異変6
学はフローレンスの手を引きながら、町に戻った。
町では、町長が待ちくたびれていた。
「遅かったな、学」
「すいません」
学はフローレンスの手を町長に渡すと、あやのと翼とハナの顔を見た。
「みんな、大丈夫だったか?」
「余裕、余裕」
翼がそう言うとあやのもハナも頷いた。
「ばあさん、大丈夫か?」
町長がそう言うと、フローレンスは疲れた顔で頷いた。
「大丈夫じゃ」
「まったく、警備兵なにやってんだか」
翼がそう言うと、警備兵は申し訳なさそうに項垂れた。
「まあ、そう言うな翼。一人対五人じゃ分が悪かったんだろう」
学はそう言って、警備兵をかばった。
「それにしても、魔法の噂が広まったのはやっかいだな」
学は真剣な表情でフローレンスを見た。
フローレンスも頷くと、言った。
「何、私にできることは些細なことだけじゃ。宝石が術者を選ぶ手伝いをするだけじゃて」
「警備兵、増やせませんか?」
翼が町長に言った。
「まあ、あと三,四人なら増やせるだろう」
「早急にお願いします」
学はそう言うと、町長に頭を下げた。
「あとは、俺たちの帰り道だな」
学は、翼とあやの、ハナに語りかけた。
「ノースアイランドに行って見たいと思うが、まだ俺たちのレベルでは早すぎると思う」
翼とあやの、ハナは学の言葉に頷いた。
「ハンナの酒場で冒険者の仕事をしながらレベルを上げようと思うんだが、みんなの意見を聞きたい」
「あたしも賛成」
「私も賛成です」
「ハナはいつでもご主人様の言うとおりにします」
学たちはしばらくハンナの酒場で冒険者の仕事を引き受けることにした。