表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】負けヒロインと俺が付き合っていると周りから勘違いされ、幼馴染みと修羅場になった  作者: ネコクロ
第二章『人気者は大変』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/105

第45話「甘えるのが好き」

「なぁ、お前約束守るつもりないだろ……?」


 陽は家に訪れた人物を自身の部屋と招くと、ベッドに座り額に手を当てながら溜め息を吐いた。

 それに対して相手は拗ねたように頬を膨らませ、物言いたげな目で陽を見つめてきている。

 

「陽が、たくさん甘やかすって言ったのに……」


 そう文句を言うのは、綺麗な黒髪を長くまっすぐに下へと伸ばした美少女――根本佳純だった。

 陽はそれに対して再度溜め息を吐く。

 

「だからって、別に週に行う回数を増やすだなんて言ってないぞ?」

「むぅ……嘘つき」

「いや、嘘なんてついてないからな? お前が週二回に増やすことを持ち出した時にちゃんと俺は断り、その代案としてたくさん甘やかすと言ったんだろ?」

「つまり、週三回ならオーケー?」


 佳純が上目遣いになってそんなことを聞いてきたので、『なぜ了承を得るために逆に数を増やすんだ』と陽は文句を言いたくなる。

 しかしここで文句を言っても佳純はどうせ更に拗ねるだけなので、今機嫌を損ねるわけにはいかない陽はグッと我慢をした。

 

「駄目だってわかってて聞いてるよな?」

「陽ならワンチャン」

「残念ながら駄目だ」


 陽がそう言うと、佳純は再度頬を膨らませる。

 そして、文句を言う代わりに陽の隣に座り、陽の肩に自分の頭を乗せてきた。

 下手に言葉で交渉するのではなく、陽の情へと訴える行動に出たようだ。

 

 そして甘えてこられた陽はといえば――。


「……今回だけだからな?」


 佳純のことを拒否することはせず、佳純の腰へと手を回した。

 なんだかんだ言って幼馴染みには甘い男なのだ。


 しかし、今回に限っては別の目的が陽にはあった。


 陽がそのまま佳純の体を持ち上げるために力を入れると、佳純は嬉しそうに腰を浮かせて陽の膝の上へと座ってくる。

 そして陽の胸へと頭を預けてきた。

 陽はそんな佳純の頭を優しく撫でながら、ゆっくりと口を開く。

 

「本当に佳純は甘えん坊だよな」

「うん、陽に甘えるの好きだもん」

「…………」


 さすがにすぐに本題に入るのはよくないと思って雑談をしようとした陽だが、思わぬカウンターを喰らって思わず黙り込んでしまう。

 頬が熱くなるのを感じながら佳純の顔を見ると、佳純は期待したように陽の目を見つめてきた。

 

 その目からは、たくさん甘やかせと言われているように陽は感じる。

 

(あぁ、失敗したな、これは……)


 佳純のご機嫌を取るためにした行動が完全に裏目に出てしまい、陽は佳純の自分に対する依存度が数段増してしまったことを、今更になって気が付いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『新作です……!』
↓のタイトル名をクリックしてください

生徒の保護者が元カノだった

『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』2巻発売決定!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック3巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック3巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
[一言] ヒロインどっちも可愛いんだけど何故か心象風景の中では二人のヒロインが陽を挟んで首抱きにしたまま自分の方に引っ張ろうとするような光景が浮かぶのは何故だろうか。 まあ可愛い子二人に挟まれて幸せ…
[良い点] あまーーーーーい!!!!だが、それがいい!!!! [一言] ブラックコーヒー用意して待ってます
[一言]  甘やかしてやがる!?……いちゃラブのワンチャン、読んでるこっちが悶えるわ(ありがとうございます)!!  ふぅ……サウナで整った気分ですよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ