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第99話「意外と意地っ張りな少女」

「秋実――」

「むぅ……」

「――っ!?」


 佳純を納得させた後、今度は真凛に声をかけに行った陽だったが、頬をパンパンに膨らませた真凛を前にして思わず後ずさんでしまう。

 そして困惑したように凪沙に視線を向けると、凪沙は『やれやれ』と言いたそうな表情で首を左右に振った。


「何を怒ってるんだ……?」


 どうして真凛が怒っているのか理解出来なかった陽は、それを本人へと尋ねる。

 すると、真凛は頬を膨らませたままジト目を陽に向けてきた。


「葉桜君は、幼馴染みだからって根本さんを贔屓しすぎです……」


 どうやら、真凛の中では佳純ばかり贔屓されてる、と思っているようだ。

 陽からするとむしろ、意図的に真凛を贔屓しているのだけど、本人の感じ方は違うのだろう。

 それに対して陽の後ろで佳純が物言いたげな表情を浮かべるが、先程陽と約束したばかりなのでグッと我慢をした。


「とりあえずこっちで二人きりで話そう」


 このままだと(らち)が明かないと思った陽は、今度は真凛を連れ出すことにした。

 すると、真凛はチラッと佳純の顔を見上げる。

 それにより佳純と目が合い、二人は無言でバチバチと火花を飛ばし始めた。


「やめろってのに……」


 後ろを振り返った陽は二人が目で喧嘩をしていることに気付き、真凛の手を掴んだ。

 それにより真凛は驚いたように顔を赤く染め、逆に佳純は顔を青く染めてパクパクと口を動かした。

 そして佳純は涙目で頬を膨らませて陽を睨むが、陽は気付いた様子もなく真凛を連れて行く。


(陽君、自分が火種だってことに気付かないと延々に続くよ、これ……)


 一人傍観を決め込んでいた凪沙は、三人のやりとりを見てそう思うのだった。


          ◆


「なぁ秋実。何が不満なんだ?」


 場所を移した陽は、早速真凛に怒っている理由を聞いてみた。

 おそらく佳純の言動が気に入らないのだろうな、という想像は付くものの、答えは本人の口から聞かないとわからない。

 そう思って尋ねたのだけど、真凛はまるで子供のようにいじけた表情で口を開いた。


「別に、不満なんてありません……」

「鏡を見せてやろうか……?」

「いえ、いいです……」


 不満たらたらという表情をしているのに意地を張る真凛を見て、陽は困ってしまう。

 その時、ふと凪沙の言葉が頭をよぎった。


(確かに……学校とは反対で、実際は佳純のほうが凄く素直で、秋実のほうが意地っ張りだよな……)


 こういう時どうするのがいいのか。

 今までの行動を(かえり)みた陽は、ソッと秋実の頭に手を伸ばした。


「あっ……」


 優しく頭を撫でられると、真凛は嬉しそうに声を漏らす。

 そして、おとなしく撫でられ始めた。


「えへへ……」


 途中洩らした声は誰にでもわかるほど嬉しそうで、顔も少しだらしなく緩んでしまっている。

 どうやら頭を撫でられただけで機嫌は直ったようだ。


(本当に、単純なのか気難しいのかよくわからないな……)


 そう思う陽だったが、とりあえず真凛が満足するまで頭を撫でるのだった。


 ――直後、なぜか全身が寒気に襲われたのだけど。

もう早いところでは、

『負けヒロインと俺が付き合っていると周りから勘違いされ、幼馴染みと修羅場になった』

が売り出されているようですね!!


早速TSUTAYAさんのライトノベルランキングで

17位になれており、

正式発売日よりも大分早く出てるのに嬉しい限りです……!


是非、これからもよろしくお願いします♪


今日は出来たら夜も更新する予定です!


話が面白い、キャラが可愛いと思って頂けましたら、

評価やブックマーク登録をして頂けますと幸いです(#^^#)

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