ハンナのビストロ
「ゴールドバッジになったね」
翼が言った。
「ああ、はやかったな」
学が答えた。
「学さん、大丈夫ですか?」
あやのが問いかける。
「大丈夫、ちょっと疲れただけだ」
学がそう答えると翼は言った。
「ハンナのビストロに行ってみようよ」
翼の提案に皆が賛成した。
「こんにちは」
「はいよ、いらっしゃい」
相変わらず繁盛している。
学たちは立ち飲みの樽テーブルにつくと、煮込みと黄金リンゴのジュースを頼んだ。
「学たちすごいじゃないか、もうゴールドバッチになったんだって?」
あいかわらず情報が早い。
学が頷くと、ハンナが続けていった。
「学の魔力が解放されたと聞いたが、体は大丈夫かい?」
「ああ、大丈夫だ。と言いたいけどちょっとしんどい」
そこまで言うと煮込みとジュースが出てきた。
「フローレンスから学たちをよろしくって言われてるからの」
「ありがとう」
「なにか依頼はある?」
「そうさの、今は特に依頼はないのう」
翼とハンナが話している。
ハナは煮込みに夢中だ。
「そういえば、ノースシティの女帝、システィーナ様が病気らしいのう」
「サウスシティとの戦争は?」
「ノースシティ優勢だったが、いまは休戦中らしい」
「ノースシティに行って見るか」
学が言うとハンナは少し渋い顔をした。
「ノースシティは早すぎるんじゃないかい」
ハンナが思い出したように言った。
「エルフのまちが、サウスシティのそばにある。そこでエリクサーを受け取ってきてくれるかの?」
「エリクサー?」
「紹介状はこれじゃ」
ハンナは皮で出来た紹介状には見慣れない文字が書いてあった。
「エルフの文字じゃ。エルフの村の冒険者の館に行けば受け取れるはずじゃ」
「わかった。報酬は?」
「8000ギルじゃ」
こうして学たちはエルフの村に向かうことにした。




