する
[一言] >(やっぱ、秋実の素って子供だよな) 「いや、あんたのせいだよ」と、ふと思ってしまった。 もしかして、いずれ主人公は、女性をヤンデレ化する才能に恵まれるんじゃ?
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