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生徒会長殿は疲れていた  作者: 茜カナコ
ノースシティ
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ノースアイランド

「ノースアイランドに行ってみよう」

「早くないかい?」

学の言葉に翼が答える。

「そうですよ、学さん」

あやのも反対した。


「でも、何も手がかりが無いのも事実だ」

学は譲らない。

「ハナはご主人様についていくよ」

ハナは人型になって、学の腕につかまった。


「ノースアイランドへは、ハナにドラゴンになって乗せてもらう」

翼はやれやれと言った様子で頷いた。

あやのも学の言葉に従った。


ノースアイランドは、飛んでいくとすぐだった。

「うわ、すごい瘴気っていうの? 空気がよどんでる」

翼が言った。

「気をつけろ、ハナ」

「うん」

学はあたりを見渡すと、大きなドラゴンが見えた。


「ドラゴンが居ますね」

あやのも気づいたらしい。

「近づいてみよう」

「はい」

ハナは学の言うとおり大きなドラゴンに近づいた。


「お前らは何者だ? 」

突然ドラゴンが話しかけてきた。

「異世界からきた学騎士団だ」

「我に何の用だ? 」

「もう一度封印させてもらおう」

「こしゃくな」


ドラゴンは炎を吐いた。

学たちは器用によけた。

「我を倒してどうする? 」

「我の言うことを聞けば、元の世界へ戻してやることもできるぞ」

ドラゴンは言った。学は聞き返した。

「何だって? 元の世界に帰れるのか? 」

「システィーナを殺せ。そうすれば、元の世界に戻してやろう」


ドラゴンの言葉を聞いて学は黙ってしまった。

「おぬし、闇の力を使っておるな」

「なぜそれを知っている」

「おぬしから闇の気配がしておる」

学がひるんだ瞬間、ドラゴンが尾を振った。

「闇の盾!」

学は闇魔法を使った。

瞬間意識が遠のくのを感じた。


ハナは危ないと思い、ドラゴンからはなれてノースシティに戻っていった。

「学、大丈夫? 」

翼の問いかけに、学は頷くのが精一杯だった。

ノースシティにつくと、学たちは冒険者の館に行った。


「ちょっと、大丈夫か? 顔色真っ青だ」

冒険者の館の若い男性が学に話しかける。

「ロストドラゴンと話した」

「何? なんと言っていた? 」

「システィーナを殺せと言っていた」

「何だって? 」

学はそれだけ言うと気を失ってしまった。


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