ハンナの依頼
翌朝、早速学達はセントラルパークへ向かった。
今回は馬車でなく歩きだったため、前回よりも時間かかかる。
「あやの、翼、ハナ、疲れてないか?」
学がそう言うとあやのが申し訳なさそうに答えた。
「じつはちょっと疲れています。急に訳の分からない世界に来て、魔法を使えるようになっちゃったり、冒険したり」
あやのがそう言うのを聞いてハナが割り込んだ。
「ハナはご主人様とずっと一緒にいられて嬉しい」
翼は髪を風になびかせながら言った。
「まあ、気にするなよ」
セントラルパークへの道は思っていた以上に混んでいた。
町長から、セントラルパークの入場証はもらってある。
ハンナとも一度は会っているから、街までつけば特に問題はないだろう。
「それにしても、俺たちはついてるらしいな。魔法はなかなか身につかないんだろう?」
歩きながら学がそういうと翼が答える。
「ラッキーじゃん」
翼はそう言って学の腕に抱きついた。胸の感触に学はドキドキした。
あやのは翼と学を離すように、割って入った。
「でも、魔法が使えることが公になると、面倒なことになりませんか?」
「そんなことないんじゃないか?あやのは心配しすぎなんだよ」
翼はそう言ってあやのの頭をなでた。
「子供扱いはやめてください」
あやのは翼の手を払うと、ツカツカと歩いて行った。
もうすぐセントラルシティにつく。
学はすこし緊張していた。
セントラルパークにつくと入場証をチラリと見られただけで簡単に街に入れた。
「えっと、ハンナのビストロはこのあたりだな」
学は前回案内された道筋を思い出しながら、路地裏の店にたどり着いた。
「ここだ」
「チリンチリン」
重いドアを開けると、ハンナが顔を出した。
「ずいぶん早いじゃないか」
「訳があってね」
学がそう言うとハンナはふん、と鼻を鳴らした。
「おおかたレベル上げのために依頼がないか探しに来たんだろう」
「お見通しだね」
翼はそういうと腰に手を当てた。
「ここではそういう話もできるのかい?」
「もちろんさ。冒険者の噂話も多いしな」
ハンナは少し考えた後、学に言った。
「食材ハンターってのはどうだい?ドラゴンの卵一個を持ってくること。期限は一週間」
「どうだろう」
学がみんなに問いかけると、一様に頷いた。
「引き受けよう。詳しい話を教えてくれ」
「なに簡単なことさ。セントラルシティの裏山にあるドラゴンの巣から卵を一個持ってくればいい」
「ドラゴンって強いの?」
ハナが学に尋ねた。
「ああ、大分強いと思うよ」
「俺たちにできるだろうか?」
学がハンナに問いかけると、ハンナは笑って言った。
「魔法が使える勇者パーティーにとっては簡単じゃろう」
「まちがっても、ドラゴンを倒そうとはするなよ。命あってのものだねじゃからな」
ハンナは急に真顔になってそう言った。
学達は、ドラゴンの卵を手に入れるため、セントラルパークの裏山へと向かった。




